そのままごみに出すのは気が引ける。でも、どこに頼めばいいのか分からない。遺品の供養は、必要かどうかも含めて判断材料が少ない領域だ。結論から書くと、供養は宗教上の義務ではなく、頼み先は菩提寺・遺品整理業者・供養専門の事業者の三つ。費用は品目と量で決まる料金体系が多い。ここでは公開されている料金例をもとに整理する。
| 頼み先 | 特徴 | 確認すること |
|---|---|---|
| 菩提寺 | 既存の関係のなかで相談できる | 受け付けている品目・お布施の考え方 |
| 遺品整理業者 | 整理と同時に依頼できる | 基本料金に含まれる範囲 |
| 供養専門の事業者 | 郵送で送れる場合がある | 品目ごとの料金・返却の有無 |
供養は義務ではない
まず前提として、遺品を供養しなければならないという法律も、全宗派共通の決まりもない。人形やぬいぐるみ、仏壇、写真をそのまま自治体のごみとして出しても、違反にはならない。
それでも供養を選ぶ人が多いのは、気持ちの区切りをつけるためだ。「捨てた」と思わずに手放せるなら、それ自体が目的として十分に成り立つ。逆に、必要を感じないなら省いてよい。
遺品整理業者に頼む場合
遺品整理業者の多くは、供養をオプションまたは基本サービスとして扱っている。ただし範囲は会社ごとに違う。
遺品整理プログレスの場合、提携寺院や自社施設での合同供養について「合同供養は基本サービスに含まれます。」としつつ、供養する遺品は段ボール2個までが無料で3個目から有料と説明している。自宅での訪問供養については、提携寺院の僧侶が自宅に出向いて読経による供養を行うとしたうえで、「僧侶による訪問供養は有料です。」と案内している(2026年7月時点)。
一般財団法人遺品整理士認定協会も遺品整理のご依頼の流れのページで供養の依頼を受け付けており、出張お部屋供養については、故人が亡くなった場所へ神職・僧侶が伺い、遺族や関係者立会いのもとで供養を行うとして、料金は2万円からと案内している(2026年7月時点)。
お焚き上げの料金体系
お焚き上げは、量や品目で料金が決まる形が多い。一般財団法人遺品整理士認定協会が遺品整理のご依頼の流れのページで公開している目安は次のとおり(2026年7月時点)。
| お焚き上げ品 | 料金 |
|---|---|
| 家庭用45Lビニール袋1個まで | 5,250円 |
| 追加料金 2個まで | 8,400円 |
| 上記のほか1個増すごと | 2,100円 |
| 布団一式/神棚(一般家庭用)/仏壇(1m以内) | 10,500円 |
| スナップ写真、印鑑など(極端に小さい品物) | 3,150円 |
仏壇については、高さ・幅ともに10cm増すごとに3,150円の追加料金がかかるとされている。上記以外の品物は、見積もりで対応するとの記載がある。
これは1団体の料金であって、業界の相場ではない。寺院に直接依頼する場合、お布施の考え方は寺院ごとに違い、金額を明示しないところも多い。
付き合いのある寺院があるなら、そこに聞くのが最も確実になる。受け付けている品目、日程、費用の考え方は寺院によって異なる。断られた場合でも、近隣で受け付けている寺院を紹介してもらえることがある。
合同供養と個別供養の違い
合同供養は、複数の依頼者の品をまとめて供養する形式。個別供養(訪問供養)は、依頼者ごとに読経してもらう形式になる。前者のほうが安価、または基本料金に含まれることが多い。
立ち会えるかどうかも違う。訪問供養は遺族が同席できるが、合同供養は事業者が持ち込んで行うため、多くの場合は立ち会わない。供養証明書や写真を発行する事業者もあるので、記録が欲しい場合は事前に確認したい。
部屋のお祓いを頼みたい場合
故人が亡くなった部屋そのものを清めたい、という依頼もある。遺品整理士認定協会の出張お部屋供養は、まさにこの形式にあたる。通常は遺品整理業務の一環として受けているが、供養だけの依頼にも対応するとしている。
神社に依頼する場合は神職による祓い、寺院に依頼する場合は読経と、宗旨によって形式が変わる。賃貸物件で行う場合は、火や煙を使う所作があるかどうかを事前に管理会社へ確認しておくと安心できる。
供養の日程
供養の受付日は事業者や寺院によって異なり、平日のみのところもあれば土日に対応するところもある。遺品整理の作業日と合わせたい場合は、業者に依頼する段階で日程を確認しておきたい。
郵送・宅配で受け付ける事業者もある。遠方に住んでいて現地に行けない場合は、この形式が現実的になる。送る前に、対象品目と梱包方法を確認しておくとやりとりが少なくて済む。
よくある質問
遺品の供養は必ずしなければいけませんか?
義務ではない。法律にも、全宗派に共通する決まりにもなっていない。自治体のルールに従ってごみとして出すことも問題ない。供養を選ぶかどうかは、気持ちの区切りをつけたいかどうかで決めてよい。
お焚き上げはいくらくらいかかりますか?
品目と量で決まる料金体系が多い。一般財団法人遺品整理士認定協会の目安では、家庭用45Lビニール袋1個までで5,250円、布団一式や神棚、1m以内の仏壇で10,500円、スナップ写真や印鑑など極端に小さい品物で3,150円となっている(2026年7月時点)。これは1団体の例で、寺院に直接依頼する場合のお布施は考え方が異なる。
遺品整理業者に頼めば供養までやってもらえますか?
会社によって範囲が違う。合同供養を基本サービスに含める会社もあれば、すべてオプションとする会社もある。含まれる場合でも「段ボール2個まで無料」のように数量の上限が設定されていることがあるため、見積もりの段階で範囲と追加料金を確認しておきたい。

まとめ
遺品の供養は義務ではないが、気持ちの区切りとして選ぶ人は多い。頼み先は菩提寺・遺品整理業者・供養専門の事業者の三つで、菩提寺があるならまずそこに相談するのが確実だ。
費用は品目と量で決まる形が多く、遺品整理士認定協会の目安では45Lビニール袋1個までで5,250円、仏壇(1m以内)で10,500円などとなっている。業者に依頼する場合は、合同供養が基本料金に含まれるか、数量の上限があるかを見積もり段階で確認しておきたい。部屋のお祓いを頼みたい場合は、出張供養に対応する事業者や神社・寺院が窓口になる。











