クローゼットを開けると、それだけで一日分の作業量がある。遺品整理で物量が一番多いのは、たいてい衣類だ。結論から書くと、衣類は「残す・売る・寄付する・捨てる」の四択で、分別のルールは自治体ごとに違う。家具や家電はさらに別のルールが乗る。ここでは品目ごとの出し方を整理する。
| 品目 | 主な出し方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 衣類・スーツ | 資源回収または燃やすごみ | 区分は自治体で異なる |
| 布団 | 粗大ごみ扱いが多い | サイズ・枚数の上限あり |
| 食器 | 燃えないごみ/陶器類 | 割れ物は包んで出す |
| タンス・大型家具 | 粗大ごみまたは業者 | 搬出経路の確認が要る |
| 冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン | 家電リサイクル法の対象 | 粗大ごみでは出せない |
衣類は量から減らす
衣類は、一枚ずつ判断すると終わらない。先に大きく分けてしまうほうが早い。
手順としては、まず「明らかに残すもの」を数枚だけ抜く。形見として持っておきたい一着、写真に写っている思い出の服。次に「売れる可能性があるもの」を分ける。ブランド品、和服、未使用のタオルや下着といった贈答品の未開封分。残りが処分の対象になる。
スーツやコートは、状態がよければ買取の対象になることがある。ただし一般的な既製服は値がつきにくい。買取に出すかどうかで悩む時間のほうがコストになる場合もある。
自治体のルールは統一されていない
衣類の出し方は自治体ごとに違う。資源として古着回収を行うところ、燃やすごみとして扱うところ、汚れや破れの有無で区分が変わるところがある。回収日が月1回に限られている自治体もある。
横浜市は遺品整理の案内で「遺品整理や片づけであっても、通常の家庭ごみと同じように、必ず分別してください。」と明記している。業者に依頼した場合でも、家庭ごみとして出す部分の分別は必要になる。
まずお住まいの市区町村の分別表を手元に置きたい。「◯◯市 ごみ 分別」で検索すると、品目別の一覧が出てくる自治体が多い。
布団は粗大ごみになることが多い
布団は、多くの自治体で粗大ごみとして扱われる。ただし「1回に出せるのは何枚まで」といった制限や、たたんで紐で縛るといった出し方の指定があることが多い。羽毛布団を資源として別に回収する自治体もある。
枚数が多い場合は、粗大ごみの申込みが何回かに分かれることがある。明け渡し期限がある場合は、この点が段取りに効いてくる。
食器と割れ物
食器は、燃えないごみや陶器・ガラス類として扱われることが多い。割れているものは新聞紙などで包み、袋に「危険」と表示するよう求める自治体もある。
来客用の食器セットは量が多く、しかも値がつきにくい。未使用で箱入りのブランド食器なら買取の対象になることもあるが、量産品はそのまま処分になることが多い。
大型家具は搬出経路から考える
タンス、食器棚、ベッド。これらは自治体の粗大ごみで出せるが、問題は玄関まで運べるかどうかだ。二階から降ろす、廊下を曲がる、といった条件で作業の難易度が変わる。
粗大ごみは基本的に自分で指定場所まで出す必要がある。運べない場合は、業者に搬出を依頼する選択になる。みんなの遺品整理は費用について、建物の構造や周辺環境も反映されるとし、エレベーターのないビルなどは作業にかかる手間や人数が増えると説明している。
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、自治体の粗大ごみとしては出せない。国民生活センターは「買い替えに伴う処分の場合は新しい製品を購入する小売業者に、処分のみの場合は処分する製品を購入した小売業者に引取りを依頼するなど、家電リサイクル法に基づいて、適切に処理をしてください。」と案内している。
冷蔵庫の中身を先に処理する
意外と手間がかかるのが、冷蔵庫の中身だ。長期間そのままになっていた場合、開ける前に覚悟がいる。生ものは自治体のルールに従って処分し、液体は排水口へ流せるものと流せないものを分ける。
冷蔵庫本体を引き取ってもらう際は、中身を空にしておくのが前提になる。電源を抜くタイミングにも注意が必要で、霜取りの水が出るため引き取りの1〜2日前が目安とされることが多い。
業者にまとめて頼む場合
点数が多く、期限もある場合は、まとめて業者に依頼するほうが早い。ただし不用品の運搬には市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が関わる。横浜市は「無許可業者による不用品の処分は法律違反です。」と明記している。依頼前に、実際に運ぶ会社と許可の有無を確認したい。
よくある質問
故人の服はどう処分すればよいですか?
まず形見として残す数枚を抜き、次に売れる可能性があるものを分け、残りを自治体のルールで処分する、という順番が扱いやすい。分別区分は自治体によって異なり、古着として資源回収するところと燃やすごみとするところがある。市区町村の分別表で確認してほしい。
大量の衣類を一度に出せますか?
自治体によって1回に出せる量や袋数に制限がある場合がある。回収日が月1回の品目もあるため、明け渡し期限がある場合は日程から逆算したい。量が多く期限が近い場合は、許可を持つ業者への依頼を検討することになる。
タンスの中身が入ったまま処分してもらえますか?
中身が入ったままの引き取りに対応するかは業者によって異なる。粗大ごみとして出す場合は、中身を出して空にするよう求める自治体が多い。いずれにせよ、引き出しの奥に通帳や現金が残っていることがあるため、中を確認してから出すほうが安全だ。

まとめ
遺品の衣類は、残す・売る・寄付する・捨てるの四択。一枚ずつ悩まず、先に残す数枚を抜いてから残りをまとめて扱うと進みやすい。分別のルールは自治体ごとに違うので、市区町村の分別表を手元に置いておきたい。
布団は粗大ごみ扱いが多く枚数制限があることも。大型家具は搬出経路が費用を左右する。エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、自治体の粗大ごみには出せない。業者にまとめて頼む場合は、実際に運ぶ会社が一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているかを確認したい。














