不用品回収と買取を同時に頼む|許可の違いと押し買い対策

不用品回収と買取を同時に頼む|許可の違いと押し買い対策

処分したい物のなかに、まだ使える家電やブランド品が混ざっている。まとめて引き取ってもらいながら、値がつくものは買い取ってほしい。結論から書くと、「回収」と「買取」は法律上まったく別の取引で、必要な許可も、適用されるルールも違う。同じ業者が両方を看板に掲げていても、中身は2本立てだと考えたほうがいい。

 回収(処分)買取
必要な許可一般廃棄物収集運搬業(市区町村)古物商(公安委員会)
お金の向きこちらが払うこちらが受け取る
訪問時のルール訪問販売の規定が及ぶ場合がある訪問購入の規定(不招請勧誘の禁止など)
クーリング・オフ書面受領から8日以内書面受領から8日以内

不用品回収と買取は別の許可で動いている

環境省は、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では家庭の廃棄物を回収できないとしたうえで、「産業廃棄物処理業許可は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。古物商の許可は、中古品等の売買を行うための許可です。」と説明している。古物商許可は買うための許可であって、捨てる物を運ぶ許可ではない。

逆に、買い取るほうにも許可が要る。横浜市は遺品整理の案内で「●なお、家財などの買取を行う場合は古物商の許可が必要です。許可の有無については、業者にお尋ねください。」としている。古物営業法第3条が、古物商の営業に都道府県公安委員会の許可を求めている。

したがって、回収と買取を同時に頼むなら、業者に2つの許可があるか(あるいは許可業者と適法に組んでいるか)を確認することになる。実際、パワーセラーの許認可欄には古物商許可の番号と産業廃棄物収集運搬の番号が並び、家庭ごみの処分については「一般廃棄物収集運搬業者および各市町村との業務委託提携により適正に処理します。」と分けて書かれている。

売れる物は先に切り分ける

環境省は「まだ新しく十分使える家電製品は、信用できるリユース(中古)ショップに買い取ってもらいましょう。」とし、Q&Aでも「●中古品を扱うリユースショップ(リサイクルショップ)など、古物商の許可を有し、信用できる業者に中古品としての買取りを依頼してください。」と案内している。処分費用を払う前に、売れるかどうかを見る順番が推奨されている。

出張買取の会社は、査定と出張の費用を無料にしていることが多い。バイセルは「査定料、出張料などの手数料がすべて無料!気軽にご利用いただけます。」としている。送って売る宅配買取も選択肢で、買取王子は「買取王子は送料、振込手数料、買取用の箱の料金などの手数料が無料です!」としている。

訪問買取には「不招請勧誘の禁止」がある

買取の訪問には、特定商取引法の訪問購入というルールが用意されている。消費者庁の特定商取引法ガイドは、事業者の義務として「事業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、相手方の自宅等で売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはいけません。」と記している。頼んでいない訪問での買取勧誘は、そもそも禁止されている。

正規の会社はこの点を明記している。バイセルは安全の取り組みとして「お客様から事前のお問い合わせが無い場合、お電話や訪問は一切いたしません。」としている。

クーリング・オフはどちらにもある

買取の側でも撤回できる。同ガイドは「訪問購入の際、売買契約の相手方が契約を申し込んだり、締結したりした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、相手方は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)をできます。」としている。特定商取引法全体としても「クーリング・オフとは、契約の申込み又は締結の後に、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間内(※)に、無条件で解約することです。」と整理されている。

会社独自の保証を設けている例もある。バイセルは「お客様に安心してご利用頂けるように、バイセルでは出張買取をさせて頂いたお客様に限り、契約日含め8日間以内のお申し出に関して返品保証を実施しております。」としている。

同時に頼むときの段取り

実務的には、買取を先、回収を後にすると無駄がない。値がついた物は回収の量から抜けるので、トラックのサイズが下がることがある。買取王子は「申込点数の制限はありません。1点、1個からご利用いただけます。」としており、少量から試せる。回収の見積もりは、買取の結果が出てから取るほうが精度が上がる。

よくある質問

不用品回収業者に買い取ってもらうこともできますか?

古物商の許可を持つ業者ならできる。パワーセラーはリサイクルショップ運営・出張買取として古物商許可の番号を公開している。ただし、買い取るための許可と廃棄物を運ぶための許可は別なので、処分側の許可も合わせて確認したい。横浜市も、買取を行う場合は古物商の許可が必要だとして、業者に尋ねるよう案内している。

買取に来た業者に断られた物はどうなりますか?

買取が不成立なら、その物は手元に残る。処分するなら回収のルートに移ることになり、そこには一般廃棄物収集運搬業の許可が必要になる。買取業者がそのまま持ち帰る場合は、どの許可に基づく行為なのかを確認したい。

その場で売ると決めなくてもよいですか?

よい。消費者庁のガイドは、訪問購入ではクーリング・オフ期間内は物品の引渡しを拒むことができるとしており、事業者にはその旨を告げる義務があるとしている。書面受領から8日以内であれば申込みの撤回や契約の解除もできる。判断を急かされる場面ほど、いったん止めてよい。

引っ越しのたびに「捨てる」から考え始めていたが、売れる物を先に抜くほうが結局は早いと分かった。

まとめ

不用品回収と買取は、必要な許可も適用されるルールも別だ。回収には市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可、買取には公安委員会の古物商許可が要る。訪問買取には不招請勧誘の禁止や引渡し拒絶権があり、どちらの取引にも書面受領から8日のクーリング・オフがある。

段取りとしては、売れる物を先に抜いてから回収の見積もりを取りたい。量が減れば、そのままトラックのサイズと金額に反映される。

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