実家をたたむ、施設に移る、後を継ぐ人がいない。仏壇をどうするか考えるのは、たいてい他にやることが山積みのタイミングです。費用の見当をつけておくと、仏壇の処分は「自治体の粗大ごみなら数百円〜1,200円台、仏壇店に引き取ってもらうなら2万円前後から」と、選ぶ方法で桁がひとつ変わります。差額は運搬と供養の手間を誰が持つかの違いです。この記事では、それぞれの金額と条件を一次情報で確認しました。
| 方法 | 費用の目安 | 運び出し | 供養 |
|---|---|---|---|
| 自治体の粗大ごみ | 300〜1,200円(自治体による) | 自分 | なし(別途手配) |
| 仏壇店の引き取りサービス | 19,800円〜(3辺合計130cm以下) | 業者 | 合同供養が料金に含まれる例あり |
| 不用品回収・遺品整理 | 2,000〜10,000円(家具扱い) ただし出張の下限8,000〜10,000円あり | 業者 | オプション対応の会社あり |
表の出典:粗大ごみ=福岡市 粗大ごみ品目一覧・川崎市 粗大ごみ処理手数料/仏壇店=はせがわ・滝田商店/不用品回収=国民生活センター(2026年7月時点)。仏壇が粗大ごみか燃やすごみかの分別は横浜市の分別辞典を参照しました。
仏壇は粗大ごみとして出せる自治体が多い
意外に思われますが、仏壇を粗大ごみの品目として明示している自治体は珍しくありません。横浜市のごみ分別辞典では仏壇は粗大ごみで、50cm未満のものは燃やすごみとされています。金属製の仏具は小さな金属類です。
福岡市はさらに細かく、粗大ごみ品目一覧で仏壇(供物台を除く)を高さと横幅で区分しています。高さ1m未満かつ横幅1m未満なら300円、どちらか一方が1m以上なら500円、高さも横幅も1m以上なら1,000円。川崎市は品目ではなく長さで手数料が決まる方式で、「粗大ごみ処理手数料は長さなどにより、300円、600円、1,200円の3区分があります。」と案内しています。内訳を見ると600円は最長辺50cm以上180cm未満のもの、1,200円は最長辺180cm以上のものです。ただし180cm以上でも幅が10cm未満なら600円という例外があるので、細長い仏壇なら1段安く収まることがあります。
収集に来てもらう代わりに、自分で処理施設へ持ち込む方法があります。福岡市は自己搬入の手数料を10kgまでごとに140円としており、30kgの仏壇なら420円。同市の収集依頼(最大1,000円)より安く収まります。搬入希望時刻の30分前までに予約が必要です。
ただし仏壇を車に積んで下ろすところまで自分でやることになるので、重さと人手が確保できるかが前提になります。
費用だけを見れば、粗大ごみが圧倒的に安いです。問題は、仏壇が想像以上に重く、階段のある家からひとりで下ろすのが現実的でないことにあります。
仏壇店の引き取りは全国一律料金の例がある
運び出しごと任せたい場合は、仏壇店の引き取りサービスがあります。はせがわのお仏壇のお引取り・ご供養サービスは、仏壇の高さ・幅・奥行きの3辺合計で料金が決まる全国一律料金です。130cmまでが19,800円、200cmまでが29,700円、250cmまでが39,600円、300cmまでが55,000円、350cmまでが66,000円、400cmまでが77,000円(いずれも税込)で、引取り代・運送代・作業代・合同供養代が含まれます。仏具は段ボール1箱あたり5,500円、仏壇の置台も引き取る場合は11,000円が加算されます。
制約もあります。3辺合計400cmを超える仏壇は対象外で、仏壇が2階にあってクレーン作業になる場合は別途費用がかかるとされています。また中身を入れたままの引き取りはできず、事前にすべて取り出す必要があります。
もう1社、浅草の滝田商店はお仏壇引き取りサービスを公表していますが、こちらは同店で仏壇を購入した客を対象とした特別料金です。料金表は地域で2列に分かれていて、北海道・本州・四国・九州は3辺合計160cmまで12,000円から370cmまで49,000円、沖縄は14,000円から74,000円という設定でした。74,000円は沖縄のいちばん大きい区分なので、本土にお住まいなら上限は49,000円と見ておけば足ります。仏具は一個でも一式でも5,000円。買い替えを伴うかどうかで条件が変わるので、単に処分だけしたいのか、新しい仏壇に替えるのかを最初に伝えたほうが話が早いです。
不用品回収業者に頼む場合の相場も見ておきます。パワーセラーは仏壇を家具と同じ扱いとし、小型2,000〜4,000円・中型5,000〜7,000円・大型8,000〜10,000円としています。単品だけを見れば仏壇店より安いのですが、同社は「合計金額が8,000円〜10,000円のお客様からの出張となります。」としているので、仏壇1点だけでは出張の下限に届かないことがあります。ほかにも処分したいものがまとまっているなら、この方法が効いてきます。
閉眼供養(魂抜き)は引き取り料金に含まれないことがある
はせがわは引取りサービスのFAQで、魂抜き(閉眼供養)は行っておらず、行うのは合同でのご供養であると明記しています。位牌を処分する場合は事前に菩提寺へ依頼して閉眼供養を行う必要があるとも案内しています。
つまり「供養代込み」と書かれていても、それが菩提寺で行う閉眼供養の代わりになるとは限りません。宗派やお寺の方針によって考え方が違うため、菩提寺があるなら先に相談するのが確実です。
閉眼供養のお布施については、公的な相場が示されているわけではありません。今回確認した仏壇店の案内も、金額には触れず「菩提寺へ相談を」という書き方で統一されていました。金額を断言している情報を見かけたら、それが誰の基準なのかを確かめたほうがいいです。
他の家財とまとめるなら遺品整理・不用品回収
実家の片付けと同時に処分するなら、仏壇単体ではなく作業全体で見積もったほうが安く収まることが多いです。遺品整理の料金相場は間取りで示されるのが一般的で、みんなの遺品整理が公開している目安では1R・1Kで30,000〜80,000円、2LDKで120,000〜300,000円となっています。遺品整理プログレスのように、提携寺院での合同供養を段ボール2個まで無料としている業者もあります。
ただし注意点があります。一般家庭のごみを回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可が必要で、国民生活センターは2022年11月2日に無許可で回収を行う事業者への注意喚起を公表しています。「定額パック◯◯円〜」の広告で作業後に追加請求されるトラブルが典型例です。仏壇のように単価が読みにくいものほど、見積書を書面で受け取っておきたいところです。
よくある質問
仏壇を自分で解体して燃やすごみに出してもいいですか?
自治体のルール上は、分解して規定のサイズに収まれば通常のごみとして出せることが多いです。横浜市は仏壇のうち50cm未満のものを燃やすごみとしています。ただし仏壇は金属金具やガラス、塗装部材が混在しており、分別しきるのは手間がかかります。作業中のけがのリスクもあるので、無理に解体するより粗大ごみとして申し込むほうが現実的です。
仏壇の処分費用が一番安くなるのはどの方法ですか?
いちばん安いのは自分で処理施設へ持ち込む方法です。福岡市なら10kgまでごとに140円なので、30kgの仏壇で420円。次に安いのが自治体の粗大ごみ収集で、福岡市の例では最大でも1,000円、川崎市では最大1,200円です。ただしどちらも運び出しは自分でやることになり、大型の仏壇では現実的でない場合があります。運び出しを含めて頼むなら、仏壇店の引き取りで19,800円からが目安になります。
仏壇店以外の仏壇でも引き取ってもらえますか?
会社によって違います。はせがわの引取りサービスは購入店を条件にしていませんが、滝田商店の引き取りは同店で仏壇を購入した客向けの特別料金として案内されています。買った店が分からない仏壇を処分するときは、条件を購入店に限定していない業者を探すことになります。

まとめ
仏壇の処分費用は、自治体の粗大ごみなら300〜1,200円台、仏壇店の引き取りなら3辺合計130cmまでで19,800円からでした。差額のほとんどは運搬と作業の対価で、供養が含まれるかどうかは会社によって扱いが違います。
順番としては、まず仏壇の高さ・幅・奥行きを測ること。この3つの数字が分かれば、粗大ごみの区分も引き取り料金も自分で確定できます。閉眼供養が必要かどうかは、その前に菩提寺へ一本電話を入れておくと後戻りがありません。








