フローリングが黒ずんできた、歩くとベタつく——この正体は皮脂汚れであることが多い。しかも厄介なのは、皮脂そのものより、皮脂が接着剤の役割をしてホコリを固めてしまう点にある。落とすには床用クリーナーが有効だが、ワックスが塗ってある床では使えないという条件がある。この記事では原因と、床を傷めない落とし方を整理する。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1. 日常 | 掃除機 → 乾いた雑巾でカラ拭き |
| 2. 落ちないとき | 固く絞った雑巾で拭き、そのあとカラ拭き |
| 3. 皮脂汚れ | 床用クリーナー(ワックスが塗ってある床では不可) |
| 禁止 | スチーム洗浄機——膨れ・ヒビワレ・変色のおそれ |
黒ずみの正体は「皮脂+ホコリ」
朝日ウッドテックは皮脂汚れについて「人が日常生活をする中で手や足などがフローリングに接触した時に付着する、人体の皮脂腺から分泌される脂分による汚れです」と説明している。
問題はその先だ。同社は「皮脂汚れを長期間放置すると、皮脂が接着剤のような役割をしてしまいチリやホコリなどが一緒になって頑固な汚れに変化してしまいます」としている。
皮脂が糊になって、ホコリを床に貼り付ける——これが黒ずみの正体になる。だから掃除機をかけても取れず、乾いた雑巾でも動かない。
発生しやすいのは素足で歩く場所だ。ソファやベッドのまわり、キッチンの立ち位置、廊下の中央——人がよく通る動線が黒くなるのは、そこに皮脂が多く付くからである。
同社は対策として「そうなる前に定期的にクリーナー等で除去することをお薦めします」としている。固まる前に落とすのが基本方針だ。
まずは水拭きまで。手順には順序がある
いきなりクリーナーに進まないほうがいい。同社の日常の手入れは次の順序になっている。
「掃除機で床表面のゴミやホコリを取り除き、乾いた雑巾やモップでカラ拭きしてください」
それで落ちない場合が次の段階だ。「カラ拭きで落ちない汚れは、水で濡らして固く絞った雑巾で取り除き、使用後はカラ拭きしてください」
ここに条件がつく。「雑巾はよく絞ってお使いください。水気が残るような雑巾がけは避けてください」——木は水を吸うので、濡れたまま放置すると別の問題が起きる。
水拭きのあとに必ずカラ拭きという順序も守りたい。拭いて終わりではない。
床用クリーナーは「ワックスがない床」限定
水拭きで落ちない皮脂汚れには、床専用のクリーナーが用意されている。ただし使用条件がある。
朝日ウッドテックは「ワックスが塗布されていない場合に限ります。ワックスが塗布されていると、クリーナーでワックスを剥がしてしまい、ムラになります」としている。
ワックスをかけている床では、クリーナーが黒ずみではなくワックスを溶かすということだ。結果としてムラになり、見た目が悪化する。
使う場合の手順も細かく指定されている。
- 「皮脂で汚れた床。床のホコリ等を取り除きます」
- 「床用洗剤を含ませた雑巾で拭きます」——「クリーナーを直接床にまかないでください」
- 「きれいに水洗いした雑巾等で水拭きを2回以上くり返し、完全にクリーナー成分を拭き取ります」
- 「床が完全に乾くまで放置します」
3番の「2回以上」が重要だ。同社は「クリーナー成分が残っている場合は、床が変色する又は艶が変わる場合があります」としている。落とすつもりが、変色を招くことになりかねない。
頑固な場合の追加手順もある。「頑固な汚れの場合はクリーナーをつけた雑巾で拭いた後、5分程放置し、水拭きしてください」——力ではなく時間で落とすという考え方だ。
- スチーム洗浄機——朝日ウッドテックは「スチーム洗浄機の使用は控えてください。熱や水分により、フローリングに突き上げ、膨れ、ヒビワレ、カビ、変色、白化などを生じるおそれがあります」としている。黒ずみが落ちても床が波打つことになりかねない
- 化学雑巾・化学モップ(条件つき)——同社は「ご使用される場合は、水濡れ箇所や、ワックスがけの前後には絶対に使用しないでください。また、長時間床の上に置かないでください。変色を起こすおそれがあります」としている
- フローリングワイパーのウェットタイプ(使い方に注意)——「使用後に洗剤成分が残らないように、もし見えて残っている場合はよく絞った雑巾で拭き取ってください。また長時間、床の上に置きっぱなしにしないでください」
- 滑りにくい床材では化学モップ類を避ける——「化学モップ・化学雑巾・フローリングワイパー(ドライタイプ)を使用すると、含まれる成分によって本来の滑り性能が発揮されなくなります」。ペット用や水まわり用の床材が該当する
ワックスをかけるかどうか
黒ずみ対策としてワックスを考える人もいるが、床材によっては不要、あるいは逆効果になる。
朝日ウッドテックは自社製品について「当社床材のワックスがけは必要ありませんが、希望される場合はワックスがけが可能です」としたうえで、「但し、フロアの表面がワックスの被膜となるため、傷の付きにくさ、抗菌・抗ウイルス性等の塗膜性能が発揮されなくなります」としている。
床がもともと持っている性能を、ワックスが覆い隠してしまうということだ。さらに「ワックスを保つには定期的なワックスがけが必要になります」——一度かけると続ける必要が出てくる。
かけられない床材もある。同社は「防滑塗装品およびサニタリー用フローリングにはワックスはかけられません」としている。
まず自分の床がワックス不要タイプかを確認する——これが黒ずみ対策の前提になる。ワックスの有無で、使えるクリーナーも変わるからだ。

判断がつかないうちは、水拭きまでにとどめるのが安全だ。固く絞った雑巾での水拭きは、ワックスの有無にかかわらず認められている方法になる。
確認したいなら、目立たない場所で試す方法がある。クリーナーを少量つけた布で隅を拭いてみて、布に白っぽいものが付けばワックスが溶けている可能性が高い。
より確実なのは入居時の書類や、建物の仕様を確認することだ。新築や築浅なら、ワックス不要の床材が使われていることが多い。賃貸なら管理会社に聞けば分かる。
それでも黒ずみが取れない、範囲が広いという場合は、フロアクリーニングを一度入れるのも選択肢になる。業者なら床材に合わせた洗剤を選べる。
よくある質問
フローリングの黒ずみは何が原因ですか?
皮脂汚れとホコリが結びついたものです。朝日ウッドテックは皮脂汚れを「人体の皮脂腺から分泌される脂分による汚れ」とし、「皮脂汚れを長期間放置すると、皮脂が接着剤のような役割をしてしまいチリやホコリなどが一緒になって頑固な汚れに変化してしまいます」としています。素足で歩く動線が黒くなるのはこのためで、固まる前に落とすのが基本です。
床用クリーナーはどの床にも使えますか?
ワックスが塗ってある床では使えません。朝日ウッドテックは「ワックスが塗布されていない場合に限ります。ワックスが塗布されていると、クリーナーでワックスを剥がしてしまい、ムラになります」としています。使う場合も「クリーナーを直接床にまかないでください」「水拭きを2回以上くり返し、完全にクリーナー成分を拭き取ります」という条件があり、成分が残ると変色や艶の変化を招きます。
スチームクリーナーでフローリングを掃除してもいいですか?
避けてください。朝日ウッドテックは「スチーム洗浄機の使用は控えてください。熱や水分により、フローリングに突き上げ、膨れ、ヒビワレ、カビ、変色、白化などを生じるおそれがあります」としています。汚れが落ちても床材そのものが変形する可能性があり、元に戻せません。
まとめ
- 黒ずみの正体は皮脂が接着剤になってホコリを固めたもの(朝日ウッドテック)
- 順序は掃除機 → カラ拭き → 固く絞った雑巾 → カラ拭き
- 水気を残さない。木は水を吸う
- 床用クリーナーはワックスが塗ってある床では使えない(ワックスを剥がしてムラになる)
- クリーナーは直接床にまかず、雑巾に含ませる。水拭きは2回以上
- 頑固な汚れは5分置いてから水拭き——力ではなく時間で落とす
- スチーム洗浄機は使わない。膨れ・ヒビワレ・変色のおそれ
- ワックスは床が持つ性能を覆う。不要な床材もあるので先に確認する








