マッサージチェアを手放したい。ただ、重量が数十キロあり、リクライニングで奥行も出る。自分では動かせないから業者しかない——と考える前に、金額の差を知っておきたい。結論から書くと、自治体の粗大ごみなら1,000〜1,300円、民間の不用品回収なら8,000〜10,000円で、8倍前後の開きがある。差の正体は処分費ではなく、部屋からの運び出しにかかる人件費だ。この記事では3自治体と2社の公表額を並べ、健康器具全般の扱いもあわせて整理する。
| 依頼先 | マッサージチェア | ランニングマシン/エアロバイク |
|---|---|---|
| 大阪市(粗大ごみ) | 1,000円(マッサージ機・いす型) | いずれも1,000円 |
| 東京都江東区(粗大ごみ) | 1,300円 | ランニングマシン2,300円/エアロバイク1,300円 |
| 名古屋市(粗大ごみ) | 1,000円(マッサージ機・いす型) | 健康器具として1,000円 |
| パワーセラー(回収業者) | 8,000円~10,000円 | ジョーバ・エアロバイク6,000円~7,000円 |
※自治体の手数料は江東区の粗大ごみ品目一覧表(2025年1月更新)、大阪市の粗大ごみ処理手数料一覧表(2025年8月更新)、名古屋市の粗大ごみ手数料のめやす(2026年6月更新)。名古屋市は収集日が2026年10月1日以降となる分から手数料改定を予告している。
自治体の粗大ごみでは「いす型かどうか」で区分が変わる
大阪市の手数料一覧は「マッサージ機(いす型のもの)」を1,000円、「マッサージ機(いす型以外)」を200円としている。名古屋市も「マッサージ機(いす型のもの)」を1,000円の区分に置いている。ハンディタイプやクッション型は、いす型より大幅に安い区分に入るということだ。
江東区は品目名が「マッサージチェア」で1,300円、これとは別に「マッサージ器(マッサージ機能付座椅子を含む)」を400円としている。つまりマッサージ機能付きの座椅子はチェア扱いにならない。持っている機種がどちらに当たるか、形状で判断が分かれる。
健康器具全般で見ると、江東区がもっとも細かい。ランニングマシン2,300円、ベンチプレス2,300円、エアロバイク・サイクリングマシン1,300円、乗馬式健康器具は30kg未満900円・30kg以上1,300円、ローイングマシン900円、ぶらさがり健康器900円、腹筋台は「台」の区分で申し込むという建て付けだ。大阪市はエアロバイク1,000円・ランニングマシーン1,000円・ぶら下がり健康器400円・トレーニング用ベンチ400円。名古屋市は「健康器具」1,000円でひとまとめにしている。
業者だと8,000円台からになる理由
関東で回収を行うパワーセラーは、健康器具の欄でマッサージチェアを8,000円~10,000円、ジョーバ・エアロバイクを6,000円~7,000円としている。同社はさらに「合計金額が8,000円~10,000円のお客様からの出張となります」という最低ラインも公表している。マッサージチェア1点でこの最低ラインに届く形だ。
自治体との差が大きいのは、そもそも料金に含まれるものが違うからだ。江東区は粗大ごみの運び出しについて「粗大ごみの収集は、屋外に運び出された物を収集するのが原則です」とし、屋内からの運び出しは高齢者・障がい者のみの世帯への支援として別に位置づけている。粗大ごみの1,000円台は「屋外に置いてあるものを積む」料金であり、階段を下ろす作業は含まれていない。
重量と寸法の上限に触れる可能性がある
マッサージチェアは家庭用でも重量が大きい。江東区は粗大ごみ手数料のページで「重さが50kgを超えると区で回収することができない場合があります」とし、清掃事務所への相談を求めている。同ページは「最大辺が180cmを超えるもので切断できないものは清掃事務所へお問い合わせ下さい」とも書いている。フルフラットに近い大型モデルは、この2つの条件に触れうる。
申し込みの前に、取扱説明書やメーカーサイトで本体重量を確認しておきたい。「粗大ごみ1,300円で出せる」と決め打ちして手配を進めると、当日になって収集されないという展開になりかねない。
国民生活センターは2022年11月、不用品回収サービスのトラブルについて注意喚起している。同センターが紹介する相談事例では、軽トラックパック7,000円・2トントラックパック2万5,000円という広告を見て依頼したところ、積み込み終了後に25万円を請求されたという。同センターは「インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限りません」とし、「もしも不用品の回収を市区町村以外に依頼する場合は、市区町村のホームページや窓口への問合せで一般廃棄物処理業の許可業者を探し、複数社から見積もりを取り、追加料金がかからないことなどを十分に確認したうえで依頼しましょう」と助言している。相談件数は2018年度1,354件から2021年度2,231件へ増えている。
売れる可能性を先に確かめる価値はある
マッサージチェアは新品価格が高く、比較的新しい機種なら買取の対象になりうる。江東区と名古屋市はどちらも粗大ごみのページで、買取査定の「おいくら」(株式会社マーケットエンタープライズ)と地域掲示板の「ジモティー」(株式会社ジモティー)を紹介し、処分の前にリユースを検討するよう呼びかけている。江東区は「おいくら」の特徴として、出張買取では自宅まで引き取りに来ること、古物商等許可を取得した事業者からの査定を受けられることを挙げている。
ただし同区は「協定事業者を利用した際のトラブルや損害等について、本区は一切責任を負いかねます」とも明記している。自治体が紹介していることと取引の安全は別の話だ。査定に出しつつ、断られた場合に備えて粗大ごみの収集日も並行して確認しておくと詰まらない。
よくある質問
マッサージチェアは粗大ごみに出せますか?
今回確認した3自治体はいずれも品目一覧に掲載しており、江東区1,300円、大阪市1,000円、名古屋市1,000円で収集の対象になっている。ただし江東区は重量50キロ超や最大辺180センチ超で扱いが変わるとしているため、大型モデルは事前に本体重量を確認して清掃事務所に相談したい。
マッサージチェアの処分を業者に頼むといくらですか?
パワーセラーの料金表ではマッサージチェアが8,000円〜10,000円、ジョーバ・エアロバイクが6,000円〜7,000円となっている。同社は合計金額が8,000円〜10,000円の顧客からの出張という条件も公表している。自治体の粗大ごみとの差は主に部屋からの運び出しにかかる費用だ。
ルームランナーやエアロバイクも同じ料金ですか?
自治体で扱いが分かれる。名古屋市は「健康器具」として1,000円にまとめている。大阪市はエアロバイクとランニングマシーンをともに1,000円、ぶら下がり健康器を400円としている。江東区はもっとも細かく、ランニングマシン2,300円、エアロバイク・サイクリングマシン1,300円、ぶらさがり健康器900円と品目ごとに定めている。

まとめ
マッサージチェアの処分費用は、自治体の粗大ごみなら1,000〜1,300円、民間の不用品回収なら8,000円台からと大きく開く。ただし前者は屋外に出した状態からの料金であり、後者には運び出しが含まれる。比べるべきは金額そのものではなく、自分で玄関の外まで出せるかどうかだ。
あわせて確認したいのが重量と寸法の上限で、江東区は50キロ超・最大辺180センチ超で扱いが変わるとしている。品目名も「いす型かどうか」「マッサージ機能付座椅子かどうか」で区分が分かれる。まず本体重量と寸法を測り、自治体の品目一覧と突き合わせる。そのうえで運び出せないと判断したときに、許可を確認したうえで業者を検討する順番がよい。
家財をまとめて整理するなら、一人暮らしの引越し前に不用品を処分する方法も参考になる。









