不用品を前にして「これは捨てるより売れるのでは」と思ったとき、最初に迷うのは業者選びだ。結論から書くと、出張買取は「どこが高いか」より先に、売る物がその会社の主力品目に入っているか、そして特定商取引法の訪問購入として保護される品目かどうかで絞るのが速い。手数料はどこも無料をうたっており、そこでは差がつかない。差がつくのは、扱う物と、断りたくなったときに使える権利のほうである。主要6社の条件と、法律側の判断軸をまとめる。
| サービス | 形態 | 手数料 | 得意な品目 | エリア |
|---|---|---|---|---|
| バイセル | 出張 | 査定・送料・出張料が無料 | 着物・切手・古銭・骨董品・貴金属・ブランド品ほか20種以上 | サイトに都府県を列挙 |
| トレファク出張買取 | 出張 | 査定・出張・搬出・キャンセルが無料 | 家具・家電・ブランド品・着物・ホビー・アウトドア | 首都圏・関西の一部 |
| 高く売れるドットコム | 出張・宅配・店頭 | 出張手数料が無料 | 家電・デジタル機器を中心に幅広い | 全国15拠点から対応 |
| ブックオフ | 店頭・宅配・出張 | 出張費が無料 | 本・CD・DVD・ゲーム・トレカほか | 対象店舗のみ |
| セカンドストリート | 店頭・出張・宅配 | 出張料・査定料なし(2026年7月時点) | 大型家具・大型家電 | 郵便番号で要確認 |
| 買取王子 | 宅配のみ | 送料・査定・返送・買取箱が無料 | 60種類以上(本・家電・ホビー等) | 宅配便が届く範囲 |
※各社の公式サイトを2026年7月に確認した内容。セカンドストリートのみ再取得ができず、2026年7月5日時点で公式ページに記載されていた内容を載せている。条件は変わるので申し込み前に確認してほしい。
手数料で比較しても差はつかない
まず前提を潰しておく。バイセルの出張買取ページは査定料・送料・出張料がすべて無料と説明し、トレファク出張買取は査定料・出張料・搬出料・キャンセル料がかからないと明記している。高く売れるドットコムも出張手数料は無料、ブックオフの買取案内も出張費無料としている。つまり「手数料無料」は選定の材料にならない。
気にすべきなのは、当日その場で追加費用が出るパターンのほうだ。消費者庁の通達は、事前に価格の同意を得ていても「訪問後に手数料や搬出料といった別の費用を相手方に請求することにより、実質的には購入価格を減額させるような場合」を、消費者側から請求した取引としての扱いから外す例として挙げている。後出しの費用は行政も問題視している行為だと考えてよい。
売る物で会社を絞る
出張買取は「なんでも買います」と書かれていても、実際に値段がつく主力品目は会社ごとに違う。おおまかには次のように分かれる。
- 着物・切手・古銭・貴金属・骨董品 … バイセルのように専門買取を掲げる会社
- 大型の家具・家電 … セカンドストリートやトレファク出張買取など、店舗で再販するチェーン
- 家電・パソコン・カメラ … 高く売れるドットコムのように機種型番で値付けする会社
- 本・CD・DVD・ゲーム … ブックオフや宅配買取。点数が多いほど向く
トレファク出張買取は訪問基準の目安として、大型家具家電なら3点以上、そうでなければ総点数5点以上と示している。少量なら出張は成立しにくいということでもある。一方買取王子は宅配買取で1点から受け付け、買取箱の送付から返送まで無料としている。点数が少ないなら宅配、多いか大きいなら出張、という切り分けが現実的だ。
法律の保護が効く品目かどうかを先に見る
比較記事ではあまり書かれないが、ここが実は最も差の大きい軸になる。事業者が自宅に来て買い取る取引は特定商取引法の訪問購入にあたり、8日間のクーリング・オフや引渡し拒絶権がある。ところが特定商取引に関する法律施行令第34条が一部の品目を対象から外しており、e-Govの条文では「法第五十八条の四の政令で定める物品は、次に掲げる物品とする。」として自動車、「家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く。)」、家具、書籍、有価証券などが並ぶ。
つまり家具と大型家電と本を売るときは、契約したあとで取り消す手段が法律上ない。逆に貴金属・着物・ブランド品・カメラは対象に残る。値段への納得を当日どこまで詰めるべきかが、品目によって変わるということだ。
呼ぶ前に確認したい4点
業者側にも守るべきルールがある。法第58条の5は、勧誘に先立って「購入業者の氏名又は名称、売買契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る物品の種類を明らかにしなければならない。」と定めている。電話やフォームで申し込む段階で、次を押さえておくと当日が楽になる。
- 社名と古物商許可の番号(訪問時に提示を求める)
- 今回査定してもらう物の種類(それ以外は勧誘してはならない決まりになっている)
- 買取が成立しなかったときの費用の有無
- 契約書面を交付するかどうか(対象品目なら法律上の義務)
通達は「ある特定の物品について相手方から勧誘の要請を受けて訪問する場合であっても、その他の物品について勧誘をすること又は勧誘を受ける意思の有無を確認することは禁止される。」としている。着物を見てもらうつもりが指輪の話になった、という展開は法律上おかしい。断ってよい。
口コミとランキングの読み方
「おすすめランキング」を並べたページは多いが、順位の根拠が書かれていないものは判断材料にならない。代わりに見るべきは、行政が問題視している行為が起きていないかである。消費者庁は訪問購入の事例として「事業者に着物の買い取りに来てもらったが、貴金属の買い取りも執拗に要求してきた。」を挙げている。口コミを読むときは、星の数よりこの型の記述があるかどうかを探すほうが早い。
もうひとつ誤解されやすいのが許可の意味だ。通達には「古物営業法の法目的は盗品の流通防止であり」という注記があり、古物商の許可を得ていることは消費者保護の観点で適正だという証明にはならないと説明されている。許可番号の確認は必要だが、それだけで安心材料にはしないほうがよい。
すぐに来てほしいときの考え方
急ぎの依頼は、来訪までの速さと引き換えに検討時間が削られる。品目が訪問購入の対象なら、契約しても8日間は引渡しを拒めるので、当日渡さずに保留する手が使える。対象外の家具や大型家電では同じ手が使えない。急ぐほど、売る物が対象品目かどうかの確認が効いてくる。
よくある質問
出張買取で一番高く売れる会社はどこですか?
今回6社の公式サイトを確認した範囲では、買取価格そのものを保証している会社は見当たらなかった。価格は品物の状態と時期で動くため、事前に順位をつけることはできない。現実的な手は、主力品目が合う会社を2社以上呼んで金額を比べることである。査定だけで断っても費用がかからないことは各社が明記している。
出張買取の手数料は本当に無料ですか?
バイセル、トレファク出張買取、高く売れるドットコム、ブックオフはいずれも公式サイトで出張費や査定料が無料だと説明している。注意すべきなのは当日に搬出料などを追加されるケースで、消費者庁の通達もこうした後出しの費用請求に触れている。申し込み時に「今日かかる費用はゼロか」を確認しておきたい。
出張買取は少ない点数でも来てもらえますか?
会社による。トレファク出張買取は大型家具家電3点以上、または総点数5点以上を訪問基準の目安としている。点数が少ないなら、1点から受け付ける宅配買取のほうが成立しやすい。買取王子は1点から申し込めると案内している。

まとめ
出張買取の比較は、手数料では差がつかない。売る物が主力品目に入っている会社を選び、点数が少なければ宅配に切り替える。この2段階で候補はかなり絞れる。
そのうえで、家具・大型家電・書籍は契約後に取り消す手段が法律上ないことだけは覚えておきたい。値段に納得するのは、品物が車に積まれる前である。












