不用品回収に必要な許可とは|一般廃棄物・産廃・古物商の違い

不用品回収に必要な許可とは|一般廃棄物・産廃・古物商の違い

不用品回収業者のサイトを開くと、許可番号らしき数字が並んでいる。産業廃棄物収集運搬業許可、古物商許可、認定証。数が多いほど信頼できそうに見えるが、そこが落とし穴だ。結論から書くと、家庭から出た不用品を有料で運んでもらうのに必要なのは市区町村の「一般廃棄物収集運搬業の許可」で、産廃許可と古物商許可はその代わりにならない。この線引きは環境省が明文で示している。

許可の名前誰が出すかできること家庭の不用品回収に使えるか
一般廃棄物収集運搬業市町村長一般廃棄物の収集・運搬使える(これが原則)
産業廃棄物収集運搬業都道府県知事産業廃棄物の収集・運搬使えない
古物商都道府県公安委員会古物の売買・交換使えない(買取はできる)

不用品回収に必要な許可は市区町村が出す

環境省は家電の処分に関するページで、「ご家庭の廃棄物を回収するには、廃棄物処理法に基づく『一般廃棄物収集運搬業の許可』又は『市町村の委託』が必要です。」と明記している。国民生活センターも同じ趣旨で「一般家庭から出る廃棄物の収集・運搬には、廃棄物処理法に基づく『一般廃棄物処理業の許可』または『市区町村からの委託』が必要ですが、産業廃棄物処理業の許可のみの事業者等、一般廃棄物処理業の無許可業者とのトラブルが目立ちます。」と書いている。

法律の条文でも同じことが定められている。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第7条第1項は、一般廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者に、その業を行おうとする区域を管轄する市町村長の許可を受けるよう求めている。産業廃棄物については第14条第1項が、都道府県知事の許可を受けるよう定めている。許可を出す主体が違う、というのが2つの許可の根本的な差だ。

一般廃棄物と産業廃棄物の境界

なぜ家庭ごみに産廃許可が使えないのか。定義をたどると分かる。廃棄物処理法第2条は、産業廃棄物を「事業活動に伴つて生じた廃棄物」のうち政令で定めるものなどと定義し、一般廃棄物を「産業廃棄物以外の廃棄物」と定義している。自宅から出た家具や家電は事業活動から生じたものではないので、産業廃棄物には該当しない。

環境省のQ&Aは、この点を利用者向けに言い換えている。産業廃棄物処理業の許可と古物商の許可を持つ業者に依頼してよいかという問いに対し、「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です。『産業廃棄物処理業の許可』や『古物商の許可』では回収できません。」と答え、その理由として「産業廃棄物処理業許可は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。古物商の許可は、中古品等の売買を行うための許可です。」と説明している。

横浜市も同じ整理をしていて、「産業廃棄物収集運搬の許可や古物商の許可では、ご家庭の廃棄物を収集運搬することはできません。」と書いている。

古物商許可は「買う」ための許可

古物商許可の根拠は古物営業法だ。同法第3条は、古物商の営業を営もうとする者に都道府県公安委員会の許可を受けるよう定めている。同法第1条が掲げる目的は盗品等の売買の防止や速やかな発見であり、廃棄物の処理とは目的そのものが違う。

だから、古物商許可で「買い取る」ことはできても、「捨てるものを引き取って運ぶ」ことはできない。環境省も「●中古品を扱うリユースショップ(リサイクルショップ)など、古物商の許可を有し、信用できる業者に中古品としての買取りを依頼してください。」と、買取の文脈で古物商を位置づけている。

💡 買取と回収は別の取引
同じ業者が「値がつく物は買い取り、値がつかない物は回収する」と案内していても、後半には一般廃棄物側の許可が要る。横浜市も遺品整理の案内で「●なお、家財などの買取を行う場合は古物商の許可が必要です。許可の有無については、業者にお尋ねください。」と、2つの許可を分けて説明している。

許可がない場合の罰則

無許可営業は法律違反にあたる。廃棄物処理法第25条第1項は、第7条第1項などの規定に違反して一般廃棄物または産業廃棄物の収集もしくは運搬を業として行った者を、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれを併科すると定めている。また同法第16条は「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めており、回収された物が不法投棄された場合はこちらにも関わる。

横浜市も「許可なく廃棄物を収集運搬する行為は法律違反です。」と明記し、一般廃棄物収集運搬業の許可がないにもかかわらず廃棄物の処理料金を払うことを求められた場合は担当課へ相談するよう案内している。

「許可業者と提携」と書かれている場合

実際の業者サイトを見ると、自社では産廃許可と古物商許可を持ち、家庭ごみは許可業者との提携で処理する、という書き方をしている会社がある。たとえばパワーセラーの許認可欄には古物商許可と各都県の産業廃棄物収集運搬の番号が並び、家庭ごみの処分については「一般廃棄物収集運搬業者および各市町村との業務委託提携により適正に処理します。」と書かれている。

この形が成り立つかどうかは、誰と誰が契約するかによる。横浜市は遺品整理の案内で、不用品を出す人と一般廃棄物収集運搬業許可業者が直接契約する必要があるとしたうえで、その契約を遺品整理業者に委任することは可能だと説明している。提携という言葉だけで済ませず、実際に運ぶ会社の名前を聞いておきたい。

許可業者の探し方

許可業者の名簿は市区町村が公開している。横浜市の場合は一般廃棄物処理業者名簿のページにPDFの一覧が置かれている。国民生活センターも、見積もりを取るときのポイントの1つ目として「市区町村のホームページ等から一般廃棄物処理業の許可業者を探す」を挙げている。

検索するときは、自分の市区町村名と「一般廃棄物収集運搬業 許可業者」を組み合わせる。名簿にたどり着いたら、業者が名乗る番号と一覧の記載が一致するかを見ればいい。

よくある質問

不用品回収を始めるにはどの許可が必要ですか?

家庭から出る廃棄物を業として収集・運搬するなら、廃棄物処理法第7条第1項に基づく市町村長の許可が必要になる。同項には例外の定めもあるため、開業を検討する場合は事業を行う市区町村の廃棄物担当窓口に直接確認したい。中古品の買取も行うなら、古物営業法第3条に基づく公安委員会の許可が別に必要になる。

産業廃棄物収集運搬業の許可があれば家庭ごみも運べますか?

運べない。環境省は、産業廃棄物処理業許可は工場や企業の廃棄物を処理するための許可であり、家庭の廃棄物の回収には使えないと明記している。廃棄物処理法上も、産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物と定義されており、家庭から出たものは含まれない。

認定証や登録証があれば許可の代わりになりますか?

ならない。業界団体の認定や資格は、市区町村が出す一般廃棄物収集運搬業の許可とは別のものだ。国民生活センターは、広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らないと注意喚起している。判断の基準はあくまで自治体が公開する許可業者一覧に社名があるかどうかになる。

許可の種類を調べるまで、番号が多い会社ほど安心だと思い込んでいた。数ではなく種類を見る、という一点だけで見え方が変わった。

まとめ

不用品回収に必要な許可は、市区町村が出す一般廃棄物収集運搬業の許可だ。産業廃棄物収集運搬業の許可は都道府県知事が出すもので事業者から出る廃棄物が対象、古物商許可は公安委員会が出すもので中古品の売買が対象になる。環境省はこの3つを並べて、後ろの2つでは家庭の廃棄物を回収できないと明記している。

業者サイトで許可番号を見つけたら、数ではなく種類を確認したい。そのうえで自分の市区町村の許可業者一覧に社名があるかを照合すれば、判断はそこで終わる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です