インターホンが鳴り、「近くで作業していて、いらない物があれば引き取ります」と言われる。頼んでもいないのに来た相手に、その場で判断を迫られる。結論から書くと、アポなしの訪問は断ってよく、断ったあとの再勧誘は法律で禁止されている。行政も、許可を受けた業者は街宣しながら回収して回ることはないと明言している。
| 場面 | 対応 | 根拠 |
|---|---|---|
| アポなしで訪問された | 玄関を開けずに断る | 許可業者は街宣・巡回回収を行わない(横浜市) |
| 断ったのに勧誘が続く | 再勧誘は禁止されている旨を伝える | 特定商取引法(再勧誘の禁止) |
| その場で契約してしまった | クーリング・オフの可否を確認する | 書面受領日から8日以内 |
| 威迫された | 警察・消費生活センターに連絡 | 特定商取引法の禁止行為 |
飛び込み訪問の不用品回収は「怪しい」で正しい
横浜市は無許可で回収する業者の手口を4つに整理しており、その先頭がトラック型、つまり軽トラック等で街宣しながら回収する形だ。そして同市は「なお、許可を受けた事業者は、軽トラック等で街宣しながら廃棄物を回収することはありません。」と書いている。
相談例も公開されている。同市が挙げるトラブル例のひとつは「一度、無料回収をお願いした後、何度も廃棄物がないか訪問されて困った。」というものだ。一度応じると訪問が続くという流れが、実際に報告されている。
参考までに、出張買取の大手であるバイセルは安全の取り組みとして「お客様から事前のお問い合わせが無い場合、お電話や訪問は一切いたしません。」と明記している。こちらから依頼していない訪問は、そもそも正規のサービス設計から外れていると考えてよい。
断ったあとの再勧誘は禁止されている
訪問して契約を持ちかける行為は、特定商取引法の訪問販売にあたりうる。消費者庁の特定商取引法ガイドは、事業者の氏名等の明示について「事業者は、訪問販売をしようとするときは、勧誘に先立って、消費者に対して以下のことを告げなければなりません。」とし、事業者の氏名(名称)、勧誘目的であること、販売しようとする商品の種類を挙げている。名乗らずに「いらない物はありませんか」とだけ聞く形は、この規制に沿っていない。
断ったあとについても定めがある。同ガイドは「消費者が契約締結の意思がないことを示したときには、その訪問時においてそのまま勧誘を継続すること、その後改めて勧誘することが禁止されています。」としている。1回はっきり断れば、それ以上の勧誘は禁止行為になる。
威圧的な態度も禁止行為に含まれる。同ガイドは禁止行為の一つとして「契約を締結させ、又は契約の申込みの撤回(契約の解除)を妨げるために、相手を威迫して困惑させること」を挙げている。
訪問してきた相手に許可の有無を確認するのは、玄関先では難しい。市区町村の許可業者一覧を調べる時間が要るからだ。その場で判断できない依頼は、その場で断るのが安全側の選択になる。必要なら後日、自分で調べた許可業者に連絡すればいい。
その場で契約してしまったときは
断りきれずに契約した場合でも、撤回できる可能性がある。消費者庁のガイドは「訪問販売の際、消費者が契約を申し込んだり、締結したりした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます。」としている。
国民生活センターも、不用品回収について「見積もりのために呼んだ事業者とその場で契約した場合や、広告等の表示額と実際の請求金額が大きく異なる場合などは、特定商取引法の訪問販売によるクーリング・オフ等が適用できる可能性があります。」としている。詳しい手順は高額請求の記事で扱った。
電話での勧誘も同じ構造
訪問だけでなく、電話で不用品の有無を尋ねてくる勧誘もある。企業名を名乗らず、要らない物を回収している団体だとだけ告げるパターンが知恵袋の相談にも見られる。名乗らない、目的を告げない、という点は訪問の場合と同じだ。
書面の交付についても定めがある。消費者庁のガイドは「事業者は、契約の申込みを受けたとき又は契約を締結したときには、以下の事項を記載した書面を消費者に渡さなければなりません。」とし、販売価格、代金の支払時期・方法、事業者の氏名・住所・電話番号などを列挙している。口頭だけで話が進み、書面が出てこない取引は、この時点で外れている。
正規のルートに戻す
訪問を断ったあとの選択肢は変わらない。市区町村の粗大ごみ収集に出すか、市の処理施設に自分で持ち込むか、一般廃棄物収集運搬業の許可業者に自分から依頼するかだ。環境省は「家電の処分の方法がわからない場合は、まず、お住まいの市区町村の廃棄物・リサイクル担当に問い合わせをしてください。」と案内している。
よくある質問
アポなしで来た不用品回収業者を追い返しても問題ありませんか?
問題ない。契約締結の意思がないことを示したあとの勧誘継続と再勧誘は、特定商取引法で禁止されている。横浜市も、許可を受けた事業者は軽トラック等で街宣しながら廃棄物を回収することはないとしている。玄関を開けずに断って構わない。
不用品回収の電話勧誘を止める方法はありますか?
契約する意思がない旨をはっきり伝えれば、その後の勧誘は特定商取引法上の禁止行為にあたる。それでも続く場合は、日時と相手の名乗りを記録したうえで消費者ホットライン188に相談したい。国民生活センターは、不安に思った場合は一人で悩まず最寄りの消費生活センター等に相談するよう案内している。
訪問してきた業者が許可を持っているか、その場で確認できますか?
玄関先での完全な確認は難しい。市区町村が公開している一般廃棄物収集運搬業の許可業者一覧と社名を突き合わせる必要があるためだ。横浜市は、許可業者の収集車両には4桁の許可番号が表示されているとしているが、表示の運用は自治体ごとに異なる。その場で判断できないなら、いったん断るのが安全だ。

まとめ
頼んでいないのに来る不用品回収の訪問は、行政の説明に照らすと正規のルートから外れている。横浜市は許可業者が街宣しながら回収することはないとし、特定商取引法は氏名等の明示、再勧誘の禁止、書面の交付、そしてクーリング・オフを定めている。
玄関先で判断できないものは、その場で断ってよい。処分が必要なら、自分の市区町村の許可業者一覧を見てから改めて連絡すれば済む。










