余った灯油の処分方法|捨て方を間違えると罰則がある

余った灯油の処分方法|捨て方を間違えると罰則がある

シーズンが終わり、ポリタンクに灯油が半分残っている。庭にまく、流しに捨てる、新聞紙に染み込ませて燃やすごみに出す。どれも検索すると出てくる方法だが、結論から書くとすべてやってはいけない。灯油は市区町村が回収していないうえ、下水道や側溝に流すと下水道法にもとづく費用負担や廃棄物処理法の罰則の対象になりうる。正解は購入した販売店やガソリンスタンドに引き取りを相談することだ。この記事では、なぜだめなのかと、どこに持ち込むのかを一次情報で確認した。

やり方可否理由
流し台・側溝に流す不可爆発・悪臭・河川汚染。費用負担と罰則の対象
土にまく・埋める不可土壌汚染。不法投棄にあたる
家庭ごみに出す不可多くの自治体が危険物として収集対象外
販売店・ガソリンスタンドに相談自治体が案内している正規の相談先

自治体は灯油を回収していない

まず前提の確認から。灯油は家庭ごみの収集対象に入っていない。三鷹市は「余った石油類の処分方法については、購入先に問い合わせてください。市では石油類の回収はしておりません。」とはっきり書いている。

八千代市は粗大ごみとして出せないものの一覧に危険物の区分を設け、薬品・農薬・殺虫剤とともにガソリン、灯油を挙げている。船橋市も灯油については販売店やメーカーに相談するよう案内しており、習志野市は灯油・ガソリンの相談先を「販売店又は専門業者(ガソリンスタンド等)」と明記している。横浜市も廃油は販売店へ相談としており、燃やすごみでよいのは食用油だけだ。

つまり、灯油の処分ルートは家庭ごみの外側にある。自治体に電話しても「販売店へ」と案内されるだけなので、最初から販売店に連絡したほうが早い。

流しや側溝に流すと費用負担と罰則がある

⚠️ 下水道に流すと爆発事故につながる
三鷹市は、下水道管の中で石油類が揮発し、それに引火することで爆発事故が起きるおそれがあると説明している。さらに費用負担について「灯油やガソリン等を下水道に流すと、下水道法第18条に基づき、修復費用を原因者が負担することとなります。また、河川に石油類が流れ出てしまった場合は、河川法第67条に基づき、清掃費用の負担を命じられる場合があります。」としている。
罰則にも触れており、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第25条にもとづき五年以下の懲役もしくは一千万円以下の罰金が科せられる場合があるとしている。

川口市も同趣旨で、暖房器具で使い切れなかった灯油を下水道に捨てると「広範囲にわたって悪臭が発生するだけでなく引火して爆発するおそれがありますので、下水道には絶対に流さないよう注意してください。」と呼びかけている。

「少量なら大丈夫だろう」という判断が通りにくいのが灯油の厄介なところだ。揮発した気体は配管をつたって隣家の排水口から上がってくる。自分の家の外で被害が出る種類のリスクなので、量の多少で線を引かないほうがいい。

持ち込み先は販売店・ガソリンスタンド

実際の持ち込み先は、灯油を買った店になる。ホームセンターや燃料店、配達で買っている場合はその販売店だ。ガソリンスタンドはセルフ式か有人式か、また店舗の設備によって対応が分かれるので、行く前に電話で確認するのが確実になる。習志野市が相談先として「販売店又は専門業者(ガソリンスタンド等)」と書いているのは、この幅を含んだ表現だ。

引き取り料金は店ごとに決まっており、無料の店もあれば有料の店もある。今回、全国一律の料金基準を示した公的な資料は見当たらなかった。金額を明示している情報を見かけたら、それがどの店の話なのかを確かめてほしい。

持ち運ぶときはポリタンクのふたをしっかり締め、横倒しにならないよう荷室に固定する。車内にこぼれると臭いが長く残るうえ、可燃性の蒸気がこもる。

ポリタンクとストーブ本体の処分

灯油を空にしたあとの容器と器具は、通常の家庭ごみのルートに戻る。横浜市では灯油用のポリタンクは中身を空にしたうえでプラスチック資源、50cm以上のものは粗大ごみだ。「廃棄します」「ごみです」等と明示するよう求められている。灯油ポンプは燃やすごみで、電池は分けて出す。

石油ストーブや石油ファンヒーターは粗大ごみになる。横浜市はストーブについて灯油・電池を抜くことを条件にしており、福岡市の粗大ごみ品目一覧にも「ストーブ(石油ストーブ)(灯油は抜き、電池は除く)」が300円で載っている。八千代市はストーブ(ファンヒーターを含む)を重量で区分し、15kg以下300円、15kgを超え30kg以下600円、30kgを超えるもの900円としている。

本体から灯油を抜くときは、給油タンクだけでなく固定タンク側にも残っている。コロナが公開している石油ストーブのしまい方では、固定タンクの灯油やごみを給油ポンプやスポイトで抜き取り、底にたまったごみや水を布切れでふき取る手順が示されている。そして抜いた灯油については「灯油の処分方法については、灯油をお買い求めになった販売店にご相談ください。」と案内している。自治体とメーカーの案内が同じ方向を指しているということだ。

よくある質問

去年の灯油をそのまま使ってもいいですか?

持ち越した灯油をそのまま使うのは避けたい。コロナが公開している石油ストーブのしまい方では、シーズン終了時に固定タンク・給油タンクの灯油を抜き取り、水やごみを残したまま保管するとさびや穴あきの原因になると説明されている。つまりタンクに残す前提になっていない。抜いた灯油の処分先について、同社は買った販売店への相談を案内している。

新聞紙に染み込ませて燃やすごみに出してもいいですか?

やめたほうがいい。灯油が染み込んだ紙は自然発火の危険があり、収集車の中で圧縮されると発熱源になる。三鷹市や八千代市の案内が示すとおり、灯油は自治体の収集対象外という前提が変わるわけではない。量が少なくても販売店に相談してほしい。

引っ越しで灯油が一斗缶分残っています。どうすればいいですか?

販売店やガソリンスタンドに事前に電話し、量と容器の種類を伝えて引き取りの可否と料金を確認する。量が多い場合は一度に受け取れないこともある。引っ越し日が決まっているなら、荷造りより先に処分先を押さえておくと安全だ。灯油だけを運ぶために別便を出すことになりかねない。

引っ越しを4回やって学んだのは、液体は最後に困るということだ。灯油は特に、引き取り先を先に決めておかないと当日詰む。

まとめ

余った灯油は自治体では回収されない。三鷹市は市が石油類を回収していないことを明記し、処分方法は購入先に問い合わせるよう案内している。下水道や側溝に流せば、下水道法にもとづく修復費用の負担や、廃棄物処理法にもとづく罰則の対象になりうる。

持っていく先は、買った販売店かガソリンスタンド。料金は店ごとに違うので、行く前に電話で確認する。空になったポリタンクとストーブ本体は、そこから先は通常の家庭ごみのルールに戻る。

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