不用品回収業者を検索すると、似たような料金表と「地域最安値」の文字が並びます。どこも同じに見えて、決め手がありません。実は比べるべきは料金ではなく、「その業者は、家庭から出た廃棄物を運んでよい許可を持っているか」です。ここが白黒つく項目で、しかも大半の広告には書かれていません。許可の確認を先に済ませてから料金を比べると、候補は一気に絞れます。
| 確認する順番 | 見る場所 | 合格ライン |
|---|---|---|
| 1. 一般廃棄物収集運搬業の許可 | 自分の市区町村サイトの許可業者一覧 | 一覧に社名がある(産廃許可・古物商許可では代用できない) |
| 2. 見積書の中身 | 書面またはメール | 作業内容・総額・追加料金の有無・キャンセル料が明記 |
| 3. 相見積もり | 複数社 | 最低2〜3社。極端に安い1社だけで決めない |
| 4. 家電4品目の扱い | 見積書の内訳 | リサイクル料金が込みか別かが説明されている |
不用品回収業者の選び方は「許可」から始める
家庭から出たごみを業者が引き取って運ぶには、法律上の許可が要ります。環境省は、廃家電の処分について「廃棄物として家電を捨てるときは、廃棄物処理法の許可を得ていない(※)回収業者に絶対に渡さないでください。」と呼びかけており、その注釈として「ご家庭の廃棄物を回収するには、廃棄物処理法に基づく『一般廃棄物収集運搬業の許可』又は『市町村の委託』が必要です。」と明記しています。
この許可を出すのは国でも都道府県でもなく、市区町村です。廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)第7条第1項は、一般廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者に、その区域を管轄する市町村長の許可を受けるよう定めています。つまり「A市で許可を持っている業者」であっても、B市の家庭ごみを運べるとは限りません。
紛らわしい3つの許可を見分ける
業者のサイトには、たいてい何らかの許可番号が載っています。ただし、それが家庭の不用品回収に使える許可とは限りません。環境省はQ&Aで、産業廃棄物処理業の許可と古物商の許可を持つ業者に依頼してよいかという問いに対し、「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です。『産業廃棄物処理業の許可』や『古物商の許可』では回収できません。」と答えています。理由も添えられていて、「産業廃棄物処理業許可は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。古物商の許可は、中古品等の売買を行うための許可です。」という整理です。
| 許可の名前 | 出すところ | できること |
|---|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業 | 市区町村 | 家庭から出た廃棄物の収集・運搬。これが原則必要 |
| 産業廃棄物収集運搬業 | 都道府県・政令市 | 事業活動から生じた廃棄物のみ。家庭ごみは扱えない |
| 古物商 | 都道府県公安委員会 | 中古品の売買。買い取ることはできるが、廃棄物は運べない |
産業廃棄物と一般廃棄物の線引きは廃棄物処理法第2条にあり、産業廃棄物は「事業活動に伴つて生じた廃棄物」のうち政令で定めるものと定義され、一般廃棄物はそれ以外の廃棄物と定義されています。自宅から出た家具や家電は、事業活動から生じたものではないので一般廃棄物側に入ります。産廃許可だけでは足りない、というのはここから来ています。
許可は自治体のサイトで確認できる
許可業者の名簿は、多くの市区町村がウェブで公開しています。たとえば横浜市は一般廃棄物処理業者名簿のページで許可業者一覧をPDFにして掲載しています。「◯◯市 一般廃棄物収集運搬業 許可業者」で検索すれば、たいていこの種のページに行き着きます。業者が名乗る許可番号と、名簿の記載が一致するかを見れば済みます。
横浜市は識別の目印も案内しています。同市の注意喚起ページには「また、収集車両に4桁の許可番号を表示しており、ご家庭へ配布するチラシ広告にも同じ許可番号を掲載するよう本市から依頼しています。」とあります。番号の桁数や運用は自治体ごとに違うので、住んでいる市区町村のページで確認してください。
なお、回収業者自身が許可を持たず、許可業者と提携して処理する形をとっている会社もあります。その場合に誰と契約するのかは横浜市が説明していて、遺品整理業者に依頼する場合について「●無許可業者による不用品の処分は法律違反です。」と述べたうえで、許可業者に不用品処分を依頼するよう案内しています。提携の有無だけで安心せず、実際に運ぶのが誰かを聞いておきたいところです。
見積もりで確認する4項目
許可を確認したら、次は見積もりです。国民生活センターは不用品回収サービスのトラブルに関する注意喚起のなかで、見積もりを取るときのポイントとして4つを挙げています。
・市区町村のホームページ等から一般廃棄物処理業の許可業者を探す
・追加料金の有無を確認する
・作業内容、料金を明確に出してもらう
・キャンセル料を確認する
(出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」2022年11月2日公表)
同センターは「インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らないため注意してください。」とも書いています。広告の出稿量と許可の有無は無関係だ、という指摘です。
相場感をつかんでから比べる
料金の物差しがないと、提示額が高いのか安いのか判断できません。軽トラック1台分のいわゆる積み放題プランについて、各社が公表している水準を並べておきます。
| 出典 | 軽トラック1台の料金 |
|---|---|
| くらしのマーケット(掲載相場) | 8,000〜15,000円 |
| エコノバ(解説記事) | 概ね1.5万円から1.8万円程度 |
| パワーセラー(自社料金) | 軽トラック満載パック25,000円(1台1名) |
数字に幅があるのは、含まれる作業範囲が会社ごとに違うためです。より詳しい内訳は別記事にまとめました。
避けたほうがよい業者の特徴
横浜市は、無許可で回収する業者の手口を4つの型に整理しています。軽トラック等で街宣しながら回収するトラック型、無料回収をうたうチラシを配るチラシ型、空き地に看板を立てる空き地型、ホームページで無料引き取りをうたうWeb宣伝型です。そのうえで同市は「なお、許可を受けた事業者は、軽トラック等で街宣しながら廃棄物を回収することはありません。」と断言しています。スピーカーで巡回している車は、それだけで候補から外して構いません。
国民生活センターに寄せられた事例では、軽トラックパック7,000円・2トントラックパック2万5,000円という広告を見て申し込んだところ、当日2トントラックで来訪し、積み込み後に25万円を請求されたという相談がありました。料金の桁が事前の説明と変わる型のトラブルは、書面の見積もりを取っておくだけでかなり防げます。困ったときの相談先は消費者ホットライン「188」。
結局どこに頼むかの使い分け
許可で絞ると、検索して最初に出てくる全国展開の広告業者はかなり落ちます。では誰に頼むのかというと、荷物の量と急ぎ具合で行き先が変わります。
| 頼み先 | 費用の目安 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 自治体の粗大ごみ収集 | 数百円〜2,000円程度/点 | 点数が少ない。収集日まで待てる。玄関の外まで自分で出せる |
| 自治体の許可業者 | 要見積もり | 点数が多い。日程を決めたい。部屋の中から運び出してほしい |
| 買取(古物商) | 0円〜(売れれば入金) | まだ使える家電・家具・ブランド品が混ざっている |
| 一括見積もりサイト | 掲載相場 8,000〜15,000円〜 | 相場を先に知りたい。複数社を一度に比べたい |
費用は本文で挙げた各社・各自治体の公表値にもとづく目安です(2026年7月時点)。
迷ったときの順番は、まず自治体の粗大ごみで足りるかを見て、足りなければ自治体の許可業者名簿から相見積もりを取る、という流れになります。まだ使えるものが混ざっているなら、その前に買取を通したほうが総額は下がります。一括見積もりサイトは、相場を知るための入口として使うと外しません。
よくある質問
許可を持っているかどうかは電話で聞いてもよいですか?
聞いて構いません。ただし自己申告だけで判断せず、市区町村が公開している一般廃棄物収集運搬業の許可業者一覧と社名を突き合わせるのが確実です。国民生活センターも、市区町村のホームページや窓口への問合せで許可業者を探すよう案内しています。番号を答えられない、答えをはぐらかす業者は候補から外して構いません。
産業廃棄物収集運搬業の許可番号が載っていれば安心ですか?
安心とは言えません。環境省は、産業廃棄物処理業の許可は工場や企業の廃棄物を処理するための許可であり、家庭の廃棄物の回収には使えないと明記しています。事業所の片付けなら産廃許可が必要になる場面もありますが、自宅の不用品を出す場合は一般廃棄物側の許可を確認することになります。
冷蔵庫やテレビもまとめて引き取ってもらえますか?
エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機の家電4品目は家電リサイクル法の対象で、通常の不用品とは別のルートで処理されます。国民生活センターは、買い替えに伴う処分なら新しい製品を購入する小売業者に、処分だけなら過去に購入した小売業者に引取りを依頼するよう案内しています。回収業者に一括で頼む場合、リサイクル料金がパック料金に含まれるのか別途かかるのかは会社によって異なるので、見積もり時に確認してください。

まとめ
不用品回収業者の選び方は、許可の確認から始めて、見積もりの中身、相見積もり、家電4品目の扱いという順で進めるのが早いです。許可については環境省が繰り返し注意喚起しており、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では家庭の廃棄物を回収できないという線引きも公表されています。
まずは自分の市区町村名と「一般廃棄物収集運搬業 許可業者」で検索して、名簿のページをブックマークしておいてください。候補が出てきたときに、そこへ社名を打ち込むだけで一次選考が終わります。










