電子レンジは小型家電リサイクル法の対象品目だ。ではボックスに入れて無料で出せるのかというと、そうはいかない。結論から書くと、法律の対象品目であることと、住んでいる自治体が実際に回収しているかは別の話で、今回確認した3自治体はいずれも電子レンジを粗大ごみとして扱っていた。しかも手数料は江東区400円、大阪市400円、名古屋市1,000円と2倍以上の差がある。この記事では小型家電リサイクル制度の建て付けと、掃除機・炊飯器・扇風機など小物家電の扱いをあわせて整理する。
| 品目 | 東京都江東区 | 大阪市 | 名古屋市 |
|---|---|---|---|
| 電子レンジ | 400円 | 400円 | 1,000円 |
| 炊飯器 | 400円 | 200円 | 250円 |
| 掃除機 | 400円 | 200円 | 250円(電気掃除機) |
| 扇風機 | 400円 | 200円 | 250円 |
| ミシン | 卓上式900円/それ以外2,300円 | 卓上型200円/それ以外700円 | 卓上式500円/それ以外1,000円 |
※江東区は粗大ごみ品目一覧表(2025年1月更新)、大阪市は粗大ごみ処理手数料一覧表(2025年8月更新)、名古屋市は粗大ごみ手数料のめやす(2026年6月更新)。名古屋市は収集日が2026年10月1日以降となる分から手数料改定を予告している。
「法律の対象品目」と「実際に回収されるか」は別
ここが最大の誤解ポイントだ。一般社団法人パソコン3R推進協会は小型家電リサイクル制度の解説で、「小型家電リサイクル法では、パソコンを含む殆どの小型家電製品がその対象品目となっていますが、全ての対象品目が全国一律に回収されているわけではありません」と説明し、続けて「回収が行われるのは参加した一部の家電量販店等や市区町村だけであり、回収される品目も家電量販店や市区町村によって異なっています」としている。
同協会は制度の趣旨についても、「この法律は、制度に参加する家電量販店や市区町村が小型電子機器を回収し、これを国が認定した事業者に集め、適正なリサイクルを促進しようとするものです」と述べている。参加が前提の制度であって、全国一律の義務ではない。だから「電子レンジは小型家電だから無料」とは言えない。
回収ボックスの寸法で振り分けられる
実務上、電子レンジを分けているのは寸法だ。名古屋市の小型家電回収は拠点に置かれた回収ボックス方式で、対象を「回収ボックスに入る大きさ(縦15センチメートル以下かつ横40センチメートル以下かつ奥行25センチメートル以下)の小型家電(電気・電池で動く小型の家電製品)」としている。主な回収品目に挙がっているのは携帯電話、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機、電話機・ファクス、映像用機器、音響機器、理容用機器、ハンディ扇風機、電動工具などだ。
家庭用の電子レンジは、この投入口の寸法にはまず収まらない。名古屋市も「回収ボックスをご利用できない場合は、分別区分に則り不燃ごみ・粗大ごみ等で出してください」と案内している。電子レンジは制度の対象品目でありながら、ボックスに入らないので粗大ごみに回るという構図だ。名古屋市の場合その手数料は1,000円になる。
江東区の粗大ごみ処理手数料一覧(た〜と)は電子レンジ400円としつつ、メモ欄にオーブン機能があればオーブンレンジで出すよう注記している。大阪市もガスオーブンレンジを1,000円と別立てにしており、電子レンジの400円とは4倍近い差がある。手持ちの機種がオーブン機能付きかどうかで申し込む品目が変わるので、天板やダイヤルの表記を確認してから申し込みたい。
小物家電の手数料は自治体で2倍前後違う
炊飯器・掃除機・扇風機のような小型の家電は、大阪市と名古屋市では最安区分(200円・250円)に入る。一方、江東区は品目一覧の最低額が400円のため、これらもすべて400円になる。複数台まとめて出すと差が積み上がる。炊飯器・掃除機・扇風機・空気清浄機の4点なら、大阪市800円に対し江東区1,600円だ。
ミシンのように本体形状で分かれる品目もある。3自治体とも卓上式とそれ以外で区分を分けており、江東区は900円と2,300円、大阪市は200円と700円、名古屋市は500円と1,000円。脚付きの足踏みミシンは、どの自治体でも一段高い区分になる。
ロボット掃除機は少し扱いが特殊だ。江東区は品目一覧にロボット掃除機を400円で載せている。名古屋市は充電式家電の回収という別枠を設けており、回収ボックスに入らない大きさで充電して使用する家電製品を対象に、主な回収品目としてハンディ掃除機とロボット掃除機を挙げ、各区の環境事業所で無料引き取りを行っている。理由も明快で、名古屋市は「充電式電池が不燃ごみ・粗大ごみに混ざると、ごみ収集時やごみ処理時の火災・発火の原因になります」としている。
家電量販店の小型家電回収という選択肢
自治体以外の窓口もある。パソコン3R推進協会は、小型家電の回収を実施している大手家電量販店として、エディオン、ケーズデンキ、コジマ、上新電機、ソフマップ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラの8社を挙げている(令和5年8月現在の情報として掲載)。ただし同協会は「これらの家電量販店の全ての店舗でパソコンの回収を実施しているとは限りませんので、パソコン回収の有無、回収方法、回収料金等については、各家電量販店のホームページかお近くの店舗でご確認ください」と注意している。
名古屋市も市内の一部家電量販店が小型家電の回収を行っているとして各社を案内しており、エディオン・ケーズデンキ・上新電機・ヤマダデンキ・ヨドバシカメラは対面回収(一部品目有料)、コジマ・ビックカメラは宅配便を利用した回収(有料)と、方式が分かれると説明している。「量販店なら無料」でもないので、持ち込む前に品目と料金を確認したい。
よくある質問
電子レンジは小型家電回収ボックスに出せますか?
入らないことがほとんどだ。名古屋市の回収ボックスは縦15センチ以下かつ横40センチ以下かつ奥行25センチ以下が対象で、家庭用の電子レンジはこの寸法を超える。同市はボックスを利用できない場合は分別区分に従って不燃ごみ・粗大ごみ等で出すよう案内しており、電子レンジは粗大ごみ1,000円になる。
電子レンジの処分費用は自治体でどれくらい違いますか?
今回確認した範囲では、江東区400円、大阪市400円、名古屋市1,000円だった。同じ品目で2.5倍の差がある。またオーブン機能の有無で品目が変わる自治体もあり、江東区はオーブン機能があればオーブンレンジで申し込むよう注記し、大阪市はガスオーブンレンジを1,000円としている。
掃除機や炊飯器も小型家電として無料で回収してもらえますか?
自治体によって扱いが違う。名古屋市はハンディ掃除機とロボット掃除機を充電式家電として各区の環境事業所で無料回収しているが、炊飯器や電気掃除機は粗大ごみ250円だ。江東区は掃除機・炊飯器とも粗大ごみ400円、大阪市は200円としている。まず自分の自治体の回収品目表を確認するのが確実だ。

まとめ
電子レンジは小型家電リサイクル法の対象品目だが、それは「無料で回収される」という意味ではない。パソコン3R推進協会が説明するとおり、回収を行うのは制度に参加した一部の市区町村と家電量販店だけで、回収品目も窓口ごとに違う。
実務では回収ボックスの寸法が分かれ目になる。名古屋市の基準(縦15センチ以下かつ横40センチ以下かつ奥行25センチ以下)に電子レンジは入らず、粗大ごみ1,000円に回る。江東区と大阪市は400円だ。小物家電も江東区は一律400円、大阪市200円、名古屋市250円と差がある。まず自治体の回収品目表と粗大ごみ料金表を並べて見るのが、いちばん確実で早い。
家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)は家電リサイクル法の対象で、粗大ごみでは出せない。その仕組みはハブ記事にまとめている。









