柄が割れた、切れ味が戻らない、いい包丁に買い替えた。包丁の捨て方は、ごみ袋に入れるのをためらう道具の代表格です。押さえておきたいのは、包丁は「厚紙や新聞紙で刃を包み、外から見えるように『危険』『キケン』と書いて出す」のが全国共通の作法で、分別区分だけが自治体ごとに違うということ。しかも刃物を外に持ち歩くことには、法律上の制限があります。この記事では、区分の違いと持ち運びの注意点をまとめました。
| 自治体 | 金属製包丁の区分 | 出し方の指示 |
|---|---|---|
| 横浜市 | 小さな金属類 | 新聞紙等に包み品名を表示。柄を含めずに30cm以上は粗大ごみ |
| 神戸市 | 燃えないごみ | 紙にくるんで指定袋に入れ「キケン」と貼る |
| 宇都宮市 | 危険ごみ(その他危険ごみ) | 刃の部分を紙やぼろ布で包む |
包丁の分別区分は自治体で3通りに分かれる
同じ金属製の包丁でも、行き先が違います。横浜市のごみ分別辞典では包丁(金属製)は「小さな金属類」で、柄を含めずに30cm以上のものは粗大ごみへ回ります。セラミック包丁は金属ではないので燃えないごみです。
神戸市は燃えないごみに含めており、「ガラス、陶器類、包丁、ナイフ、フォークなどは紙にくるんで指定袋に入れて外からわかるように指定袋に「キケン」と貼って出してください。」と案内しています。他の燃えないごみと別袋にする必要はない、という補足まで書かれているのが親切です。
宇都宮市は「危険ごみ」という独立した区分を設けており、「刃物類の刃の部分は、収集のときに作業員が怪我をする恐れがあるため、紙やぼろ布で包んでください。」としています。蛍光管やスプレー缶と同じ日に出す仕組みです。
要するに、包み方の指示は3市とも同じで、袋の種類と収集日だけが違います。自分の市の呼び方が「小さな金属類」なのか「燃えないごみ」なのか「危険ごみ」なのか、それだけ確認すれば足ります。
包み方を守らないと、実際にけが人が出ている
足利市は2026年4月に発生した事故を公表しています。同市は「鋭利な包丁(刃先がごみ袋を突き破り、作業員が大けがをしました。)」と経緯を説明し、割れたガラス製品や刃物を出す場合は「新聞紙や紙袋でしっかり包み、「危険」と明記」するよう求めています。
ごみ袋は刃物を止められません。包むのは形式ではなく、袋を突き破らせないための処置です。
包み方に決まった正解はありませんが、実務的には「刃を段ボールや厚紙で挟む」「その上から新聞紙を巻いてテープで留める」「油性ペンで危険と書く」の3手順で足ります。刃先が紙を突き破らないよう、先端側を厚めにするのがこつです。
ノコギリ・カッターなど他の刃物も同じ扱い
包丁以外の刃物も基本は同じで、サイズだけが問題になります。横浜市ではのこぎりは粗大ごみで、30cm未満のものは小さな金属類へ回ります。砥石は燃えないごみ、金属製の砥ぎ棒は小さな金属類。刃物という理由で特別扱いされるのではなく、素材と長さで区分が決まっています。
カッターの刃やかみそりの替刃のような小さいものほど、袋の中で散らばって危険になります。空き瓶や缶に入れて口を塞ぐ、という方法を案内している自治体もあるので、自分の市のルールを見ておきたいところです。
メーカーの回収サービスという選択肢
刃物メーカーが自社製品を引き取る仕組みもあります。貝印は公式オンラインストアで包丁回収サービスを実施しており、同社製の包丁を指定住所へ送ると、公式ストアで使える20%OFFの割引コードが発行されます。割引コードは5,500円(税込)以上の買い物に使え、ひとり1回まで。対象はペティ・三徳・牛刀のほか和包丁や中華包丁、パン切りナイフ、果物ナイフで、ハサミやカッターナイフ、砥石は対象外です。
ただし送料は自己負担で、着払いは受け取ってもらえません。同社は「包丁は必ず新聞紙などで包んでから発送をお願いします。裸のまま発送された場合、非常に危険です。」と注意しています。処分費を浮かせる目的というより、買い替えとセットで使う仕組みと考えたほうがいいです。
なお貝印は、回収した刃物を鉄鋼メーカーの電気炉でステンレスへ再資源化する取り組みも公表しており、「2024年6月から毎月150kg程度の樹脂付きのステンレス刃物鋼を鉄鋼メーカーの電気炉でステンレスに再資源化し、貝印で材料として使用しています。」としています。
捨てる場所まで持ち運ぶときの法律上の注意
店やメーカーに持ち込む場合、包丁を持って外を歩くことになります。ここに法律の制限があります。警視庁の解説によれば、銃砲刀剣類所持等取締法第22条は刃体の長さが6cmを超える刃物を正当な理由なく携帯することを禁じており、「これに違反した場合は2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金を設けています。」とされています。6cm以下であっても軽犯罪法第1条2号の対象になりえます。
同庁は正当な理由の例として「店から刃物を購入して自宅に持ち帰るような場合等をいいます。」と挙げています。処分のために運ぶ場合について明示した記述は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。実務上は、包装したまま袋に入れて寄り道せずに運ぶ、というのが安全な運用になります。宅配便で送るなら、持ち歩き自体が発生しません。
よくある質問
包丁は燃えないごみでいいのですか?
自治体によって違います。神戸市は燃えないごみ、横浜市は小さな金属類、宇都宮市は危険ごみという別区分でした。ただし包み方の指示は3市とも共通で、紙で包んで外から分かるように表示するよう求めています。まずは自分の市の分別辞典で「包丁」を引いてみてください。
包丁は何にくるんで捨てればいいですか?
新聞紙や厚紙、ぼろ布が一般的です。宇都宮市は紙やぼろ布、足利市は新聞紙や紙袋、神戸市は紙にくるむよう案内しています。刃先が袋を突き破らないよう、厚紙で刃を挟んでから新聞紙で巻き、テープで固定するのが確実です。そのうえで「危険」と明記します。
切れなくなっただけの包丁でも捨てるしかありませんか?
研げば戻るものも多いです。ただし柄が割れている、刃が欠けている、錆が深いといった状態なら処分の判断になります。買い替えるなら、貝印のように自社製品の回収サービスを用意しているメーカーもあるので、購入予定のブランドに同様の仕組みがないか確認する価値はあります。

まとめ
包丁の分別区分は、小さな金属類・燃えないごみ・危険ごみのいずれかに分かれます。どの自治体でも共通しているのは、刃を紙で包み、外から見えるように危険と表示すること。足利市では実際に、むき出しの包丁で収集作業員が負傷しています。
買い替えとセットなら、メーカーの回収サービスも選択肢になります。持ち込む場合は、刃体6cmを超える刃物の携帯に法律上の制限がある点を頭に入れて、包装したまま最短で運ぶのが無難です。








