作業が終わって見てみたら、汚れが残っている——このとき知っておきたいのは、「きれいにならなかった」は損害賠償の対象にならないという点だ。くらしのマーケットの補償制度は「補償適用外となります。当補償制度は、作業が原因で生じた損害が対象です」と明記している。つまり仕上がりの不満と、作業による破損は別の話になる。この記事では線引きと、実際に取れる手順を整理する。
| 状況 | 扱い | 動き方 |
|---|---|---|
| 汚れが残っている | 補償対象外 | 店舗と直接話す |
| 作業で壊れた・傷ついた | 補償の対象 | まず店舗へ連絡 |
| 店舗と連絡がつかない | 事実確認できず補償不可 | 運営に問い合わせる |
「きれいにならなかった」は補償の対象外
くらしのマーケットは補償制度のQ&Aで、次のように明示している。
質問:「ハウスクリーニングをお願いしましたがきれいになりませんでした。補償してもらうことはできますか?」
回答:「補償適用外となります。当補償制度は、作業が原因で生じた損害が対象です」
補償制度そのものは手厚い。同サイトは「くらしのマーケット経由で予約をした作業で問題が発生した場合、修理にかかる費用などを、最高1億円 ※2 まで補償します」としており、「くらしのマーケットの予約すべてが対象。保険料はかかりません」とある。
ただし対象は「事故」だ。同サイトは「主に以下3つの、出店者が発生させた対人・対物事故を補償します。 1. 作業中の事故 2. 作業後の事故 3. 預け物の保管中の事故」としている。
仕上がりの満足度は「事故」ではない——ここが理解の分かれ目になる。
同サイトが挙げている例です。
- 「エアコンクリーニング作業中に、店舗の不注意により、お客様の自宅の内装や家具が濡れてしまった。」
- 「外壁塗装中に、店舗がペンキ缶を落下させお客様がケガをしてしまった。」
- 「畳張替えにあたって一時的に店舗に預けていた畳が、店舗の不注意による火災で焼失してしまった。」
いずれも「作業によって新たな損害が生じた」ケースです。汚れが残っていることは、これに当たりません。
では仕上がりに不満があるときはどうするか
くらしのマーケットは、補償が使えない場合の道筋も示している。
「当補償制度が適用できない場合でも、店舗が他の方法で解決策を提示できる場合がございます。店舗とお話し合いの上、解決をお願いします」
まず店舗と直接話す——これが正規の手順になる。再作業や一部返金といった対応は、店舗の判断で提示されうる。
話すときは、感情ではなく事実を並べるのが有効だ。
- 作業前・作業後の写真——同じ場所を同じ角度で
- 予約時に定められていた作業内容——共通の作業内容に照らして、抜けがあるか
- 事前に伝えた要望——メッセージのやり取りが残っていれば根拠になる
特に2番が重要になる。くらしのマーケットは各カテゴリで「くらしのマーケットでは、必須の作業内容を設けています。表示されている料金は、上記の作業内容を含みます」としている。リストにある箇所が手つかずなら、それは主観ではなく事実だ。
前提として、プロでも落とせない汚れは存在します。壁紙メーカーの東リはタバコのヤニについて「洗剤や除去剤については、当社でも色々と試してみたのですが、普通の壁紙では、どんな薬剤や洗剤をつかっても取り除くことができませんでした」としています。
素材に染み込んだ変色、腐食したステンレス、削れたコーティング——これらは洗って戻る種類の汚れではありません。見積もり時に「どこまで落ちる見込みか」を確認しておくと、認識のズレを防げます。
破損があった場合の手順
仕上がりではなく、作業で何かが壊れた場合は補償の対象になる。くらしのマーケットの流れは4段階だ。
- 「お客様は、作業を実施した店舗へ事故の発生と事故の状況について連絡してください」
- 「お客様から連絡を受けた店舗は、事故報告窓口(引受保険会社(三井住友海上火災保険株式会社)およびくらしのマーケット)に連絡をします」
- 「引受保険会社(三井住友海上火災保険株式会社)にて審査をし、補償適用可否を判断します。現地調査などにご協力ください」
- 「店舗から、補償内容についてお客様に連絡が入ります」
起点は必ず店舗への連絡になる。運営に直接言っても、この流れには乗らない。
店舗が応じない場合の受け皿もある。同サイトは「店舗と連絡がとれませんと事故の事実確認がとれないため、補償ができません。店舗へ連絡がつながらない場合は、 ヘルプページのお問い合わせ よりご連絡ください」とし、「該当の店舗に対して対応するように当社からの連絡や情報開示のご協力をいたします」としている。
なお対象外のケースも定められている。たとえば「自動車、原動機付自転車等による事故」や、「作業後に発見された事故のうち、事故の原因となった作業が加えられた財物」などが挙げられている。
そもそもトラブルを避ける頼み方
くらしのマーケットは業者選びのポイントとして「色々なプロを比較し、料金が極端に高い、あるいは安いハウスクリーニングの場合は、オプションや作業内容を確認しましょう」としている。
また「口コミも要チェックポイントです。サービスを利用したユーザーの生の声を聞くことで、評判の良さや苦情の有無を確認することができます」とも。
事前に伝えるべきことも決まっている。キッチンなら「汚れの度合いやキッチンの広さを事前に伝えておくと、予定外に追加料金が発生することを防げます」、トイレなら「掃除内容によっては追加料金が発生する場合もあるので、トラブル回避のためにあらかじめ掃除の内容を確認しましょう」とされている。
「言っていなかった」を減らすことが、そのまま「思っていたのと違う」を減らすことになる。

その場で確認するのが最善だ。作業員がいるうちなら、その場で手直ししてもらえる可能性が高い。
作業完了時に一緒に見て回り、気になる箇所を指させばいい。「終わりました」で送り出してからでは、再訪の手配が必要になる。
ただし、その場で気づけない箇所もある。エプロン内部や洗濯槽の裏など、閉じてしまえば見えない場所だ。作業前後の写真を撮ってもらえるか、依頼時に聞いておくと安心になる。
次に頼むときは、口コミの中身まで読みたい。件数や星の数より、「どこをどう作業したか」が具体的に書かれているレビューのほうが判断材料になる。同じ設備・同じ汚れ方の事例が見つかれば、期待値の調整もしやすい。
よくある質問
ハウスクリーニングで汚れが残っていた場合、返金してもらえますか?
補償制度の対象にはなりません。くらしのマーケットは「ハウスクリーニングをお願いしましたがきれいになりませんでした。補償してもらうことはできますか?」という質問に対し、「補償適用外となります。当補償制度は、作業が原因で生じた損害が対象です」と回答しています。ただし「当補償制度が適用できない場合でも、店舗が他の方法で解決策を提示できる場合がございます。店舗とお話し合いの上、解決をお願いします」ともされており、まず店舗と直接話すのが手順になります。
作業中に家具を壊された場合はどうすればいいですか?
まず作業を実施した店舗に連絡してください。くらしのマーケットの流れは、①お客様から店舗へ連絡 →②店舗から事故報告窓口(引受保険会社およびくらしのマーケット)へ連絡 →③保険会社による審査 →④店舗からお客様へ連絡、です。起点は必ず店舗で、同サイトは「店舗と連絡がとれませんと事故の事実確認がとれないため、補償ができません」としています。連絡がつかない場合はヘルプページから運営に問い合わせます。
プロに頼んでも落ちない汚れはありますか?
あります。たとえば壁紙のタバコのヤニについて、東リは「普通の壁紙では、どんな薬剤や洗剤をつかっても取り除くことができませんでした」としています。素材に染み込んだ変色や、腐食・傷は洗浄では戻りません。見積もりの段階で「どこまで落ちる見込みか」を確認しておくと、仕上がりへの期待値がずれずに済みます。
まとめ
- 「きれいにならなかった」は補償対象外——対象は作業が原因の損害
- 破損・汚損は最高1億円の補償の対象になりうる
- 補償の流れは店舗へ連絡 → 保険会社の審査。起点は必ず店舗
- 店舗と連絡がつかないと事実確認できず補償不可。運営に問い合わせる
- 仕上がり不満は店舗との話し合い。再作業などの提示がありうる
- 根拠は写真・共通の作業内容・やり取りの記録
- プロでも落ちない汚れがある。見積もり時に見込みを確認
- できれば作業当日その場で一緒に確認する









