新築だから汚れていない、という理解は半分だけ当たっています。実際には工事の粉じん、保護材の跡、木くずが残っていることがありますし、何より荷物を入れたあとでは手が届かなくなる場所があります。
鍵を受け取ってから搬入までの、短いけれど貴重な期間。ここでやっておきたいことを、床材メーカーやサッシメーカーの案内をもとに整理しました。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 1. 収納の中を拭く | 物を入れたら開けられない |
| 2. 窓のレール・排水口 | 工事の粉じんが溜まりやすい |
| 3. 床の掃除機+カラ拭き | 砂が残ると傷の原因 |
| 4. 水回りの防カビ処理 | きれいなうちが最も効く |
| 5. 記録(写真) | 傷や不具合の申告に使う |
床は「掃除機 → カラ拭き」から
新築の床でまず気にしたいのは、残った砂や木くずが傷を作ってしまうことです。
朝日ウッドテックは日常の手入れの順序を「掃除機で床表面のゴミやホコリを取り除き、乾いた雑巾やモップでカラ拭きしてください」としています。
それでも取れないときが、次の段階です。「カラ拭きで落ちない汚れは、水で濡らして固く絞った雑巾で取り除き、使用後はカラ拭きしてください」
ここに条件がつきます。「雑巾はよく絞ってお使いください。水気が残るような雑巾がけは避けてください」
新品の床でいきなり水拭きをしない。まずは乾いた状態で砂を取り除く、という順序です。
ワックスをかけるべきか
「新築のうちにワックスを」と考える人は多いのですが、床材によっては逆効果になります。
朝日ウッドテックは自社製品について「当社床材のワックスがけは必要ありませんが、希望される場合はワックスがけが可能です」としたうえで、「但し、フロアの表面がワックスの被膜となるため、傷の付きにくさ、抗菌・抗ウイルス性等の塗膜性能が発揮されなくなります」としています。
そもそもかけられない床材もあります。「また、防滑塗装品およびサニタリー用フローリングにはワックスはかけられません」
しかも一度かけると、やめられなくなります。「またワックスを保つには定期的なワックスがけが必要になります」
まずは自分の床がワックス不要タイプかどうかを確認してください。入居時の仕様書に書いてあります。
前職が住宅設備メーカーの営業だったので建材の話は多少わかるのですが、ここ10年ほどで「ワックス不要」をうたう床材はかなり増えました。昔の感覚のまま塗ってしまうと、せっかくの性能を自分で潰すことになります。
サッシと窓まわり
工事の粉じんが溜まりやすいのはレール部分です。三協アルミは「レール・下枠は砂やほこりのたまりやすいところです。戸車の摩擦を防ぎ、軽快な開閉をするために、定期的に掃除をしてください」としています。
方法もかなり具体的に書かれています。「掃除の方法は、ブラシやハケで砂ぼこりを落とし、割り箸の先に布を巻きつけたもので拭き取れば、さらにきれいになります」
忘れやすいのが排水口です。「排水キャップのついたレールについては、キャップの目詰りを防止するために掃除機で定期的に掃除をしてください」——ここが詰まると結露水が溜まって、後々のカビの原因になります。
洗剤を使うときの注意もあります。「薄めた台所用合成洗剤(液性:中性)(※2)を汚れた部分に直接かけたり、直接スプレー散布したりしないでください。液だれにより白くなったり、しみの原因となります」
荷物を入れる前にしかできないこと
次に挙げる場所は、搬入が終わったあとでは手が届かなくなります。
- 収納・クローゼットの中——棚板の上、隅、天井面
- キッチンの吊戸棚の中——脚立を立てられるのは今だけ
- 洗面台の下、シンク下——配管まわりに粉じんが残りやすい
- 壁ぎわの床——家具を置けば見えなくなる
- 照明器具のカバー内側
畳がある部屋なら、敷物を敷かないことも覚えておいてください。全日本畳事業協同組合は「畳は呼吸しています。畳の上にカーペットや上敷きなどを敷くと呼吸を妨げ湿気をこもらせるのでカビの原因となります」としています。
賃貸の場合、入居時の状態を記録しておくと退去時に役立ちます。国土交通省のガイドラインは「このため、事実関係を明確にし、トラブルを未然に防止するため、入居時及び退去時に次項のようなチェックリストを作成し、部位ごとの損耗等の状況や原状回復の内容について、当事者が立会いのうえ十分に確認することが必要であると考えられる。」としています。
分譲でも、引き渡し時点の傷や不具合は施工会社に申告できる期間があります。掃除しながら見つけた箇所は撮影しておきましょう。

新築なら、自分でやれる範囲で足りることがほとんどです。粉じんの除去と拭き上げが中心で、こびりついた汚れがないからです。
頼む価値があるとすれば、フロアコーティングを検討している場合です。コーティングは下地がきれいであることが前提なので、施工業者がどこまで清掃を含むのかを確認しておきましょう。
コーティングの相場は、くらしのマーケットで「UVコーティング / 10平米 ¥32,000〜¥35,000 ガラスコーティング / 10平米 ¥27,000〜¥30,000 シリコンコーティング / 10平米 ¥22,000〜¥25,000 ウレタンコーティング / 10平米 ¥17,000〜¥20,000」となっています。
ただし前述のとおり、床材がワックス不要タイプなら、コーティング自体が本来の性能を覆ってしまいます。施工前に床材メーカーの見解を確認しておくのが順序です。
入居前クリーニングを頼む場合の相場は、空室の1LDK・2DKで20,000〜40,000円(くらしのマーケット)。広い物件や、引き渡し前の清掃が入っていない場合は検討の余地があります。
よくある質問
新築でも入居前に掃除は必要ですか?
工事の粉じんや木くずが残っていることがあります。特に収納の中・窓のレール・洗面台の下など、荷物を入れると手が届かなくなる場所は先に手を入れておきたい部分です。床は朝日ウッドテックの案内どおり「掃除機で床表面のゴミやホコリを取り除き、乾いた雑巾やモップでカラ拭きしてください」から始めます。いきなり水拭きせず、砂を先に取り除くのが順序です。
新築の床にワックスをかけたほうがいいですか?
床材によります。朝日ウッドテックは自社製品について「当社床材のワックスがけは必要ありません」とし、かけた場合は「フロアの表面がワックスの被膜となるため、傷の付きにくさ、抗菌・抗ウイルス性等の塗膜性能が発揮されなくなります」としています。また「防滑塗装品およびサニタリー用フローリングにはワックスはかけられません」とも。仕様書で床材を確認してから判断してください。
入居前にやっておくと後で楽なことはありますか?
窓のレールの排水口の清掃です。三協アルミは「排水キャップのついたレールについては、キャップの目詰りを防止するために掃除機で定期的に掃除をしてください」としています。ここが詰まると結露水が抜けず、後々カビの原因になります。また賃貸なら入居時の状態を撮影しておくと、退去時のトラブル防止になります。
まとめ
- 新築でも工事の粉じん・木くずが残っている
- 床は掃除機 → カラ拭きから。いきなり水拭きしない
- スチーム洗浄機は使わない(膨れ・ヒビワレ・変色)
- ワックスは床材次第——不要なタイプが増えている
- 窓はレールと排水キャップ——後々のカビ対策になる
- 洗剤は直接スプレーしない(液だれでしみになる)
- 収納の中・吊戸棚・洗面台の下は今しかできない
- 畳の上にカーペットや上敷きを敷かない
- 入居時の状態を撮影して記録











