S字とクランクは教習中に「もう無理かも」と一度は思う二大難関だ。自分も合宿免許のとき、S字で3回連続脱輪して凹んだ。ただ、コツさえ掴んでしまえば意外とすんなり通れるようになるので、そこまでビビらなくて大丈夫だ。S字は「流すように通る」、クランクは「止まって曲がる」で操作が真逆。この違いとそれぞれの攻略ポイント、脱輪したときの対処法をまとめた。
S字とクランクは操作が真逆
S字は流す、クランクは止まる
S字は一定速度で流れるように、クランクは角の手前でほぼ止まってから曲がる。ここを混ぜるとどちらも失敗する。ハンドルもS字は「じわじわ切って、じわじわ戻す」、クランクは「一気に切って、一気に戻す」で真逆だ。この違いがわかってからは、S字で急ハンドルを切るミスやクランクで速度を出しすぎるミスが減った。
| 項目 | S字 | クランク |
|---|---|---|
| カーブの形 | ゆるやかな曲線 | 直角 |
| 道幅 | 約3.5m | 約3.5m |
| ハンドル操作 | じわじわ切って、じわじわ戻す | 一気に切って、一気に戻す |
| 速度 | 一定速度で流すように通る | 角の手前でほぼ停止→曲がる→進む |
| 重要ポイント | 目線をカーブの出口に送る | 前輪の位置を把握する |

S字の攻略法
外側から入って1mの隙間を保つ
S字で脱輪する原因のほとんどは「進入角度」と「速度」。この2つを押さえればあとは自然とクリアできる。
- 外側に寄って進入する:最初のカーブの外側に車を寄せてから入ると、内輪差の余裕ができる
- 内側のタイヤと縁石の間に1m程度の隙間を保つ:この「1m感覚」が身につけばほぼ脱輪しない
- 目線はカーブの出口に向ける:手前ばかり見ているとハンドル操作が後手に回る
速度はクリープでじわじわ進む
速度はとにかく遅くが鉄則。ゆっくり走れば、ずれても修正する時間が生まれる。MT車は半クラッチ、AT車はクリープ現象を活用してじわじわ進むのがベスト。自分のときもAT車だったので、ブレーキを少しずつ離す感覚で速度調整していた。
ちなみに自分が通ったのは2月の山形で、コースが軽く凍結している日もあった。滑る路面ではクリープでもタイヤが流れるので、ハンドルを切るのも戻すのもいつもよりワンテンポ早め・ゆっくりめを意識すると安定する。冬に雪国の合宿へ行く人は「滑る前提でさらにゆっくり」を頭の片隅に置いておくとよい。
クランクの攻略法
前輪が角の横に来たら切る
クランクで一番大事なのはハンドルを切るタイミング。「前輪が角の横に来たら切る」を覚えれば8割クリアできる。早すぎると内側に寄りすぎ、遅すぎると外側の縁石に乗り上げる。教官にも繰り返し言われるポイントで、最初はタイミングがわからなくても、3〜4回やればだんだん感覚が掴めてくる。
反対側に寄せてから一気に切る
曲がる方向と反対側に車を寄せてから、ハンドルを素早く大きく切る。右に曲がるなら左側に寄せる。曲がる側のスペースを先に作っておくことで、内輪差で後輪が巻き込む余地ができる。S字と違って「一気に切って一気に戻す」が正解だ。

脱輪の仕組みと対処法
原因は内輪差。後輪は約1m内側を通る
S字・クランクで脱輪する原因のほとんどは「内輪差」。後輪は前輪より内側を通る。内輪差とは、ハンドルを切ったときに後輪が前輪より内側を通る現象のことだ。
- 教習車(全長約4.4〜4.5m)の場合、直角に曲がると内輪差は約0.9m
- クランクの直角カーブでは、前輪が通った位置より約1m内側を後輪が通る
- S字では角度が緩やかなので内輪差は小さいが、連続カーブなので油断しやすい
前輪はカーブの外側を大回りさせて、後輪の通るスペースを確保する。この原理を頭で理解しておくとハンドルを切るタイミングの判断が格段に楽になる。
迷ったら止まる。止まれば検定続行
「やばい」と思った瞬間にブレーキを踏む。止まるか止まらないかで、検定の結果が大きく変わる。
- 縁石に乗り上げても、すぐ止まって元に戻れば−20点で検定続行できる
- 乗り上げたまま進む・完全にコースアウトすると「脱輪大」で検定中止
- 切り返しは1回までなら減点なし。2回以上は1回5点の減点対象になる(1回目にさかのぼって数える扱いが一般的)
- ただし同じコースで4回切り返すと「通過不能」で検定中止になる
練習のコツ
3〜4回の教習で感覚は掴める
最初から完璧に通れる人はまずいない。技能はセンスじゃなく反復で何とかなる。
- 3〜4回の教習で感覚がつかめてくるので、最初の1〜2回は失敗しても気にしない
- 教官に「ここでハンドルを切る」と合図してもらい、タイミングを体で覚える
- 脱輪した場所と原因をメモしておくと同じミスを繰り返しにくい
- 速度調整が最重要。ゆっくり走れば修正する時間が生まれる
自分も教習3回目くらいでようやく「こういうことか」とわかった。仮免の学科で1回落ちているくらいで決して器用なタイプではなかったが、S字・クランクは回数をこなすうちに体が勝手に覚えてくれて卒業検定は一発で通った。
車載動画でイメトレする
実車に乗れる時間は限られているので、頭の中で走る回数を増やすのが最短ルートだ。
- 教習後にコースの形を紙に描いて、どこでハンドルを切ったかを書き込む
- YouTube動画で教習車の車内視点のS字・クランク走行を見る(「S字 教習 車載」で検索)
- 寝る前に目を閉じてハンドル操作を含めたコース走行を頭の中で再現する
地味に効果があるのがYouTubeの車載動画だ。合宿の空き時間にスマホで何本か見ておくと、次の教習でハンドル操作のタイミングが掴みやすくなる。運転の基本はJAF(日本自動車連盟)のサイトでも学べる。

よくある質問
S字とクランクはどちらが難しい?
個人差はあるが、一般的にはクランクのほうが難しいと感じる人が多い。S字はゆるやかなカーブなのでハンドル操作を微調整できるが、クランクは直角に曲がるためハンドルを切るタイミングがシビアだ。ただしS字のほうが連続カーブで気を抜けないので「S字のほうが苦手」という人もいる。
検定でS字・クランクを失敗したら不合格?
縁石に乗り上げても、すぐ止まって元に戻れば−20点で検定続行できる。他のミスが少なければ合格ラインの70点は維持できる。ただし乗り上げたまま進んだりコースアウトしたりすると「脱輪大」で検定中止なので、「やばい」と思った瞬間に止まるのが最重要だ。切り返しは1回までなら減点なしなので、無理に突っ込むより一度下がってやり直すほうが安全だ(同じコースで4回切り返すと中止になる点だけ注意)。
AT車とMT車でS字・クランクの難易度は違う?
AT車のほうが楽だ。AT車はクリープ現象で極低速を維持できるので、ハンドル操作に集中しやすい。MT車は半クラッチで速度調整する必要があり、足元の操作が増えるぶんハンドルに意識が回りにくい。MT車の人は「半クラッチで速度を安定させること」を最優先に練習するとよい。
まとめ
- S字は「外側から進入」「内輪差1m確保」「目線は出口」の3点で攻略
- クランクは「前輪が角の横でハンドル」「反対側に寄せる」「素早く切る」がコツ
- 脱輪しそうなら迷わず止まる。すぐ止まって戻れば−20点で済むが、そのまま進むと検定中止
- 内輪差(約0.9m)を理解すれば「なぜ脱輪するか」がわかる
- 3〜4回の教習で感覚が掴める。YouTube車載動画でイメトレも効果的













