エアコンの処分費用はいくら?|リサイクル料金・収集運搬料金・取り外し工事費の合計

不用品回収でエアコンを処分する費用|取り外し工事を含む3階建て

エアコンの処分費用を調べていて、金額がまったく噛み合わないと感じたことはないでしょうか。「リサイクル料金990円」と書いてあるページもあれば、「エアコン処分2万5千円」という体験談もある。どちらも嘘ではありません。エアコンの処分は「リサイクル料金」「収集運搬料金」「取り外し工事費」の3つが積み重なる形になっていて、いちばん幅が大きいのが3つ目の工事費だからです。同じエアコンでも、工事費だけで2,750円から12,100円超まで動きます。冷蔵庫やテレビが二階建てなのに対し、エアコンだけ一段多い。この構造を知っておくと、見積もりの妥当性を自分で判断できます。

費目誰が決めるか金額の目安(税込)
① リサイクル料金製造したメーカー550〜2,000円(一部例外あり)
② 収集運搬料金引き取りを頼む小売業者1,100〜5,500円
③ 取り外し工事費工事を行う事業者2,750〜12,100円〜

表の出典:①家電リサイクル券センター(2026年2月1日改定)/②エディオン(2026年4月1日現在)・コジマネット/③ヤマダデンキ工事メニュー(2026年4月1日版)・くらしのマーケット(2026年7月時点)

①はどこに頼んでも変わりません。②と③は依頼先で大きく動きます。差がつくのは下2つです。

① リサイクル料金は550円から。室内機と室外機で1台分

エアコンのリサイクル料金には大小の区分がありません。メーカーだけで決まります。家電リサイクル券センターの再商品化等料金一覧から主なメーカーを抜き出すと次のようになります(税込)。

製造業者等名エアコンのリサイクル料金
パナソニック/東芝ライフスタイル/ダイキン工業/コロナ550円
シャープ/三菱電機/日立/三菱重工冷熱/LG990円
アクア/ハイアールジャパンセールス1,034円
アイリスオーヤマ/山善/ニトリ/指定法人(コード999)2,000円

出典は家電リサイクル券センターの再商品化等料金一覧です。冷蔵庫やテレビにはサイズ区分があり、冷蔵庫・冷凍庫は170L以下が3,740円・171L以上が4,730円、液晶テレビは15型以下が1,870円・16型以上が2,970円です(いずれも税込・主要メーカーの場合)。エアコンはサイズによる区分そのものがなく、最も安い部類に入ります。ただし例外もあり、エディオンは自社ページで家庭用ルームエアコンのリサイクル料金を550円〜9,900円と幅を持たせて記載しています。上限の9,900円は、ヤマダウェブコムの料金表ではヤンマーエネルギーの製品に付されている金額と一致します。

もうひとつ押さえておきたいのが台数の数え方です。家電リサイクル券センターは「リサイクル料金は室内機と室外機をあわせた料金です。一方のみ処分の場合でも料金は変わりません。」としています。室外機だけ残っている場合でも金額は同じ、逆に2台分請求されたらおかしい、ということになります。

② 収集運搬料金は冷蔵庫と同じ考え方

引き取りに来てもらうための費用で、店ごとに決まっています。ヤマダウェブコムはエアコンの収集運搬料を3,300円としており、リサイクル料金と足した合計額まで表に掲載しています。エディオンは条件別に細かく分けていて、配送時に買い替えと同時なら1,100円、別日の引き取りのみで過去に同社で購入していない商品なら5,500円です(エディオン・家電リサイクル、2026年4月1日現在の掲載)。コジマネットは1台目2,200円、2台目以降4,950円としています。

条件の読み方は冷蔵庫の記事で詳しく比較しました。エアコンでも構造は同じです。

💡 自分で運べば②はかからない
収集運搬料金は、小売業者に取りに来てもらうための費用です。家電リサイクル券センターは郵便局の家電リサイクル券について、「排出者ご自身で指定引取場所に持っていく場合や、収集運搬を依頼した事業者からリサイクル料金の支払い方法として郵便局を案内された場合に使用する」ものだと説明しています。
つまり郵便局でリサイクル券を買い、自分で指定引取場所まで運べば、かかるのはリサイクル料金550〜2,000円だけです。車があって、すでに取り外し済みなら、これがいちばん安く済みます。運ぶ手間と、指定引取場所が近くにあるかどうかとの相談になります。

③ 取り外し工事費でいちばん差がつく

ここが本題です。壁付けのエアコンは自分で外せません。配管を切れば冷媒フロンが大気に出てしまうからで、経済産業省のFAQは「フロン放出防止のため、室内外ユニットの取り外し前に冷媒フロンをエアコン本体に回収することをポンプダウンといいます。」と説明しています。この作業があるぶん、取り外しは有料の工事になります。

公表されている料金を3者分並べます(いずれも税込)。

依頼先取り外し工事の料金条件
ヤマダデンキ7,700円〜/11,000円〜/12,100円〜室内機と室外機が同一階/異なる階/屋根・壁面・天吊など
エディオン6,600円〜/8,800円〜新規購入商品の取り付けと同時/手持ち商品の取り外しのみ
くらしのマーケット2,750円〜(掲載事業者の最安)事業者ごとに設定。528件が掲載

表の出典:ヤマダデンキ工事メニュー(2026年4月1日版)/エディオン・施工サービスくらしのマーケット(2026年7月時点)

ヤマダデンキの数字は同社のエアコン工事メニュー(2026年4月1日版)から。同PDFには「取り外しのみで訪問する場合には別途出張料がかかります。」という注意と、「エアコンの回収、処分にはリサイクル券が必要です。事前に店頭にてご購入ください。」という記載があります。エディオンの数字はエディオン・施工サービスの掲載値です。

この表から言えるのは、買い替えと同時に外してもらうほうが安いということ。エディオンでは取り付けと同時なら6,600円〜、手持ちのエアコンを外すだけなら8,800円〜と差がついています。ヤマダも取り外し単独の訪問には出張料が上乗せされます。

くらしのマーケットは地域の工事業者を直接予約する形で、2026年7月時点で528件の事業者が掲載され、最安は2,750円でした。件数も最安値も日々動きますので、見るときはその日の表示で確かめてください。同サイトはエアコン取り外しの共通作業として「作業内容の事前説明 / エアコンの取り外し / 配管穴のパテ埋め / 作業箇所の簡易清掃」を定めており、「くらしのマーケットでは、必須の作業内容を設けています。」としています。安い代わりに事業者ごとの条件差が大きいので、口コミと作業範囲を見比べることになります。

不用品回収業者だと「エアコン無料回収」が成立することがある

ここが冷蔵庫との大きな違いです。エアコンは室外機に金属が多く、資源として値がつきます。そのため、取り外し後の本体を無料で引き取る業者が実在します。

たとえばパワーセラーの料金表では、エアコン(セット)が無料回収、エアコン取り外しが8,000円と記載されています(パワーセラー・不用品回収の料金表)。同社は「合計金額が8,000円〜10,000円のお客様からの出張となります。」としているので、エアコン1台だけでちょうど下限に届く計算になります。同社が自社の許認可として掲げているのは、古物商許可・産業廃棄物収集運搬業(東京・埼玉・神奈川・千葉)・貨物軽自動車運送事業です。一般廃棄物については一般廃棄物収集運搬業者および各市町村との業務委託提携により適正に処理するという書き方で、自社で一般廃棄物の許可を持っているわけではありません。家庭から出るエアコンは一般廃棄物にあたるので、ここは依頼前に確かめておきたいところです。見積もりについては「確定したお見積り金額から当日1円も追加しません。」としています。

⚠️ 「取り外し込み」の見積もりこそ確認したい
国民生活センターには、広告の定額パックで申し込んだのに作業後に高額請求されたという相談が多数寄せられています。同センターは「インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限りません。」としたうえで、見積もり時のポイントとして「追加料金の有無を確認する」ことを挙げています。エアコンは工事が絡むぶん、当日に「配管が特殊なので追加」と言われる余地が大きいです。室外機の設置場所(平地・ベランダ・屋根・壁面)を先に伝えて、その条件での金額を出してもらってください。

なぜ正規のルートで出したほうがいいのか

費用の話だけなら、安いところに頼めばよさそうに思えます。ですがエアコンには、他の家電にない事情があります。フロンです。

家電製品協会は「ご存知のとおりエアコンには地球温暖化につながる温室効果ガスであるフロンが充填されています。」としたうえで、家電リサイクル工場では1台あたり平均678g(2022年度実績)のフロンが全量回収されていると説明しています。そして同協会は「家庭用エアコンは推計で年間700万台前後処分されていますが、そのうち家電リサイクルに出されたものは約半分の360万台前後に過ぎません。」とも書いています。半分は行方が追えていない、ということです。

同協会は「明らかに使えない状態のエアコンを無料で引き取ると謳う業者には注意が必要です。」としています。無料回収そのものが悪いのではなく、資源になる部分だけ抜かれて残りが放置されるルートに乗せてしまうのが問題、という整理です。依頼先が家電リサイクル券の控えを渡してくれるかどうかが、ひとつの判断材料になります。

業務用エアコンは対象外

家電リサイクル法の対象になるのは家庭用エアコンだけです。家電リサイクル券センターは対象外の製品として、天井埋め込みカセット形エアコン、壁埋め込み形エアコン、天吊り形セパレートエアコン、パッケージエアコン、冷風機・冷風扇、スポットエアコン、除湿機を挙げています。壁掛け形のセパレート、床置き形セパレート、ウィンド形エアコンは対象です。

ヤマダデンキも工事メニューで「業務用エアコンの取り外しは行っておりません。また、リサイクル対象外となりますので、引き取り、処分などは行っておりません。」としています。業務用については、経済産業省のFAQが「業務用エアコンについては、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)に基づき、使用者(廃棄等実施者)にフロン回収の義務があります。」としています。別の法律で、しかも使用者側に義務がある。専門業者に依頼することになります。

よくある質問

エアコンの処分は結局いくらかかりますか?

3つのパターンで足すと次のようになります。①自分で指定引取場所へ持ち込む(取り外し済み)=550〜2,000円②取り外し済みの本体を引き取ってもらう=1,650〜7,500円(リサイクル料金550〜2,000円+収集運搬料金1,100〜5,500円)。③壁に付いた状態から一式頼む=4,400〜19,600円〜(②に取り外し工事費2,750〜12,100円〜を足したもの)。多くの人が当てはまるのは③で、幅が大きいのは室内機と室外機の位置関係で工事費が動くためです。

室外機だけ処分する場合、料金は半分になりますか?

なりません。家電リサイクル券センターは、リサイクル料金は室内機と室外機をあわせた料金であり、一方のみ処分の場合でも料金は変わらないとしています。逆にいえば、室内機と室外機の両方を出しても1台分で済みます。

エアコンを自分で取り外して処分できますか?

おすすめできません。エアコンには冷媒フロンが封入されており、経済産業省は取り外し前にポンプダウンで本体へ回収するよう求めています。配管をそのまま外せばフロンが大気中に放出されます。工事費を惜しんで自分で外すより、取り外しから処分まで一括で頼むほうが結果的に安全で確実です。

リサイクル料金だけ見て安いと思い込むと、見積もりを見たときに驚きます。エアコンは工事費が主役だと、最初から思っておくほうがいいです。

まとめ

エアコンの処分費用は3つの積み重ねです。リサイクル料金は550〜2,000円と安く、収集運搬料金が1,100〜5,500円。金額を左右するのは取り外し工事費で、2,750円から12,100円超まで動きます。壁に付いた状態から一式頼むなら、合計は4,400〜19,600円〜。すでに外してあって自分で指定引取場所まで運べるなら、550〜2,000円で済みます。

費用を抑えるなら、買い替えと同時に外してもらうか、地域の工事業者を比較して選ぶか。どちらにしても、室外機がどこに置かれているかを先に伝えて見積もりを取るのが要点です。無料回収の広告に飛びつく前に、許可の有無と家電リサイクル券の控えが出るかどうかを確認しておきたいところです。