洗濯機クリーニングの説明で見かける「分解洗浄」「完全分解」。同じ言葉でも、業者によってどこまで外すかが違う。しかも完全分解はオプション扱いのことがある。さらに、古い洗濯機ではボルトが固着して分解できず、作業が中止になる場合まである。この記事では、分解洗浄で実際に何をするのか、そしてできないケースを整理する。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 自分でやる槽洗浄 | 槽は外さない。クリーナーを入れてコース運転 |
| 分解洗浄 | 部品を外して洗う。どこまで外すかは業者による |
| 完全分解洗浄 | 洗濯槽・脱水槽・パルセーターまで外す。オプションのことがある |
| できない場合 | ボルトの固着・異音・動作確認が取れないなど |
作業の流れは4段階
おそうじ革命は洗濯機分解クリーニングの手順を公開している。洗浄の前後に動作確認が入るのが特徴だ。
- 「洗濯機の分解洗浄前にしっかりと動作を確認します」
- 「専用の工具を用いて、分解できるところまで徹底的に洗濯機を分解します」
- 「洗濯槽や部品の奥にこびり付いたカビ・汚れ・洗剤の残りカスを専用の洗剤を用いて、しっかりと洗い流していきます」
- 「本体・部品の水気をしっかり拭き取り、元の状態に組み立てます。組み立て完了後に動作確認を行い、作業完了となります」
注目したいのが「分解できるところまで」という表現だ。機種や状態によって、外せる範囲が変わることを含んでいる。
洗浄する場所も家の中になる。同社は「分解した洗濯機のパーツ等は、お庭または浴室の水道をお借りし洗浄させていただきます」とし、「洗濯機分解高圧洗浄の作業当日は、お客様宅の電気・ガス・水道を使用させていただきます」としている。持ち帰るのではなく、その場で分解して洗う形が基本になる。
「完全分解」はオプションのことがある
ここが分かりにくい部分だ。同じ「分解洗浄」でも、槽を外すかどうかで作業量がまったく違う。
おそうじ本舗は縦型について「浸け置きしても汚れが残る洗濯槽や脱水槽、パルセーターなどのパーツを分解して、ひとつひとつ徹底洗浄!」と説明しているが、この記述には「完全分解洗浄オプションを付けた場合」という注記が付いている。
ドラム式についても同様で、同社は「完全分解洗浄オプションを付けた場合は洗濯機を分解しパーツごとに洗浄します」としている。
つまり基本メニューは、槽を外さない洗浄である可能性がある。カビの多くは槽の裏側にあるので、ここが依頼の目的なら確認が要る。
確認する質問は具体的にしたい。「洗濯槽(内槽)を外しますか」——これが最も誤解のない聞き方になる。
古い洗濯機では、分解自体が成立しないことがある。おそうじ革命は3つのパターンを挙げている。
- ボルトが固着している——「使用年数の経過した洗濯機の中には、洗濯槽を固定するボルト類が固着し、分解できないものがあります。その場合は、洗濯槽を固定したままの洗浄となります」。料金は同じで、作業内容が下がる
- ネジが錆びている——「稀にネジ部分が錆び等で固着し、分解できない場合がございます。その場合は作業ができかねますが、料金は同料金の他清掃メニューにて相殺させていただきますのでご安心ください」。別メニューへの振り替えになる
- すでに不調がある——「取り外しができない、異音がする、動作確認が取れない等の場合、作業を中止させていただく場合がございます」
頼む前に確認したい条件
分解洗浄は作業スペースと設置環境の条件が厳しい。おそうじ革命が挙げているものを整理する。
- 移動できるか——「分解作業のスペースが必要となるため、洗濯機を30~50cmほど手前に移動できない場合はお断りさせていただく場合がございます」
- 上の乾燥機——「乾燥機が洗濯機の上にステーで固定されている場合は、作業を承ることができません」
- 容量——「9kg以上の洗濯機の場合、機種によってはお請けできない場合がございます」
- タイプ——同社は「■ドラム式 ■二槽式 ■海外製の洗濯機(斜めドラム)」を分解クリーニングの対象外としている
だから同社は「ご予約時に洗濯機の型式をお知らせください」としている。型式を伝えれば、事前に可否が判断できる。
そこまで必要かの判断
分解洗浄は1〜2万円台の費用がかかる。先に自分でできる範囲を試すほうが無駄がない。
日立は槽洗浄について「1回の槽洗浄で汚れが落としきれなかった場合は、何度か槽洗浄を繰り返してください」としている。繰り返す前提で設計されているということだ。
使うのは塩素系で、同社は洗濯槽用クリーナーのほか衣類用の塩素系漂白剤(ハイターなど)も使えるとしている。1回数百円で試せるので、まずここから始めたい。
分解洗浄を検討する段階は次のようになる。
- 槽洗浄を複数回やっても黒いカスが出続ける
- 洗浄直後は改善するが、数日で臭いが戻る
- 洗濯物に汚れが付着するようになった
いずれも槽の裏側に汚れが固着しているサインで、クリーナーが届かない場所にある。ここは外して洗うしかない。

おそうじ革命の手順が作業前と作業後の両方で動作確認を入れているのは、この不安に対応するためだろう。作業前の状態が記録されるので、元から不調だったのか作業によるものかを切り分けられる。
実際、同社は「取り外しができない、異音がする、動作確認が取れない等の場合、作業を中止させていただく場合がございます」としている。異常があれば分解に進まないという判断がされる。
それでも心配なら、補償の条件を先に確認するとよい。ハウスクリーニング各社は責任保険や補償制度を持っているが、申し出の期限や年式の条件がある。洗濯機については製造からの経過年数が条件に入ることがあるので、古い機種ほど確認しておきたい。
10年近く使っている洗濯機なら、クリーニング費用と買い替えを比べるという判断も現実的になる。分解洗浄に2万円台を出すより、その分を次の1台に回すほうが合理的な場合がある。
よくある質問
「分解洗浄」と「完全分解洗浄」は何が違いますか?
洗濯槽(内槽)を外すかどうかが主な違いです。おそうじ本舗は「洗濯槽や脱水槽、パルセーターなどのパーツを分解して、ひとつひとつ徹底洗浄」という説明に「完全分解洗浄オプションを付けた場合」と注記しています。基本メニューでは槽を外さない可能性があるため、「洗濯槽(内槽)を外しますか」と具体的に確認してください。
分解できない場合はどうなりますか?
おそうじ革命は2つのパターンを示しています。ボルトが固着している場合は「洗濯槽を固定したままの洗浄となります」——料金は同じで作業内容が下がります。ネジが錆びて分解できない場合は「作業ができかねますが、料金は同料金の他清掃メニューにて相殺」——別メニューへの振り替えになります。使用年数が長いほど、この可能性が上がります。
分解洗浄はいつ頼むべきですか?
槽洗浄を繰り返しても改善しなくなったときです。日立は「1回の槽洗浄で汚れが落としきれなかった場合は、何度か槽洗浄を繰り返してください」としており、まずこれを試すのが順当です。複数回やっても黒いカスが出る、数日で臭いが戻る、洗濯物に汚れが付く——という段階になれば、槽の裏側に固着しているため分解が必要になります。
まとめ
- 作業は動作確認 → 分解 → 洗浄 → 組み立て・動作確認の4段階
- おそうじ革命の表現は「分解できるところまで」——機種と状態で範囲が変わる
- 「完全分解洗浄」はオプションのことがある(おそうじ本舗)。基本は槽を外さない可能性
- 確認するなら「洗濯槽(内槽)を外しますか」と具体的に聞く
- ボルト固着で分解できない場合は、槽を固定したままの洗浄に切り替わる
- ネジの錆びで作業不可なら、別メニューへの振り替えになる
- 異音・動作確認が取れない場合は中止。すでに不調なら修理・買い替えの判断が先
- まず塩素系クリーナーでの槽洗浄を複数回試す。それで戻らなければ分解の出番









