「冷房のあとは送風運転をするといい」とよく言われるが、では何分回せばいいのか。内部クリーン機能があるなら、それに任せていいのか。運転中に温風が出たり、なかなか止まらなかったりするのは故障ではないのか——。この記事では、乾燥にかかる時間の目安と、内部クリーン機能が実際に何をしているのかを整理した。仕組みが分かると、途中で止めていいかどうかも判断できるようになる。
| やり方 | 時間の目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 内部クリーン機能に任せる | 約40〜60分 ※機種による | 機能があるなら基本これでいい |
| 手動で送風運転する | 1時間程度 | 内部クリーン機能がない機種の日常運用 |
| 内部クリーン非搭載機種の乾燥 | 5〜6時間 | 三菱電機が案内している方法 |
| シーズンの終わりに乾かす | 内部クリーン1回 | 冷房を使い終えて長期間しまうとき |
内部クリーンは何をしているのか

単なる送風とは違う。日立は公式サイトで、内部クリーン運転について「弱暖房で熱交換器に熱を加えて乾燥したあと、送風で熱交換器と通風路をしっかり乾燥します」と説明している。時間は約60分だ。
つまり、温めて水分を飛ばしてから風で乾かすという2段構えになっている。送風だけよりも乾きやすい理屈だ。送風と弱暖房を組み合わせる方式が一般的だが、順序や時間はメーカー・機種によって異なる。
いずれにしても狙いは同じで、カビが繁殖する条件である「内部が濡れた状態」を断つことにある。冷房運転をすると熱交換器が結露して内部が濡れるので、そのまま止めればカビにとって好都合な環境が残る。
ダイキンの「水内部クリーン」は別のもの
混同されやすいので分けて書いておく。ダイキンの水内部クリーンは、冷房運転で発生させた結露水を利用して熱交換器の汚れを落とし、そのあと送風運転と暖房運転で乾燥させる機能だ。同社は約1か月に1回の実行をすすめている。
これは月1回の洗浄にあたるもので、冷房を止めるたびに毎回自動で乾燥させる機能とは役割が違う。ダイキン機を使っている場合は、毎回の乾燥機能を有効にしたうえで、月1回こちらを回すという使い分けになる。
何分回せばいいのか
日常の予防なら約1時間
内部クリーン機能があるなら、それに任せればいい。日立は約60分、パナソニックの本体内部おそうじ運転は約40分と案内しており、機種によって幅がある。機能がない機種の場合は、冷房を止めたあとに送風運転へ切り替えて1時間ほど回す。
毎回やるのが理想だが、続かないなら「寝る前に冷房を切って送風に切り替える」「外出前に切り替える」といった形で、生活の中に組み込めるタイミングを1つ決めておくほうが現実的だ。
内部クリーン機能がない機種は5〜6時間
三菱電機は公式FAQで、内部クリーン機能が搭載されていない機種について、冷房運転後に送風運転を5〜6時間ほど行うことで内部を乾かせると案内している。
前項の「1時間程度」と数字が違うのは、目的が違うからだ。日常的な予防としては1時間程度でも内部の乾燥に効果があるが、すでに臭いが出ている状態をリセットしたい場合や、内部クリーン機能がない機種でしっかり乾かしたい場合は、まとまった時間を確保する——という使い分けになる。
同社は、送風(空清)モードがない場合には設定温度を31℃にして冷房運転を行うことで送風運転になると案内している。ただし部屋の温度が31℃以上あるときは送風運転にならないので、真夏の日中には使えない方法だという点に注意したい。
シーズンの終わりは1回きちんと
冷房を使い終えて半年しまう前は、乾燥させてから片付けたい。湿ったまま放置された内部は、次のシーズンに臭いが出る原因になる。日立も、長期間使用しない場合はカビが発生しやすいため内部クリーン運転を行うよう案内している。逆に使い始める前の試運転については、別記事にまとめた。
すでに臭いが出ている場合は、乾燥だけでは解決しない。原因の切り分けは別記事にまとめた。
「止まらない」「長い」は異常ではない
内部クリーンで最も多い戸惑いがこれだ。冷房を止めたのに動き続ける、1時間経っても終わらない——。
前述のとおり運転時間は機種によって異なり、40分程度で終わるものもあれば、それより長くかかるものもある。「1時間で終わるはず」という前提で見ていると、異常だと感じてしまう。自分の機種の所要時間は取扱説明書で確認しておくと、余計な心配をしなくて済む。
また、いつ始まるかも機種によって違う。パナソニックは、30分以上運転して停止したときに自動でスタートし、長時間の連続運転中は内部クリーン運転を行わないと案内している。「今日は動かなかった」という日があっても、条件を満たしていないだけということがある。
運転中に起きること(故障ではない)
- 温かい風が出る……弱暖房を使って乾燥させる方式なら当然の動作。冷房を止めた直後に温風が出ても異常ではない
- 室温や湿度が上がる……日立は「内部クリーン運転を行うと、湿った風が出ることがあり、室内の温度や湿度が上昇することがある」と案内している。内部の水分を追い出しているため
- ホコリっぽい臭いがする……結露と乾燥が切り替わるときに、内部に溜まっていた臭い成分が放出されやすい。臭いが毎回強い場合は、内部の汚れが進んでいるサイン
- 音がする……ファンの回転音に加え、弱暖房と送風が切り替わる際の動作音もある
音が気になる場合の対処
就寝時に自動で始まると、40分から1時間ほど音が続くことになる。対処は2つある。
- 運転する時間帯をずらす……就寝前ではなく、外出前や日中に冷房を切って回す。最も現実的な方法
- 機能をオフにする……機種によっては設定で解除できる。ただし切ればカビ予防の効果は失われるので、代わりに手動の送風運転を回すなどの代替が必要になる
途中で止めてもいいのか
止められる。日立は、内部クリーン運転を中断する場合はリモコンの停止ボタンを押すよう案内している。
ただし当然ながら、途中で止めれば乾燥は不完全になる。急な来客や就寝など、やむを得ない場合の中断は問題ないが、毎回途中で止めているなら予防としては働いていない。運転する時間帯を見直したほうがいい。
冷房をつけっぱなしにしている場合は
夏場に24時間つけっぱなしにしている人もいる。この場合、そもそも内部クリーンが動くタイミングがない。パナソニックが「長時間の連続運転中は内部クリーン運転を行わない」と案内しているとおりだ。
現実的な対応は、週に1度でも意識的に冷房を切って、内部クリーンまたは送風運転を回す時間を作ることだ。外出する日や、涼しい日を狙うといい。連続運転そのものが悪いわけではないが、内部が濡れた状態が続くほどカビには有利な環境になる。
内部クリーンだけでは足りない
内部クリーンはこれから増えるカビを抑える機能であって、すでに生えたカビを落とす機能ではない。臭いや黒い粒が出ている状態で毎日回しても、症状は消えない。カビの材料であるホコリを減らすには、フィルター清掃のほうが直接的に効く。乾燥と清掃はセットで考えたい。
すでに内部にカビが定着している場合は、自分で手の届く範囲を超えている。
掃除も乾燥もしないまま放置した場合に何が起きるかは、別記事で整理した。
よくある質問
内部クリーンは毎回使ったほうがいい?
冷房や除湿を使ったあとは毎回が理想だ。日立も、カビの発生を抑えるために頻繁に内部クリーン運転を行うことをすすめている。ただし電気代と時間はかかるので、続かないようであれば「1日の最後の運転のあとだけ」と決めるだけでも効果はある。
暖房のあとにも送風は必要?
暖房運転では室内機の熱交換器が結露しないため、冷房ほど乾燥の必要はない。カビ対策として重視すべきは冷房・除湿のあとになる。ただし機種によっては暖房後にも内部クリーンが動作することがあり、その場合は止めずに任せてかまわない。
送風運転と内部クリーンはどちらがいい?
機能があるなら内部クリーンのほうが確実だ。単なる送風と違い、弱暖房と送風を組み合わせて乾かす方式を採っている機種が多く、乾燥の効率が高い。機能がない場合の代替が手動の送風運転、という位置づけになる。
まとめ
- 内部クリーンは「弱暖房で温めてから送風で乾かす」2段構え。時間は約40〜60分と機種によって幅がある
- 「止まらない」「長い」は異常ではない。所要時間も開始条件も機種によって違う
- 温風が出る・室温や湿度が上がる・ホコリ臭がするのは、仕組み上の想定内
- 音が気になるなら、就寝前ではなく外出前に回す。オフにするならカビ予防の代替が必要
- 内部クリーン機能がない機種は、送風5〜6時間または31℃設定の冷房運転(室温31℃未満のとき)
- ダイキンの水内部クリーンは月1回の洗浄機能で、毎回の乾燥とは別のもの












