タンスを粗大ごみに出そうとして料金表を見たら、「幅・奥行・高さの合計」と書いてある自治体と、「高さと幅の合計」と書いてある自治体があった。同じ家具なのに測る辺が違う。結論から書くと、タンスの処分費用はサイズで決まるが、そのサイズの測り方そのものが自治体ごとに違う。奥行を足すかどうかで区分が1段変わることもある。この記事では3つの自治体の測り方と金額を並べ、あわせて食器棚や本棚など収納家具全般の扱いを整理する。
| 自治体 | サイズの測り方 | 手数料 |
|---|---|---|
| 大阪市 | 幅+奥行+高さ | 2m未満400円/2m以上2.5m未満700円/2.5m以上1,000円 |
| 東京都江東区 | 高さ+幅(奥行は含めない) | 135cm以下400円/180cm以下900円/270cm以下1,300円/360cm以下2,300円/360cm超3,200円 |
| 名古屋市 | 高さと幅それぞれの閾値 | 高さ120cm未満かつ幅90cm未満1,000円/高さ120cm以上または幅90cm以上1,500円 |
※江東区は粗大ごみ品目一覧表(2025年1月更新)、大阪市は粗大ごみ処理手数料一覧表(2025年8月更新)、名古屋市は粗大ごみ手数料のめやす(2026年6月更新)。名古屋市は収集日が2026年10月1日以降となる分から手数料改定を予告している。
足す辺が違うと区分がずれる
大阪市は手数料一覧の末尾に測り方を明示しており、靴箱・本棚・たんすなどは幅+奥行+高さで判定するとしている。合計2メートル未満なら400円だ。
これに対し江東区は、粗大ごみ手数料のページで「箱物家具は高さと幅の合計で料金が決まります」としている。奥行は計算に入らない。奥行45cmのタンスなら、大阪市の計算では45cm分が上乗せされ、江東区では上乗せされない。この違いだけで区分が1段変わることがある。
名古屋市は合計値ではなく、高さ120cm・幅90cmという2つの閾値を使う。どちらか一方でも超えれば上位区分の1,500円になる。合計方式ではないので、細くて背の高いタンスは名古屋市では高い側に、江東区や大阪市では相対的に低い側に振れる可能性がある。
タンス以外の収納家具も同じ枠に入る
江東区の品目一覧で目を引くのは、「箱物家具」というひとつの枠に大量の品目が押し込まれている点だ。オーディオラック、押入れたんす、カラーボックス、キャビネット、下駄箱、サイドボード、書棚、食器棚、棚、チェスト、戸棚、本棚、ロッカー、脇机、ガス台、流し台、仏壇、レンジ台、米びつ、収納ケース、収納庫、整理たんす、TVボード、洋服たんす、和たんすなどが同じ料金表で判定される。本棚もラックも下駄箱も、判定式はタンスと同じということだ。
大阪市はもう少し細かく品目を分けており、食器棚・靴箱・本棚はたんすと同じ3段階(400円/700円/1,000円)だが、レンジ台は一律700円、ワゴンは400円、押入れ収納ラックは200円と個別に定められている。名古屋市も書棚・食器棚・サイドボードをたんすと同じ閾値で扱う一方、カラーボックスとテレビ台は250円の最安区分に置いている。
解体しても手数料は下がらない
「大きいから高いなら、バラして小さくすれば安くなるのでは」と考えたくなる。しかしここは明確に否定されている。世田谷区は「粗大ごみの処理手数料は、原則として解体前の大きさで決まります」とし、「解体が可能なもの(スチール製の棚、ベッド、タンス、テーブル等)であっても、解体しても手数料は変わりません」と書いている。タンスが名指しされている。
江東区も同じ立場で、「分解できる箱物家具(棚やラックなど)の寸法は分解前のものが基準となります」としている。
ただし、運び出しのために分解すること自体は認められている。江東区は「粗大ごみは分解した状態で排出していただけますが、バラバラにならないよう紐等でおまとめください」とし、大阪市も「解体している場合は、解体したことがわかるように紐やテープなどでまとめてお出しください」と案内している。解体は運搬のためであって、節約のためではないと割り切ったほうがよい。
・幅(左右の最大値)/奥行/高さの3つをすべてメジャーで測る
・引き出しの取っ手や装飾が出っ張っていれば、その先端まで含める
・自治体が「合計方式」か「閾値方式」かを料金表の注記で確認する
測り方が分かれば、区分の境目に近いかどうかも自分で判断できる。境目上なら受付センターに実寸を伝えて確定させたい。
婚礼家具や大型のタンスは業者見積もりの世界になる
桐の和箪笥や三点セットの婚礼家具のように、重くて分解も難しい家具は、屋外まで出せるかどうかが最初の関門になる。運び出せないなら民間の不用品回収に頼ることになるが、金額は自治体の粗大ごみとは別物だ。一括見積もりサイトのエコノバは単品回収の相場としてタンス3,000円〜、食器棚3,000円〜を掲げている。
関東で回収を行うパワーセラーの料金表は、タンス・棚・机をサイズで3段階に分け、小2,000〜4,000円、中5,000〜7,000円、大8,000〜10,000円としている。同社は「合計金額が8,000円~10,000円のお客様からの出張となります」という最低ラインも公表しており、小さいタンス1点だけでは依頼が成立しない形だ。
依頼先を選ぶ際は許可を確認したい。国民生活センターは「インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限りません」と注意喚起している。
よくある質問
タンスの処分費用はどのくらいかかりますか?
自治体の粗大ごみなら、今回確認した3自治体でおおむね400〜3,200円だった。大阪市は400〜1,000円、名古屋市は1,000円か1,500円、江東区はサイズ次第で400〜3,200円と幅が大きい。屋外まで運び出せず業者に頼む場合は、エコノバの相場表で3,000円〜となっている。
本棚や食器棚もタンスと同じ料金ですか?
同じ枠で判定する自治体が多い。江東区は「箱物家具」としてたんす・本棚・食器棚・カラーボックス・下駄箱などをまとめて高さ+幅で判定する。大阪市は食器棚・靴箱・本棚をたんすと同じ3段階にしつつ、レンジ台700円・ワゴン400円のように個別品目も設けている。
タンスを解体すれば粗大ごみ料金は安くなりますか?
安くならない。世田谷区は解体前の大きさで手数料が決まると明記し、タンスを名指しで例に挙げている。江東区も分解できる箱物家具の寸法は分解前が基準としている。解体は運び出しのために行うもので、料金の節約にはつながらない。

まとめ
タンスの処分費用はサイズで決まるが、その「サイズ」の定義が自治体ごとに違う。大阪市は幅+奥行+高さの合計、江東区は高さ+幅の合計、名古屋市は高さ120cm・幅90cmという閾値。同じ家具でも、どこに住んでいるかで区分がずれる。
そして解体しても金額は下がらない。世田谷区と江東区がはっきり書いているとおり、判定は解体前の大きさで行われる。やるべきことは、3辺を実測して自治体の料金表の注記を読み、境目に近ければ受付センターに確認すること。この順番なら、支払う額を事前に確定させられる。
家財をまとめて整理するなら、一人暮らしの引越し前に不用品を処分する方法も参考になる。









