北九州市で引っ越しの不用品をまとめて処分したいとき、いきなり業者に見積もりを頼む前に見ておきたい制度がある。引越ごみだ。北九州市は粗大ごみとは別に、一度に多量に出るごみを重量制で収集する仕組みを持っている。結論から書くと、料金は100キロごとに2,300円。1トン出しても2万3千円という計算になる。民間のトラック積み放題と比べる前に、この線を知っておくと判断が早い。
| 項目 | 粗大ごみ | 引越ごみ |
|---|---|---|
| 手数料 | 1個あたり300円・500円・700円・1,000円 | 100キロごとに2,300円(100キロ未満は切り上げ) |
| 申込 | ネット(収集日の3日前まで)・電話(前日まで) | 電話で収集希望日の1週間前まで |
| 収集日 | 地区ごとに月1回 | 認定員の訪問時に決める(月〜金) |
| 出す時間 | 収集日の朝8時30分まで | 収集日の朝8時30分まで |
※受付はいずれも粗大ごみ受付センター(093-513-3005/月〜土9時〜17時・祝日も受付)。出典は北九州市・粗大ごみ・引越ごみ(2026年7月時点で確認)。
北九州市の粗大ごみは4種類の定額。月1回しか来ない
まず通常の粗大ごみから。北九州市の粗大ごみは、粗大ごみとして定められているものと、それ以外で市の指定袋(45リットル)に入らない大きさのものを指す。市は「手数料は、300円、500円、700円、1,000円 の4種類です。」としており、ベッド(シングルまたはセミダブル)は700円、ベッドマット(マットレス)も700円、ベッド(ダブル)は1,000円といった具合に決まっている。
注意したいのは収集日だ。北九州市の粗大ごみの収集日は地区ごとに決められた月1回。申込みはインターネットなら収集日の3日前まで、電話なら前日までだが、そもそも次の収集日が来るのが月に一度しかない。タイミングを逃すと1か月待ちになる。
納付券を貼るほか、インターネット受付ではキャッシュレス決済(PayPay、クレジットカード)も選べる。その場合は納付券の代わりに、一辺20センチメートル程度の紙に受付番号・収集日・品目ごとの金額を油性ペンで書いて貼る。市は「粗大ごみ納付券を貼って、収集日の朝8時30分までに、家の前、または、指示された場所に出してください。」と案内している。
引っ越しなら「引越ごみ」。認定員が来て量を量る
ここが北九州市の独自制度だ。引越などにより一度に多量に出るごみは、粗大ごみとは別の「引越ごみ」として申し込む。市は「通常の粗大ごみの捨て方と異なり、収集前に認定員が訪問して、ごみ量の算定を行い手数料を徴収します。」と説明している。
流れはこうなる。収集希望日の1週間前までに粗大ごみ受付センターへ電話し、あわせて認定員の訪問日を決める。認定員が来てごみを認定し、その場で手数料を支払う。収集日は認定員の訪問時に決められ、希望日に収集してもらえる(月末の一部を除く月〜金)。当日は朝8時30分までに家の前などへ出す。
手数料は「100キロごとに2,300円(100キロ未満は切り上げ)」。100キロ刻みなので、500キロなら11,500円、1トンなら23,000円になる。
市は「認定後にごみの量が減っても手数料はお返しできません。」としている。認定を受ける前に、売れるものや譲れるものを外しておくこと。そしてもうひとつ、引越ごみでは粗大ごみ持ち出しサービスが使えない。部屋の中から玄関の外まではすべて自分で運ぶことになる。ここが業者との分かれ目になる。
「2トン積み放題で6万円」は高いのか
北九州市の相談でよく見るのが、業者に2トントラックの積み放題を提示されて金額の妥当性が判断できない、という話だ。比較材料を並べてみる。
一括見積もりのエコノバは「2トントラックを利用した積み放題サービスの料金相場は5万円から8万円ほどです。」としている。つまり6万円という金額自体は相場の範囲に収まる。一方、市の引越ごみなら1トンで23,000円。数字だけ見れば市のほうが安い。
ただし中身が違う。市の引越ごみは重量で課金し、しかも自分で家の前まで出すのが前提だ。業者の積み放題は容積で決まり、部屋からの搬出・解体・当日対応が含まれる。エレベーターのない4階からタンスを下ろす手間、平日の昼間に認定員の訪問と収集日に立ち会う手間。それを金額に換算して、差額と釣り合うかどうかで決めることになる。退去日が迫っていて平日に動けないなら、業者のほうが合理的なこともある。
許可の種類の違いや、業者を比べるときの見る順番は別記事にまとめている。
自分で運ぶなら急いだほうがいい。9月に値上げ
北九州市の焼却工場は自己搬入を受け付けており、事前予約は不要だ。当日、廃棄物搬入申込書を記入して計量受付で運転免許証などの写真付き証明書を提示する。市は「焼却工場へごみを搬入した場合の手数料は、10キログラムごとに100円です。処分場では品目により料金が異なります。」としている。
ところがこの100円が変わる。市は「北九州市では、安定的なごみ処理体制を維持するとともに、ごみの減量・リサイクルを一層促進するため、北九州市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例(令和8年3月31日公布)の改正に基づき、令和8年9月1日からごみ処理手数料を段階的に改定します。」と告知しており、10キログラムあたりの手数料は現行100円が令和8年9月1日から150円、令和9年9月1日から230円になる。100キロ運べば1,000円だったものが、2年後には2,300円だ。
| 施設 | 所在地 | 平日・土・祝/日曜 |
|---|---|---|
| 新門司工場 | 門司区新門司三丁目79番地 | 6時〜20時/6時〜8時30分・17時〜20時 |
| 日明工場 | 小倉北区西港町96番地の2 | 6時〜17時/6時〜8時30分 |
| 皇后崎工場 | 八幡西区夕原町2番1号 | 6時〜20時/6時〜8時30分・17時〜20時 |
朝6時から受け入れているのが北九州市の特徴だ。仕事前に運び込むという使い方ができる。ただし金物などの不燃粗大ごみは日明工場不燃粗大仮置場でのみ受け入れ、日曜は受け入れていない。
許可業者は区ごとの名簿になっている
業者に頼む場合、北九州市の一般廃棄物収集運搬業許可業者(名簿)で確認できる。この名簿は門司区・小倉北区・小倉南区・若松区・八幡東区・八幡西区・戸畑区の7区ごとにPDFが分かれており、令和8年4月1日現在の内容が掲載されている。
名簿には「収集できる品目」の欄があり、ふん尿を除く一般廃棄物を扱えるA類と、粗大ごみ・木くず・紙くず等に限定されたB類などに分かれている。家庭の不用品をまとめて頼むなら、どの類の許可なのかを見ておきたい。
市は無許可業者についても注意喚起のページを設けており、産業廃棄物収集運搬業の許可番号を記載する、古物商の許可番号を記載する、一般廃棄物収集運搬許可業者と提携とうたう、といった手口を5類型で挙げている。そのうえで「無許可業者(違法な収集を行った事業者)には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、又はこれが併科されます。」としている。
よくある質問
北九州市で2トン積み放題6万円と言われましたが妥当ですか?
相場の範囲には入っている。一括見積もりのエコノバは2トントラックの積み放題の料金相場を5万円から8万円ほどとしている。ただし北九州市には引越ごみという制度があり、こちらは100キロごとに2,300円(100キロ未満は切り上げ)で、1トンなら23,000円という計算になる。市の引越ごみは重量で課金し、家の前まで自分で出す必要があり、持ち出しサービスも使えない。搬出を人にやってもらう分の差額が何万円かを考えて選ぶことになる。
北九州市の引越ごみはどう申し込むのですか?
収集希望日の1週間前までに粗大ごみ受付センター(093-513-3005)へ電話し、あわせて認定員の訪問日を決める。市は通常の粗大ごみの捨て方と異なり、収集前に認定員が訪問してごみ量の算定を行い手数料を徴収すると説明している。収集日は認定員が訪問した際に決め、当日は朝8時30分までに家の前などへ出す。認定後にごみの量が減っても手数料は返金されないため、売却や譲渡を先に済ませてから認定を受けるとよい。
北九州市の焼却工場への持ち込み料金はいつ変わりますか?
令和8年9月1日からだ。北九州市は条例改正に基づき、ごみ処理手数料を10キログラムあたり現行100円から令和8年9月1日に150円、令和9年9月1日に230円へ段階的に改定すると告知している。市が収集する家庭用のごみの指定袋料金には変更がない。自分で運べるものがあるなら、改定前に持ち込んだほうが安く済む。焼却工場は事前予約が不要で、朝6時から受け入れている。

まとめ
北九州市の粗大ごみは1個300円・500円・700円・1,000円の4種類だが、収集日は地区ごとに月1回しかない。引っ越しでまとめて出すなら、100キロごとに2,300円の引越ごみを検討したい。申込みは収集希望日の1週間前までで、認定員が訪問して量を量る。
自分で運べるなら焼却工場への持ち込みが最も安く、予約も不要で朝6時から受け入れている。ただし10キログラムあたりの手数料は令和8年9月1日に150円、令和9年9月1日に230円へ上がる。業者に頼むなら、区ごとに分かれた市の許可業者名簿で品目の類を確かめること。市が引越ごみを重量制で受けている以上、業者の見積もりはその金額と搬出の手間を天秤にかけて判断すればいい。








