家族が亡くなって部屋を引き払う、実家を片付ける、荷物が積み上がった部屋をどうにかしたい。1点ずつ運び出すのが現実的でない量になると、部屋ごと任せる選択肢が出てくる。結論から書くと、頼み先は「不用品回収」と「遺品整理」の2種類があり、料金の考え方も、必要な許可の確認先も同じだ。違うのは仕分けや供養が含まれるかどうかである。
| 間取り | 遺品整理の相場(みんなの遺品整理) | パック料金の例(遺品整理プログレス) |
|---|---|---|
| 1R・1K | 30,000円〜80,000円 | 15,000円〜(1K) |
| 1LDK | 70,000円〜200,000円 | 30,000円〜 |
| 2LDK | 120,000円〜300,000円 | 60,000円〜 |
| 3LDK | 170,000円〜500,000円 | 105,000円〜 |
※出典はみんなの遺品整理「遺品整理の費用相場」と遺品整理プログレスの費用のご案内。いずれも税込・2026年7月時点の掲載値。
部屋丸ごとの不用品回収を頼む前に決めること
最初に決めるのは、仕分けを誰がやるかだ。全部処分してよいなら不用品回収業者のトラック単位のプランで済む。貴重品や思い出の品を探し出す作業が必要なら、遺品整理を掲げる業者のほうが工程が合う。遺品整理プログレスは、貴重品と処分品を仕分ける作業や合同供養をサービス内容として案内している。
量の目安は間取りで示されている。粗大ゴミ回収本舗のパックは、Sパックが1K程度で9,800円〜、Mパックが1DK程度で34,800円、Lパックが2DK程度で54,800円、3DK以上のLLパックは要見積もりという区切りだ。同じ間取りでも荷物量で変わるので、あくまで入口の目安になる。
許可の確認は部屋丸ごとでも同じ
規模が大きくなっても、確認することは変わらない。横浜市は遺品整理の注意点として、費用を支払って不用品を処分する場合、遺品整理を行う業者が一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか必ず確認するよう求めている。そのうえで「●無許可業者による不用品の処分は法律違反です。」と明記している。
許可を持たない遺品整理業者に頼む場合の道筋も示されている。同ページは、不用品を出す人と一般廃棄物収集運搬業許可業者が直接契約する必要があるとしたうえで、その契約を遺品整理業者に委任することは可能だと説明している。買取については「●なお、家財などの買取を行う場合は古物商の許可が必要です。許可の有無については、業者にお尋ねください。」としている。
引っ越しや片付けで一度に出るごみの扱い
自治体側にも、この状況向けの区分がある。横浜市は「一時多量ごみ」として、「引っ越しや遺品整理など、ご家庭から一度に多量に出るごみは、収集に支障をきたすため、まとめて集積場所に出すことができません。市の処理施設等にご自身で持ち込むか、一般廃棄物収集運搬の許可を受けた業者に処理を依頼してください。」と案内している。集積場所にまとめて出す、という選択肢は最初からない。
同ページには注意も添えられている。「チラシやインターネット広告等を見て無許可の廃棄物回収業者に処理を依頼したところ、高額な料金を請求された事例もありますのでご注意ください!」という一文だ。量が多い案件ほど金額も大きくなるので、影響も大きい。
みんなの遺品整理が公表している利用実態調査では、「約半数(47.2%)が少なからず追加請求された経験がある」という結果が示されている。見積もりの時点で追加請求の有無を確認しておくこと、相見積もりを取ることが、そのまま対策になる。
業者に頼んでも分別は必要
丸ごと任せれば分別も不要、とはいかない。横浜市は「一時多量ごみとして排出する場合も家庭ごみとして分別していただく必要があります。」としており、遺品整理の案内でも、遺品整理や片づけであっても通常の家庭ごみと同じように必ず分別するよう求めている。
また、家電4品目やパソコン、消火器などは市の収集対象外で別ルートになる。部屋の中にこれらがあるなら、見積もり時に切り分けて金額を出してもらいたい。
自分で持ち込むと安くなる場合もある
費用を抑えたいなら、自分で運べる分は市の施設へ持ち込む手がある。横浜市の場合、燃やすごみは市内4か所の焼却工場に持ち込むことができ、1キロあたり13円の処理費用がかかる。事前に区の資源循環局事務所への申込みが必要で、最短での持込可能日は申込みから6日後とされている。粗大ごみは粗大ごみ自己搬入ヤードに持ち込むことができ、事前申込みが必要だが枠が空いていれば当日も可能とされている。
受入基準も費用も自治体ごとに違う。住んでいる市区町村のごみ担当ページで確認してほしい。
よくある質問
遺品整理と不用品回収はどう違いますか?
作業範囲が違う。不用品回収は運び出して処分するのが中心で、遺品整理はそこに貴重品と処分品の仕分け、供養などの工程が加わる。遺品整理プログレスは、仕分け作業、処分品の処理、遺品の合同供養をサービス内容として案内している。ただし処分の部分で一般廃棄物収集運搬業の許可が要る点は、どちらも変わらない。
ゴミ屋敷状態でも部屋丸ごと頼めますか?
頼めるが、通常のパック料金の前提から外れることが多い。パワーセラーは、片づけが終わっておらず袋詰めや箱詰め作業を長時間代行する場合には料金が上がることがあるとしており、部屋の片付けを含む場合は現地での事前見積もりが必要としている。金額を確定させるには訪問見積もりが前提になると考えたい。
費用は誰が払うことになりますか?
今回確認した公的機関の資料には、支払い義務者を定めた記述は見当たらなかった。契約の当事者が支払うのが原則で、横浜市は不用品を出す人と許可業者が直接契約する必要があるとしている。相続が絡む場合は法律の専門家に確認するのが確実だ。

まとめ
部屋丸ごとの依頼では、仕分けが必要かどうかで不用品回収と遺品整理を選び分ける。費用の目安は1R・1Kで3万円台から、2LDKで12万円以上というのが公表されている相場だ。追加請求の経験がある人が約半数という調査もあるため、見積もり時に追加の条件を潰しておきたい。
そして、規模が大きくても確認事項は変わらない。一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者かどうかを、自分の市区町村の名簿で照合するところから始めればいい。











