東京で不用品を処分しようとして最初につまずくのは、「東京都のルール」を調べても答えが出てこないことだ。粗大ごみの申込先も、料金も、処理券も、23区は区ごとに完全に分かれている。結論から書くと、東京での不用品処分は「自分の区の粗大ごみ料金」を先に確定させ、その金額を基準線にして業者の見積もりが妥当かを判断する、という順番で進めるのが確実だ。
| 項目 | 新宿区 | 世田谷区 |
|---|---|---|
| 粗大ごみ受付センター | 03-5304-8080 | 03-5715-1133 |
| 処理券 | 新宿区専用の有料粗大ごみ処理券 | A券200円・B券300円の2種類 |
| 直近の改定 | 令和5年10月1日以降の申込受付分から手数料改定 | 粗大ごみ処理手数料のオンライン決済を導入 |
※出典は新宿区・粗大ごみの出し方と世田谷区・有料粗大ごみ処理券について(いずれも2026年7月時点で確認)。
東京23区の粗大ごみは「区ごとに別制度」で動いている
まず押さえたいのは、受付窓口が区ごとに独立していることだ。新宿区の粗大ごみ受付センターは電話03-5304-8080、世田谷区は03-5715-1133で、番号も運営も別になっている。同じ23区内で引っ越しても、申込先は変わる。
処理券も区ごとの専用品だ。世田谷区の案内は「有料粗大ごみ処理券は、A券(200円)とB券(300円)の2種類あります。」としたうえで、区外に転居した場合や区外の人が誤って世田谷区の券を買った場合に払い戻しの相談ができると案内している。裏を返せば、隣の区で買った券は使えないということだ。
粗大ごみの大きさの基準も区の定めによる。世田谷区は「粗大ごみに出せるのは一辺の長さが30センチメートルを超えるものです。」としている。この一辺30センチという線引きが、そのまま「自分で捨てられるか、業者に頼むか」の分かれ目になる。
持ち込めば半額程度になる区もある
費用を下げる余地は、収集ではなく持ち込みにある。世田谷区は処理手数料について「持ち込みの場合は、収集の場合と比べて処理手数料が半額程度となります。」と明記している。持ち込みでも事前申込みは必要で、1世帯あたり1日1回・1回あたり10個まで、荷下ろしは自分で行う。
同じページには、「解体が可能なもの(スチール製の棚、ベッド、タンス、テーブル等)であっても、解体しても手数料は変わりません。」という注意もある。バラして小さくすれば安くなるのでは、という発想は世田谷区では通用しない。
業者に頼む場合の相場と、東京特有の事情
区の粗大ごみでは間に合わないのは、点数が多いとき、収集日まで待てないとき、階段しかない建物から下ろせないときだ。ここで不用品回収業者の出番になる。軽トラック1台の積み放題は、くらしのマーケットの不用品回収・軽トラックのカテゴリでは8,000円からの価格帯で並んでいる。一括見積もりのエコノバは「この軽トラック積み放題サービスの料金相場は、概ね1.5万円から1.8万円程度となっています。」と説明している。
東京で見積もりが上振れしやすいのは、車を停める場所と搬出経路が理由になることが多い。エレベーターのない木造アパートの2階、幹線道路沿いでトラックを長時間止められない立地、駐車場から玄関まで距離があるマンション。このあたりは電話口で先に伝えておくと、当日の追加料金トラブルを避けやすい。
許可を出しているのは都ではなく「区」
23区で家庭から出た廃棄物を有料で収集運搬するには、その区の一般廃棄物収集運搬業の許可がいる。世田谷区でこの許可を所管しているのは環境政策部 清掃・リサイクル推進課 指導許可(電話03-6304-3263)で、許可の有無はここで確認できる。契約でもめたときの相談先は世田谷区消費生活センター(電話03-3410-6522)。出典は世田谷区・粗大ごみなどの処分に違法な不用品回収業者を利用しないでください。他区に住んでいる場合は、同じ内容を自分の区の清掃・リサイクル担当課に確認してほしい。
許可制度そのものの仕組みと、業者を比べるときのチェック順序は別記事にまとめた。
よくある質問
東京23区なら、どの区でも粗大ごみの料金は同じですか?
同じではない。手数料も処理券の種類も区が個別に定めており、世田谷区は200円のA券と300円のB券を組み合わせる方式、新宿区は区専用の有料粗大ごみ処理券を使う方式で、券自体が区ごとの専用品になっている。新宿区は令和5年10月1日以降の申込み受付分から手数料が改定されたと案内しており、改定の時期も区ごとに違う。
粗大ごみを自分で持ち込めば安くなりますか?
世田谷区の場合は安くなる。区の案内では、持ち込みの処理手数料は収集の場合と比べて半額程度とされている。ただし持ち込みでも事前申込みが必要で、指定日以外は持ち込めず、1世帯あたり1日1回・1回10個までという制限があり、車両からの荷下ろしは持ち込んだ本人が行う。持ち込み可否と条件は区によって異なるので、自分の区の粗大ごみのページで確認してほしい。
チラシを入れてくる無料回収の業者に頼んでも大丈夫ですか?
やめたほうがいい。世田谷区は、無料をうたって回収し、トラックに積んだ後で料金を請求されるトラブルが起きていること、悪質な業者は回収物を適正処理せず不法投棄したり有害物質を除去せずに海外へ売却している事例が報告されていることを注意喚起している。区の案内は、家庭から出る不用品は区のルールに従って処理するよう求めている。なお、まだ使えるものをリユース目的で譲る場合は処理業の許可は不要とされているので、売れるものはリユースショップに回すのが現実的だ。

まとめ
東京で不用品回収を考えるなら、順番は「自分の区の粗大ごみ料金を出す → 持ち込みで半額にできるか確認する → それでも足りない分だけ業者に見積もりを取る」だ。区の料金という基準線があれば、業者の提示額が高いのか妥当なのかを自分で判断できる。
そして業者に頼むときは、その区の一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているかを先に聞く。許可を出しているのは東京都ではなく各区なので、「東京都の許可を取っています」という説明が出てきたら、その時点で確認をやり直したほうがいい。









