エアコンクリーニングで壊れたら?補償の期間・上限を3社で比べた

エアコンクリーニング 故障

高圧の水を電気製品に当てる作業ですから、壊れる可能性はゼロになりません。気になるのは壊れたときにどうなるかのほうだと思います。調べてみると、補償の条件は業者によってかなり違いました。申し出の期限が7日の会社もあれば30日の会社もあります。そして年式が古いと補償の対象から外れる点は、ほぼ共通していました。この記事で条件を並べます。

業者補償の期間上限・特徴
おそうじ本舗作業後30日間責任保険に加入。担当店舗が対応
くらしのマーケット記載なし最高1億円(予約全体の限度額)。保険料の負担なし
ユアマイスター施工から7日以内最高100万円。有料の「ご満足保証プラス」で30日以内に延長
三菱電機10年以上経過の機種は補償の上限がクリーニング代の返金

※2026年7月時点で各社の公表情報を確認した結果。

申し出の期限が業者で4倍以上違う

壊れてもすぐには気づかないかもしれない

ここが最も実務的な差になります。ユアマイスターは「施工日から7日以内(「ご満足保証プラス」加入の場合は30日以内)のお申し出であること」を条件としており、補償は「最高100万円までの損害を補償いたします」としています。対しておそうじ本舗は作業後30日間です。

おそうじ本舗は「万一に備えて責任保険に加入しております。担当店舗が責任を持って対応させていただきます」とし、「補償期間は作業後30日間です」としています。

なぜこの差が効いてくるのか。クリーニング直後は問題なく動いていて、あとから不調が出るケースがあるからです。

⚠️ 7日で気づけるか
  • 水漏れ……ドレンの詰まりが原因なら、しばらく運転してから出ることがある
  • 効きの低下……気温が変わって初めて「冷えない」と気づく
  • 異音……最初は小さく、徐々に大きくなる
春や秋にクリーニングを頼むと、本格的に使うのは数週間後ということも珍しくありません。その場合、7日以内という期限はすでに過ぎています。

ユアマイスターには有料の上位プラン「ご満足保証プラス」があり、これに加入すると申し出の期限が30日以内に延びます。標準は7日以内です。

なお同社は再施工保証と故障・破損の補償を別の制度として設けています。仕上がりに納得できない場合の再施工は「施工日から3日以内(「ご満足保証プラス」加入の場合は30日以内)」と、さらに短くなっています。「仕上がりが不満」と「壊れた」で期限が違う点は押さえておきたいところです。

閑散期に頼むなら、補償期間は確認しておきたいところです。時期の選び方は別記事にまとめました。

上限額と保険料の負担

くらしのマーケットは損害賠償補償制度を用意していて、「保険料はかかりません」と明記しています。利用者が別途負担する必要はありません。

上限は最高1億円ですが、ここは読み方に注意が必要です。同社は「くらしのマーケット経由の予約全体の補償限度額」であり、「必ず1億円が補償されるものではなく、ご請求のタイミング等によっては補償されない場合」があるとしています。

1件あたり1億円という意味ではありません。火災の場合は別途「支払限度額500万円(1事故)」という設定もあります。

💡 くらしのマーケットの補償対象
同社は「出店者が発生させた対人・対物事故」として「1. 作業中の事故 2. 作業後の事故 3. 預け物の保管中の事故」を挙げています。
一方、対象外として「店舗の責めに帰さない事象」「自然発火・自然爆発した受託物自体の損壊」、そして「作業後に発見された事故のうち、事故の原因となった作業が加えられた財物」などを挙げています。

最後の項目は見落とせません。作業後に見つかった事故のうち、その原因となった作業を加えた物そのものは対象外とされています。エアコンクリーニングでいえば、エアコン本体の不具合が後日見つかったケースがこれに当たります。

その場で動作を確認しておくことの重みが、ここに表れています。

年式が古いと補償から外れる

これは複数の業者・メーカーで共通していました。ただし線引きは10年とは限りません

⚠️ ユアマイスターは「9年未満」
同社は補償の条件として「製造後の経過年数が、エアコンは9年未満、洗濯機は6年未満、その他設備は10年未満であること」を挙げています。エアコンだけ10年より手前で切られている点に注意してください。

メーカー側では三菱電機が、10年以上経過した機種について「その場合、補償の上限はクリーニング代の返金となります」としています。修理されるのではなく、クリーニング代が返ってくるだけで、エアコン本体の代金は出ません。各メーカーの年式条件は別記事にまとめました。

個人事業者の回答も同じ方向でした。ユアマイスターに寄せられた回答を見ると、ホームメディカル北九州店は「10年以上経つものの故障に関しては保証ができません」、クリーン・マスターズ東京は「法定耐用年数を経過した物や経年劣化が顕著な物は作業中に発生した場合でも保証は致しかねます」としています。

⚠️ 理由は「部品がないから」
メーカーの補修用性能部品の保有期間が過ぎると、直したくても部品が調達できません。壊した側に責任があっても、修理という形での解決ができなくなります。
タナカメンテナンスサービスも「経年劣化による破損や古すぎるエアコンの故障や不具合は保証できない場合」があるとしています。

つまり10年を超えたエアコンは、クリーニングを頼む時点でリスクの引き受け方が変わります。それを承知で頼むかどうかの判断になります。

故障したときにやること

実際に不具合が出た場合の手順を整理します。順番と速さが結果を左右します

✅ 気づいたらすぐにやる4つ
  • 1. 作業した業者に連絡する……メーカーや管理会社より先。補償の窓口は施工した側にある
  • 2. 症状と日時を記録する……いつから、どんなときに、どんな症状か
  • 3. 写真・動画を撮る……水漏れの跡、異音は動画が有効
  • 4. 運転を止める……水漏れや異臭がある場合は特に。被害の拡大を防ぐ

1が最も大事です。くらしのマーケットは補償適用の流れを4段階で公表しており、STEP 1が「お客様から店舗へ連絡」、STEP 2が「店舗から事故報告窓口へ連絡」、STEP 3が「保険会社による審査、判断」、STEP 4が「店舗からお客様へ連絡」となっています。利用者から施工店舗へ、という順序が制度の前提になっています

先にメーカーへ修理を依頼すると、この流れに乗せられなくなるおそれがあります。補償を受けるつもりなら、まず施工した業者に伝えてください。

なお「壊れた」ではなく「臭いが残る」「黒い水が出る」といった仕上がりの問題は、別の制度で扱われます。そちらは別記事にまとめました。

「クリーニングが原因」と言えるのか

ここが難しいところで、正直に書くと因果関係の立証は簡単ではありません。作業前から不調があった可能性を否定できないからです。

だからこそ、作業前後の状態を自分で押さえておく意味があります。

  • 作業前に一度運転して、動作を確認しておく
  • 作業後の試運転に立ち会い、その場で風・異音・水を確認する
  • 気になる点はその場で口に出す

作業後の確認は補償の起点になります。終わったあとに帰ってもらってから気づくと、話が複雑になります。立ち会いの範囲と確認方法は別記事にまとめました。

申し込み前に確認しておく3点

トラブルを避けるより、起きたときに困らない状態を作っておくほうが現実的です。

確認することなぜ必要か
保険に加入しているか個人事業者では加入の有無が分かれる
申し出の期限は何日か7日と30日では気づける確率が違う
年式の条件はあるか9年で切る業者もある(ユアマイスター)

この3つは電話やメッセージで数分あれば聞けます。急いでいるときほど省きたくなりますが、ここは飛ばさないでください

業者ごとの補償を含めた比較は、料金の記事で整理しています。

よくある質問

作業中に業者が壊した場合、新品に交換してもらえますか?

ケースによります。ユアマイスターに寄せられた回答では、ホームメディカル北九州店が「掃除が原因の破損、故障に限り新しいものに交換、無料で補修作業を行います。金額が高価なものに関しましては、保険で対応致します」としています。ただし年式が古く部品が調達できない場合は、修理という形が取れません。三菱電機は10年以上経過した機種について「補償の上限はクリーニング代の返金」としており、本体代金は出ない扱いです。

クリーニングの1か月後に壊れました。補償されますか?

業者の補償期間によります。おそうじ本舗は作業後30日間、ユアマイスターの標準は施工から7日以内なので、1か月後だとどちらも期限を過ぎています。期間内かどうかがまず問われるため、不調に気づいた時点ですぐ連絡してください。時間が経つほど因果関係の説明も難しくなります。

自分で洗浄スプレーを使ったあとに壊れた場合は?

補償の対象外になります。取扱説明書に記載のない洗浄が原因と判断されれば、メーカー保証も使えない可能性があります。市販の洗浄スプレーについてはメーカー自身が使用を止めており、その理由は別記事にまとめました。

賃貸で壊れた場合、誰の責任になりますか?

まず管理会社に連絡してください。自己判断で業者を手配していた場合、費用も責任も自分に来る可能性があります。備え付けのエアコンは一般に貸主の設備にあたるため、自己判断でクリーニングを手配して壊れたとなると話が複雑になります。自分は一人暮らしが14年になりますが、入居時に渡される設備一覧にエアコンが載っていた物件ばかりでした。まずはその一覧か賃貸借契約書を見て、貸主の設備かどうかを確かめるのが早いです。順序としては、手配する前の相談が正解になります。

まとめ

✅ この記事のポイント
  • 申し出の期限が業者で違う。ユアマイスター標準7日以内(最高100万円)/おそうじ本舗作業後30日間
  • 春秋に頼むと本格的に使うのが数週間後になり、7日では気づけないことがある
  • くらしのマーケットの「最高1億円」は予約全体の限度額で、1件あたりではない。保険料の負担はなし
  • 作業後に発見された作業対象物の事故は対象外とされている。その場での動作確認が要
  • 年式で補償から外れる。ユアマイスターはエアコン9年未満が条件。理由は部品が調達できないから
  • 壊れたらまず施工した業者へ。メーカーに先に頼むと原因の判断が手を離れる