タンスを粗大ごみに出そうとして料金表を見たら、「幅・奥行・高さの合計」と書いてある自治体と、「高さと幅の合計」と書いてある自治体がありました。同じ家具なのに測る辺が違う。つまりタンスの処分費用はサイズで決まるのですが、そのサイズの測り方そのものが自治体ごとに違います。奥行を足すかどうかで区分が1段変わることもあります。さらに名古屋市のように、合計ではなくいちばん長い1辺だけで決める自治体もあります。この記事では3つの自治体の測り方と金額を並べ、あわせて食器棚や本棚など収納家具全般の扱いを整理します。
| 自治体 | サイズの測り方 | 手数料 |
|---|---|---|
| 大阪市 | 幅+奥行+高さ | 2m未満400円/2m以上2.5m未満700円/2.5m以上1,000円 |
| 東京都江東区 | 高さ+幅(奥行は含めない) | 135cm以下400円/180cm以下900円/270cm以下1,300円/360cm以下2,300円/360cm超3,200円 |
| 名古屋市 | 最大の辺(いちばん長い1辺) | 最大の辺120cm以下1,500円/120cm超2,000円 |
表の出典:江東区/大阪市/世田谷区/名古屋市(名古屋市は収集日が2026年10月1日以降の額、ほかは2026年7月時点)
※江東区は粗大ごみ品目一覧表(2025年1月更新)、大阪市は粗大ごみ処理手数料一覧表(2025年8月更新)、名古屋市は粗大ごみ処理手数料の例(2026年9月30日更新)と粗大ごみ品目一覧の、収集日が2026年10月1日以降の額。9月収集分までは改定前の額でした。
足す辺が違うと区分がずれる
大阪市は手数料一覧の末尾に測り方を明示しており、靴箱・本棚・たんすなどは幅+奥行+高さで判定するとしています。合計2メートル未満なら400円です。
これに対し江東区は、粗大ごみ手数料のページで「箱物家具は高さと幅の合計で料金が決まります」としています。奥行は計算に入りません。奥行45cmのタンスなら、大阪市の計算では45cm分が上乗せされ、江東区では上乗せされない。この違いだけで区分が1段変わることがあります。
名古屋市は合計値を使いません。収集日が2026年10月1日以降の分からは、たんすを最大の辺の長さだけで判定し、120cm以下なら1,500円、120cmを超えれば2,000円です。9月収集分までは高さ120cm・幅90cmという2つの閾値で1,000円か1,500円に分けていましたが、10月からはいちばん長い1辺だけを見る方式に変わりました。合計方式では奥行や幅も金額に効きますが、最大の辺方式では120cmを超える辺が1つでもあるかどうかしか見ません。
たとえば幅80cm・奥行45cm・高さ110cmのチェストと、幅60cm・奥行40cm・高さ130cmの縦長のタンスを比べてみます。大阪市の3辺合計はそれぞれ235cmと230cmでどちらも700円、江東区の高さ+幅はどちらも190cmで1,300円です。名古屋市は最大の辺が110cmと130cmなので、1,500円と2,000円に分かれます。合計方式なら同じ区分に入る2台が、最大の辺方式では120cmの線をまたぐかどうかで500円違ってきます。
タンス以外の収納家具も同じ枠に入る
江東区の品目一覧で目を引くのは、「箱物家具」というひとつの枠に大量の品目が押し込まれている点です。オーディオラック、押入れたんす、カラーボックス、キャビネット、下駄箱、サイドボード、書棚、食器棚、棚、チェスト、戸棚、本棚、ロッカー、脇机、ガス台、流し台、仏壇、レンジ台、米びつ、収納ケース、収納庫、整理たんす、TVボード、洋服たんす、和たんすなどが同じ料金表で判定されます。本棚もラックも下駄箱も、判定式はタンスと同じということです。
大阪市はもう少し細かく品目を分けており、食器棚・靴箱・本棚はたんすと同じ3段階(400円/700円/1,000円)ですが、レンジ台は一律700円、ワゴンは400円、押入れ収納ラックは200円と個別に定められています。名古屋市は書棚・食器棚・サイドボード・カラーボックス・テレビ台もたんすと同じく最大の辺で判定しますが、金額は品目ごとに違います。最大の辺120cm以下なら、カラーボックス500円、書棚とテレビ台1,000円、たんすと食器棚1,500円です(サイドボードは90cm以下1,000円、90cm超120cm以下1,500円)。120cmを超えると、カラーボックス1,000円、書棚1,500円、たんすとサイドボード2,000円、食器棚2,500円になり、テレビ台は150cm以下1,500円、150cm超2,500円です。
解体しても手数料は下がらない
「大きいから高いなら、バラして小さくすれば安くなるのでは」と考えたくなります。しかしここは明確に否定されています。世田谷区は「粗大ごみの処理手数料は、原則として解体前の大きさで決まります」とし、「解体が可能なもの(スチール製の棚、ベッド、タンス、テーブル等)であっても、解体しても手数料は変わりません」と書いています。タンスが名指しされています。
江東区も同じ立場で、「分解できる箱物家具(棚やラックなど)の寸法は分解前のものが基準となります」としています。
ただし、運び出しのために分解すること自体は認められています。江東区は「粗大ごみは分解した状態で排出していただけますが、バラバラにならないよう紐等でおまとめください」とし、大阪市も「解体している場合は、解体したことがわかるように紐やテープなどでまとめてお出しください」と案内しています。解体は運搬のためであって、節約のためではないと割り切ったほうがいいです。
・幅(左右の最大値)/奥行/高さの3つをすべてメジャーで測る
・引き出しの取っ手や装飾が出っ張っていれば、その先端まで含める
・自治体が「合計方式」か「最大の辺方式」かを料金表の注記で確認する
測り方が分かれば、区分の境目に近いかどうかも自分で判断できます。境目上なら受付センターに実寸を伝えて確定させたいところです。
婚礼家具や大型のタンスは業者見積もりの世界になる
桐の和箪笥や三点セットの婚礼家具のように、重くて分解も難しい家具は、屋外まで出せるかどうかが最初の関門になります。運び出せないなら民間の不用品回収に頼ることになりますが、金額は自治体の粗大ごみとは別物です。一括見積もりサイトのエコノバは単品回収の相場としてタンス3,000円〜、食器棚3,000円〜を掲げています。
関東で回収を行うパワーセラーの料金表は、タンス・棚・机をサイズで3段階に分け、小2,000〜4,000円、中5,000〜7,000円、大8,000〜10,000円としています。同社は「合計金額が8,000円~10,000円のお客様からの出張となります」という最低ラインも公表しており、小さいタンス1点だけでは依頼が成立しない形です。
依頼先を選ぶ際は許可を確認してください。国民生活センターは「インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限りません」と注意喚起しています。
よくある質問
タンスの処分費用はどのくらいかかりますか?
自治体の粗大ごみなら、今回確認した3自治体でおおむね400〜3,200円でした。大阪市は400〜1,000円、名古屋市は最大の辺120cm以下1,500円・120cm超2,000円、江東区はサイズ次第で400〜3,200円と幅が大きいです。屋外まで運び出せず業者に頼む場合は、エコノバの相場表で3,000円〜となっています。
本棚や食器棚もタンスと同じ料金ですか?
同じ枠で判定する自治体が多いです。江東区は「箱物家具」としてたんす・本棚・食器棚・カラーボックス・下駄箱などをまとめて高さ+幅で判定します。大阪市は食器棚・靴箱・本棚をたんすと同じ3段階にしつつ、レンジ台700円・ワゴン400円のように個別品目も設けています。
タンスを解体すれば粗大ごみ料金は安くなりますか?
安くなりません。世田谷区は解体前の大きさで手数料が決まると明記し、タンスを名指しで例に挙げています。江東区も分解できる箱物家具の寸法は分解前が基準としています。解体は運び出しのために行うもので、料金の節約にはつながりません。

まとめ
タンスの処分費用はサイズで決まりますが、その「サイズ」の定義が自治体ごとに違います。大阪市は幅+奥行+高さの合計、江東区は高さ+幅の合計、名古屋市はいちばん長い1辺が120cmを超えるかどうか。同じ家具でも、どこに住んでいるかで区分がずれます。
そして解体しても金額は下がりません。世田谷区と江東区がはっきり書いているとおり、判定は解体前の大きさで行われます。やるべきことは、3辺を実測して自治体の料金表の注記を読み、境目に近ければ受付センターに確認すること。この順番なら、支払う額を事前に確定させられます。
家財をまとめて整理するなら、一人暮らしの引越し前に不用品を処分する方法も参考になります。









