冷蔵庫の処分費用を調べていくと、必ず「自分で持ち込めば安い」という話に行き着く。ただ、どこへ持っていけばいいのか、何を持っていけばいいのかが分からずに止まってしまう人は多い。市役所ではないし、郵便局でもない。結論から書くと、持ち込み先はメーカーが設置している「指定引取場所」で、そこへ行く前に郵便局で家電リサイクル券を買って料金を払っておく——この2段構えさえ理解すれば手続きは終わったも同然だ。この記事では当日の流れと、つまずきやすい点だけを具体的に書く。
| 順番 | 行く場所 | やること | かかるお金 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自宅 | メーカー名と全定格内容積をメモする | 0円 |
| 2 | 郵便局(平日・貯金窓口) | 家電リサイクル券を記入して振り込む | リサイクル料金+振込手数料 |
| 3 | 指定引取場所 | 冷蔵庫と券の綴り一式を渡す | 0円(収集運搬料金なし) |
費用の内訳そのものについてはハブ記事にまとめてある。ここでは持ち込みという手段に絞って書く。
持ち込み先は市役所でも郵便局でもなく「指定引取場所」
まず場所の話から。家電4品目を集める拠点は指定引取場所と呼ばれ、メーカー側が全国に設けている。自治体のごみ処理施設ではない。横浜市は該当ページで「エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機については、家電リサイクル法に基づいた処分が必要となります。」としたうえで、市では回収できないと明記している。ごみの出し方は自治体ごとに違うが、家電4品目を市の粗大ごみとして受け付けない点はどこも同じと考えていい。
では指定引取場所がどんな施設なのかというと、実際の一覧を見るのが早い。横浜市が公開している市内の指定引取場所は、東芝環境ソリューション、スガヤメタル、日本通運の横浜都筑指定引取場所、東亜物流の神奈川営業所、SBS即配サポートの横浜デポの5か所だ(横浜市・指定引取場所一覧、2026年4月2日更新)。運送会社の物流拠点や金属リサイクル業者の敷地が使われていることが分かる。倉庫街の一角にあることが多いので、初めて行くなら地図を先に確認しておきたい。
自分の地域の場所は、家電製品協会の指定引取場所検索で郵便番号から探せる。経済産業省のFAQも「排出者が指定引取場所に、廃家電4品目を直接持ち込むこともできます。この場合、収集運搬料金はかかりません。」としており、これが持ち込みが安くなる理由のすべてだ。数千円かかる二階部分がまるごと消える。
郵便局での家電リサイクル券の買い方
持ち込み前に済ませておくのが、料金の支払いだ。使うのは「料金郵便局振込方式」の家電リサイクル券、通称・郵便局券である。窓口で「家電リサイクル券をください」と言えば出てくる。
家に出る前にメモしておくものは2つだけ。メーカー名と、扉の内側のシールに書かれた全定格内容積だ。日立グローバルライフソリューションズは自社の冷蔵庫について、内容積が不明な場合は「冷蔵室ドアのドアポケット後方に貼り付けてある型式表示ラベル、または、取扱説明書の仕様ページよりご確認いただけます。」と案内している。メーカーによってラベルの位置は違うが、扉を開けて内側をひと通り見れば見つかる。
券が置いてあるのは平日の貯金窓口だけで、家電製品協会は、土日祝を含めゆうゆう窓口やATMコーナーでは郵便局用の家電リサイクル券を受け取れないと注意している。さらに「一部の簡易郵便局では家電リサイクル券を置いていませんので、事前にお近くの郵便局にご確認ください。」ともある。また同協会は「使わなくなった製品は郵便局・ゆうちょ銀行では引き取れませんのでご注意ください。」とも書いている。冷蔵庫を積んだまま郵便局へ行っても、そこで手放すことはできない。
もうひとつ見落としやすいのが手数料だ。協会は「ゆうちょ銀行の振込手数料が、家電リサイクル券1枚毎にかかります。」としている。冷蔵庫と洗濯機を同時に処分するなら券は2枚、手数料も2回分だ。
振り込んだあとの処理も決まっている。窓口で払ったら振替払込受付証明書に日附印を押してもらい、券の指定引取場所控に貼る。ATMを使った場合は、協会が「ATMを利用してお振り込みされた場合は、振替払込受付証明書の代わりとして、ご利用明細票の写しを使用することも可能です。」としている。ここを忘れると支払いの確認が取れず、引き取ってもらえないことがある。
当日の持ち込みで気をつける3点
予約は要らないが、営業日は要確認。経済産業省のFAQは「予約は必要ありませんが、臨時休業している場合もありますので、営業日、受付時間等は事前に指定引取場所へご確認下さい。」としている。横浜市の一覧も事前予約は不要としつつ、日曜・祝日が休業で、「受付終了は営業時間の30分前となっています。」と注記している。9時から17時までと書いてあっても、16時30分に着いたら間に合わない可能性がある。
夏は混む。これは意外と知られていない。横浜市の同じページには「6月下旬〜9月は、持込件数が非常に多くなるため、長時間お待ちいただく場合がありますので、事前に家電リサイクル券センターにお問い合わせください。」とある。エアコンの入れ替えが集中する時期と重なるためだろう。急ぐなら時期をずらすか、午前中の早い時間に行きたい。
券の控えを持って帰る。協会は「家電リサイクル券の控えを忘れずにお持ち帰りください。」としている。控えに書かれた番号で、あとから自分の冷蔵庫が正しくリサイクルされたかを確認できるからだ。渡して終わり、ではない。
持ち込みの前にやっておく準備
庫内は空にしておく。家電リサイクル券センターは、冷蔵庫と一緒に引き取れないものとして庫内に残った食品等を挙げている。加えて霜取りと水抜きも必要で、家電製品協会は「これらの作業を行わずに冷蔵庫を動かすと、水がこぼれてしまいます。」と説明している。積み込んだ車の中で水が流れ出すと目も当てられない。前日までの段取りは別記事にまとめた。
それから、運びやすくしようとして扉や部品を外すのは逆効果だ。経済産業省のFAQは「解体された家電4品目や部品のみを引き取ることは困難ですので、ご自身で解体したり、部品を外すような行為はお控えください。」としている。「鉄くずとしてスクラップ業者に持ち込めないか」という発想も同じ理由で行き止まりになる。家電4品目は製造業者等に引き渡すルートが法律で決まっているためだ。
自分で運べないと分かったときは
持ち込みは安いが、車と人手が要る。無理だと判断したら早めに切り替えたほうがいい。横浜市の場合、購入店が不明で自分では運べない人の窓口として横浜家電リサイクル推進協議会を案内しており、指定の回収業者について「ご自分で家の前(回収車が直接積み込める場所)まで搬出してください。2社とも家の中からの搬出にも対応しています(別途料金)。」と書いている。似た仕組みを持つ自治体は多いが、名称も連絡先も地域ごとに違う。
よくある質問
指定引取場所に持ち込むとき、水抜きは必要ですか?
必要だ。家電製品協会は、引渡し当日までに製氷室の氷や給水タンクの水を捨て、蒸発皿の水抜きをするよう案内している。霜取りをしないまま動かすと溶けた水がこぼれる。庫内の食品などの異物も、指定引取場所では引き取ってもらえない。
リサイクル券は市役所やコンビニでも買えますか?
買えない。料金郵便局振込方式の家電リサイクル券は、平日の郵便局の貯金窓口に備え付けられている専用の振込用紙だ。ゆうゆう窓口やATMコーナーでは受け取れず、一部の簡易郵便局にも置いていない。事前に近くの郵便局へ確認しておくと確実だ。
指定引取場所へは軽自動車でも持ち込めますか?
車種の制限は今回確認した範囲では見当たらなかった。ただし現場は大型トラックが出入りする物流拠点で、家電製品協会も係員の指示に従うよう注意を促している。積み下ろしは自分で行うことになるため、冷蔵庫の重さと積載スペースを先に測っておきたい。

まとめ
冷蔵庫の持ち込み処分は、郵便局と指定引取場所の2か所を回るだけだ。収集運搬料金がまるごと消えるので、費用はリサイクル料金と振込手数料に収まる。用意するのはメーカー名と全定格内容積のメモ、そして冷蔵庫を積める車と人手だけである。
つまずきどころは決まっている。郵便局は平日の貯金窓口。振替払込受付証明書は券に貼る。指定引取場所の受付は営業終了の30分前まで。夏は混む。控えは持ち帰る。この5つを押さえておけば、出直す羽目にはならない。
引っ越しにともなう処分全体の段取りは一人暮らしの引越し前に不用品を処分する方法で扱っている。











