庭に芝を敷こうと思ったとき、最初にぶつかるのが「人工芝にするか天然芝にするか」という問題です。うちも実家の庭をDIYするとき、父とかなり議論しました。結論から言うと人工芝を選んだんですが、天然芝にも良いところはあります。費用・手入れ・見た目・耐久性など、判断に必要な情報をまとめたので、参考にしてみてください。


人工芝と天然芝の基本的な違い
人工芝はポリエチレンなどの合成樹脂で作られた芝、天然芝は生きた植物。この違いが費用から手入れまで全部に影響してきます。
ざっくり言うと、人工芝は「敷いたらほぼ放置で一年中きれいな緑」、天然芝は「手間はかかるけど本物ならではの質感と香りがある」という感じ。どっちが正解というわけではなく、自分のライフスタイルに合う方を選ぶのがポイントです。
| 比較項目 | 人工芝 | 天然芝 |
|---|---|---|
| 素材 | ポリエチレン等の合成樹脂 | 生きた植物(高麗芝・TM9等) |
| 初期費用(1㎡) | 3,000〜9,000円 | 500〜2,000円 |
| 年間維持費 | ほぼゼロ | 1.5万〜3万円 |
| 手入れ頻度 | 年数回(ブラッシング程度) | 週1〜毎日(季節による) |
| 見た目 | 一年中緑 | 冬は茶色く枯れる |
| 耐用年数 | 7〜10年(張り替え要) | 管理すれば半永久 |
| 夏場の表面温度 | 60℃前後(素足NG) | 気温+数℃(蒸散で冷却) |

費用の比較
費用面は「初期費用」と「維持費」をセットで考えないと判断を間違えます。ここが天然芝と人工芝で大きく違うポイントなんですよね。
初期費用
天然芝は1平米あたり500円〜2,000円程度(芝代+土壌改良)。人工芝は1平米あたり3,000円〜9,000円程度(人工芝+防草シート+下地材)です。初期費用だけ見ると天然芝が圧倒的に安い。うちの20平米の庭で人工芝をDIYしたときは材料費が約5万円でしたが、天然芝なら1〜3万円で済んだはずです。
年間維持費
ただ、ここからが逆転するポイント。天然芝は毎年けっこうお金がかかります。
| 費用項目 | 天然芝(年間) | 人工芝(年間) |
|---|---|---|
| 肥料代 | 3,000〜5,000円 | 0円 |
| 水道代(夏場の水やり) | 5,000〜10,000円 | 0円 |
| 芝刈り機メンテ・買い替え | 2,000〜5,000円 | 0円 |
| 除草剤 | 2,000〜3,000円 | 0円 |
| 目土・エアレーション用品 | 2,000〜5,000円 | 0円 |
| 合計 | 約1.5万〜3万円 | ほぼ0円 |
人工芝の維持費はほぼゼロ。たまにホースで水をかけて汚れを流すくらいです。
10年間のトータルコスト(30平米の庭の場合)
長期で見ると印象がかなり変わります。
| コスト項目 | 天然芝 | 人工芝(DIY) | 人工芝(業者) |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 1.5万〜6万円 | 9万〜27万円 | 24万〜45万円 |
| 10年間の維持費 | 15万〜30万円 | ほぼ0円 | ほぼ0円 |
| 道具代(芝刈り機等) | 2万〜5万円 | 0円 | 0円 |
| 10年間トータル | 約19万〜41万円 | 約9万〜27万円 | 約24万〜45万円 |
DIYで人工芝を敷くなら、10年トータルで天然芝より10万円以上安くなるケースが多いです。業者施工だと天然芝と同程度か少し安い程度。広い庭ほどこの差が開くので、30平米以上あるなら人工芝のコスパ優位はかなり大きいです。
上の表は「最初の10年」の費用です。人工芝の寿命は7〜10年なので、10年目以降は張り替え費用がかかります。天然芝は管理を続ければ半永久的に使えるので、20年・30年スパンで見ると差が縮まります。

手入れの比較
個人的に、人工芝を選んだ一番の理由がこれです。手入れの手間が天と地ほど違います。
| 作業 | 天然芝 | 人工芝 |
|---|---|---|
| 芝刈り | 春〜秋に月1〜2回 | 不要 |
| 水やり | 夏場は毎日 | 不要 |
| 肥料 | 年3〜4回 | 不要 |
| 除草 | 定期的に | ほぼ不要(防草シートあり) |
| エアレーション | 年1〜2回 | 不要 |
| ブラッシング | 不要 | 半年〜年1回 |
| 落ち葉掃除 | 必要 | 必要 |
| 年間作業時間の目安 | 50〜100時間 | 5〜10時間 |
天然芝の管理は「趣味として庭いじりが好き」という方には楽しいと思います。ただ、忙しい方にはかなりの負担です。夏場は毎日の水やりが必要なので、旅行や長期出張で家を空けると枯れるリスクがあります。
人工芝は基本「敷いたら放置」で大丈夫。うちも年に数回ブラッシングする程度で、見た目は施工時とほとんど変わっていません。手間をかけたくない方には圧倒的に人工芝が向いています。

見た目の比較
天然芝は季節で色が変わります。春〜秋は鮮やかな緑ですが、冬場は茶色く枯れます。これを「四季を感じられていい」と思えるか、「冬の枯れた庭はちょっと…」と思うかは完全に好みの問題です。
人工芝は一年中同じ緑。最近の製品はかなりリアルで、枯れ草色の芝を混ぜたりC型断面を採用したりして、天然芝と見間違えるレベルのものもあります。
あと、天然芝は日当たりが悪い場所だと育ちにくく、日陰部分がまだらに薄くなったりします。人工芝なら日当たりを問わず均一な緑を保てるので、日陰が多い庭には特に人工芝が合っています。
人工芝はプラスチック素材なので、真夏の直射日光で表面温度が60℃前後まで上がることがあります。素足で歩くとやけどのリスクがあるので、遮熱タイプの人工芝を選ぶか、打ち水で対策しましょう。天然芝は植物の蒸散作用で表面温度が抑えられるため、夏場の快適さでは天然芝に軍配が上がります。

耐久性の比較
天然芝はちゃんと管理すれば半永久的に生え続けます。ただ「ちゃんと管理すれば」がポイントで、放置すると枯れます。よく歩く通路部分はすり減って禿げてくるので、部分的な張り替えが必要になることも。
人工芝の寿命は一般的に7〜10年。そのあとは張り替えが必要です。ただ、品質の良い製品を選んで丁寧に施工すれば10年以上持つケースもあります。うちはまだ施工から日が浅いですが、今のところ劣化の兆候はゼロです。

天然芝を選ぶなら知っておきたい品種の違い
天然芝にも種類があります。一般家庭の庭で使われる日本芝(暖地型)の主な3品種を比較しました。
| 品種 | 高麗芝 | 姫高麗芝 | TM9 |
|---|---|---|---|
| 開発元 | 在来種 | 高麗芝の改良品種 | トヨタ自動車(トヨタルーフガーデン) |
| 葉の細さ | 普通 | 細い・緻密 | 高麗芝と同程度 |
| 芝刈り頻度 | 夏場は週1回 | 夏場は週1回 | 夏場でも年2〜3回でOK |
| 草丈 | 約14cm(放置時) | 約14cm(放置時) | 約6cm(放置時) |
| 価格目安(1㎡) | 300〜600円 | 500〜800円 | 800〜1,500円 |
| 踏圧への強さ | 強い | やや弱い | 強い |
TM9はトヨタが開発した省管理型の高麗芝で、草丈が従来の半分以下(約6cm)しか伸びません。芝刈りが夏でも年2〜3回で済むため、「天然芝の質感は欲しいけど手入れは嫌」という方に向いています。価格は高麗芝の約2倍ですが、芝刈りの手間を考えると十分元が取れます。

メリット・デメリットまとめ
ここまでの内容を踏まえて、人工芝と天然芝のメリット・デメリットを整理します。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 人工芝 | ・手入れほぼ不要 ・一年中きれいな緑 ・日陰でもOK ・虫・泥はねが少ない ・10年トータルで安い(DIY時) | ・初期費用が高い ・夏場に高温(60℃前後) ・7〜10年で張り替えが必要 ・プラスチック素材(環境面) ・天然の香り・質感はない |
| 天然芝 | ・初期費用が安い ・四季の変化を楽しめる ・夏場も涼しい(蒸散作用) ・環境にやさしい ・管理すれば半永久 | ・芝刈り・水やり等の手間大 ・冬は枯れて茶色くなる ・日陰だと育ちにくい ・年間1.5万〜3万円の維持費 ・虫・病気のリスクあり |
環境・用途別のおすすめ
「結局どっちがいいの?」という方のために、ライフスタイル別の判断基準をまとめました。
| あなたの状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 庭の手入れに時間をかけたくない | 人工芝 | 年間作業5〜10時間で済む |
| 日当たりの悪い庭 | 人工芝 | 天然芝は日陰で育ちにくい |
| 子供やペットの遊び場にしたい | 人工芝 | 泥はね・虫が少なく衛生的 |
| 旅行・出張で家を空けることが多い | 人工芝 | 水やり不要で枯れない |
| 庭いじりが趣味 | 天然芝 | 育てる楽しみがある |
| 初期費用をとにかく抑えたい | 天然芝 | 1㎡あたり500〜2,000円 |
| 夏に裸足で遊びたい | 天然芝 | 人工芝は夏に高温になる |
| ベランダ・屋上に敷きたい | 人工芝 | 土がなくても施工できる |

よくある質問
Q. 天然芝から人工芝に切り替えられる?
A. できます。天然芝を撤去・除草してから人工芝を施工する流れです。業者に頼めば撤去から施工まで一貫で対応してもらえます。天然芝の撤去費用は1平米あたり500〜1,000円程度が相場です。
Q. 子供が遊ぶ庭にはどっちがいい?
A. 衛生面と管理のしやすさで言えば人工芝が有利です。天然芝は泥はねや虫が気になりますが、クッション性と転倒時の安全性は高い。人工芝でも芝丈35mm以上・高密度の製品を選べば子供の遊び場に十分使えます。ただし夏場は表面が熱くなるので、遮熱タイプを選ぶか打ち水で対策しましょう。
Q. 天然芝は冬にどうなる?
A. 日本で一般的な高麗芝やTM9などの暖地型芝は、11月頃から休眠期に入り茶色く枯れたような見た目になります。春になるとまた緑に戻るので枯れたわけではありません。冬も緑が欲しい場合は人工芝か、オーバーシーディング(冬に寒地型芝の種を蒔く方法)で対応できます。
Q. 人工芝と天然芝を組み合わせることはできる?
A. できます。日当たりの良い庭部分は天然芝、日陰や通路部分は人工芝という使い分けをしている方もいます。それぞれの長所を活かせますが、境目の処理(見切り材で仕切る等)は必要です。
まとめ
- 初期費用は天然芝が安いが、DIY人工芝なら10年トータルで10万円以上お得になるケースが多い
- 手入れの差は圧倒的:天然芝は年50〜100時間、人工芝は年5〜10時間
- 天然芝は夏場涼しいが冬に枯れる。人工芝は一年中緑だが夏に高温になる
- 天然芝を選ぶならTM9がおすすめ(芝刈り年2〜3回で済む省管理型)
- 手入れに時間を取れない方・日陰の庭には人工芝がおすすめ
- 庭いじりが趣味・夏に裸足で遊びたい方には天然芝がおすすめ
どちらを選ぶにしても、仕上がりの満足度を左右するのは施工の質です。特に人工芝は下地処理と防草シートの敷き方が命なので、DIYでやるにしても業者に頼むにしても、ここだけは手を抜かないのが大事です。


















