冷蔵庫の処分を家電量販店に頼もうとして、各社のサイトを開いた瞬間に手が止まる。同じ「引き取り」なのに、店によって書いてあることの粒度も金額もまったく違うからだ。結論から書くと、収集運搬料金を左右するのは「買い替えと同時か」「その店で買った冷蔵庫か」「店頭に持ち込むか」の3点で、条件がそろえば1,100円、そろわなければ7,700円になる会社もある。同じ会社の中で7倍だ。この記事では各社の公式ページで確認できた条件をそのまま並べる。
| 量販店 | 冷蔵庫の収集運搬料金(税込) | 単独での引き取り |
|---|---|---|
| ヤマダウェブコム | 3,300円(サイズ・メーカー問わず) | 店舗持ち込みで可 |
| コジマネット | 1台目2,200円/2台目以降4,950円 | 購入が前提。店頭持ち込みは4,950円〜 |
| エディオン | 1,100〜7,700円 | 可。ただし過去の購入有無で倍近く変わる |
| ベスト電器 | サイト上に金額の掲載なし | 店頭で受付 |
※各社公式ページの掲載内容(2026年7月時点で確認)。金額はいずれもリサイクル料金とは別にかかる収集運搬料金。
量販店が必ず引き取る場合と、そうでない場合
比較の前に、法律側の線引きを押さえておきたい。経済産業省のFAQは小売業者の引取義務を、「自らが過去に販売した家電4品目の引き取りを求められたとき」と「買換えの際に同種の廃家電4品目の引き取りを求められたとき」の2つとしている。
裏を返せば、「その店で買っていない冷蔵庫を、買い替えもせずに引き取ってほしい」という依頼には義務がない。それでも受けている店はある。FAQは「小売業者は、引取義務がない家電4品目も引き取ることができます」としており、実際にエディオンは義務のないケースの料金まで公表している。各社の対応が割れるのはこの領域だ。
なお、料金がサイトに載っているのは各社の親切心ではない。FAQは「小売業者には、収集運搬料金をあらかじめ決めておき、販売チャネルに応じて分かりやすく公表する義務があります」としている。だから探せば必ずどこかに書いてある、と考えて調べたほうがいい。
ヤマダデンキ:品目ごとの一律料金でわかりやすい
ヤマダウェブコムの冷蔵庫・冷凍庫の収集運搬料は3,300円(税込)で、メーカーや内容積にかかわらず同額だ。同じページでテレビと洗濯機・衣類乾燥機は2,750円、エアコンは3,300円と定めている。リサイクル料金と足した合計額まで表になっているのが親切で、たとえばパナソニック製で171L以上なら4,730円+3,300円=8,030円と明記されている。
ウェブでの申し込みは購入時に限られるが、店舗への持ち込みは別枠だ。「最寄のヤマダデンキ店舗まで旧機種をお持ち頂きリサイクル回収をご依頼ください」と案内されている。ひとつ見落としやすいのが階段作業で、同ページは階段下ろしが生じる場合は別途料金が発生するとしている。エレベーターのない集合住宅の上階なら、事前に伝えておきたい。
コジマ:購入とセットが前提、単独なら店頭へ
コジマネットは条件がはっきりしている。「家電リサイクル法対象商品のご購入に限り、同一品目の不用品リサイクル回収を承っております」——つまり通販での引き取りは買い替えとセットだ。収集運搬料金は1台目2,200円、2台目以降4,950円(いずれも税込)。
買い替えなしで頼みたい場合は、購入商品に同梱の納品書と廃家電を店頭へ持ち込む形になり、リサイクル料金+収集運搬料金4,950円〜と案内されている。配送時に一緒に引き取ってもらう2,200円と比べると倍以上だ。捨てるタイミングを配送日に合わせられるかどうかで、支払額が変わる。
エディオン:買い替えか引き取りのみかで最大7倍の差
今回調べたなかで、条件と金額の対応がもっとも細かく公開されていたのがエディオンだった。同社は「ご不要になった家電4品目の引き取りに際し、リサイクル料金と収集・運搬料金がお客さまのご負担となります」としたうえで、冷蔵庫について次のように定めている(2026年4月1日現在の掲載、税込)。
| 引き取りの条件 | 冷蔵庫250L以下 | 冷蔵庫251L以上 |
|---|---|---|
| 配送時・買い替え同時・購入商品と同じ品目(1台目) | 1,100円 | 1,650円 |
| 同上(2台目) | 2,200円 | 2,750円 |
| 配送時・購入商品と異なる品目 | 2,200円 | 2,750円 |
| 別日の引き取り・引き取りのみ/過去にエディオンで購入した商品 | 4,400円 | 5,500円 |
| 別日の引き取り・引き取りのみ/エディオンで購入していない商品 | 6,600円 | 7,700円 |
| 店頭へ持ち込み・買い替え同時(同じ品目) | 1,100円 | 1,100円 |
| 店頭へ持ち込み・引き取りのみ/過去にエディオンで購入した商品 | 1,100円 | 1,100円 |
| 店頭へ持ち込み・引き取りのみ/購入していない商品 | 2,200円 | 2,200円 |
1,100円と7,700円の差は7倍だ。読み取れる要点は3つある。ひとつ目、買い替えと同時にすると劇的に安い。ふたつ目、「その店で買ったかどうか」が金額に直結する——同じ引き取りのみでも、過去にエディオンで買った冷蔵庫なら4,400円、そうでなければ6,600円になる。3つ目、自分で店頭まで運べるなら、引き取りのみでも1,100円〜2,200円で済む。
ここまで細かく条件を分けているのは、今回確認した4社ではエディオンだけだった。コジマも配送時の1台目2,200円に対して店頭持ち込みは4,950円〜と条件で料金を変えているが、ヤマダのように条件を問わず品目ごとの一律料金を採る会社もある。「買い替えなら安い」が業界共通のルールというわけではない。
ベスト電器:金額は店頭で現物確認
ベスト電器は家電4品目の引き取りを店頭で受け付けているが、収集運搬料金の具体的な金額はサイト上に見当たらなかった。同社は「メーカーによっては料金が異なる為、現物を確認の上、料金を確定させていただきます」と説明しており、運搬料金についても一部の地域・店舗では金額が異なる場合があるとしている。事前に電話で確認したほうがよい類型だ。
今回は公表を確認できなかった量販店
この5社については、今回の調査環境から公式ページの本文を取得できず、料金と引取条件を確認できなかった。掲載がないという意味ではなく、こちらで読めなかったという意味だ。前述のとおり収集運搬料金には公表義務があるため、各社サイト内の「家電リサイクル」「引き取り」のページ、または店頭・電話で確認してほしい。
なお、ニトリについては小売業者としての条件とは別に、製造業者等としてのリサイクル料金が家電リサイクル券センターの再商品化等料金一覧に登録されている。ニトリブランドの冷蔵庫は170L以下5,200円・171L以上5,600円で、大手メーカーの3,740円・4,730円より高い。
「自分で運べば安い」とは限らない
ここは誤解しやすいので注意したい。エディオンでは店頭持ち込みが最安の1,100円で、運ぶ手間を引き受けるほど安くなる。ところがコジマでは逆で、配送時に引き取ってもらう1台目2,200円より、店頭持ち込みの4,950円〜のほうが高い。手間をかければ安くなるという一般則は成り立たないので、依頼先ごとに料金表を条件別に読む必要がある。
唯一、確実に収集運搬料金をゼロにできるのは、量販店を経由せず自分で指定引取場所へ運ぶ方法だ。郵便局でリサイクル料金を払ってから持ち込む形になる。ただし冷蔵庫は一人で運べる重さではない。人手と車、そして階段の有無を天秤にかけたうえで、数千円の差をどう見るかという判断になる。
よくある質問
買っていない量販店でも冷蔵庫を引き取ってもらえますか?
義務ではないが、引き取ること自体は認められている。エディオンのように「当社で購入していない商品」の料金を公表している会社もある。ただし義務のあるケースより割高になりやすく、店によっては断られる。まずは購入店、次に近隣の量販店という順で当たるのが早い。
冷蔵庫と洗濯機を一緒に処分すると収集運搬料金は安くなりますか?
安くはならず、台数分かかる。コジマネットは1台目2,200円に対して2台目以降4,950円と、むしろ2台目のほうが高い。エディオンも1台目と2台目で料金表を分けている。経済産業省のFAQも、複数台の引き取りでは引き取る台数分を請求できるとしている。
家電量販店とリサイクルショップのどちらに持ち込むべきですか?
まだ正常に動く比較的新しい冷蔵庫なら、まず買取査定を受ける価値がある。動かない・年式が古いものは買取の対象外になるため、量販店に有料で引き取ってもらうことになる。処分費用を払う前に、売れるかどうかを先に確かめる順番がよい。

まとめ
家電量販店に冷蔵庫の処分を頼むとき、料金を決めるのは店の名前よりも条件のほうだ。買い替えと同時か、その店で買った冷蔵庫か、店頭に持ち込めるか。この3つがそろえば1,000円台、ひとつも当てはまらなければ7,000円台まで動く。
今回は公式ページで条件を確認できたのがヤマダ・コジマ・エディオン・ベスト電器の4社で、大手のうち数社は本文を取得できなかった。金額を比べる前に、まず自分がどの条件に当てはまるかを整理してから問い合わせると話が早い。リサイクル料金そのものの内訳はハブ記事にまとめている。
大型のものを手放す段取りという意味では、人工芝の捨て方や一人暮らしの引越し前に不用品を処分する方法も参考になる。









