洗濯機の排水口は、掃除の存在自体を忘れられやすい場所だ。だが日立は1か月に1回の手入れを勧めており、放置するとにおいだけでなく乾燥時間まで延びるとしている。一方で「洗濯機の真下にあって動かせないなら、無理にやらないでほしい」とも明記している。この記事では手順と、自分でやらないほうがいい条件を整理する。
| 項目 | 内容(日立の案内) |
|---|---|
| 頻度 | 1か月に1回 |
| 用意するもの | バケツ・ぞうきん・ゴム手袋・ごみ袋・ブラシやスポンジ |
| 放置すると | におい・乾燥時間が長くなる・排水できない |
| やらないほうがいい | 排水口が洗濯機の真下で動かせない場合 |
放置すると乾燥時間まで延びる
排水口の汚れは、においだけの問題ではない。日立は「排水口にごみが溜まると、水の流れが悪くなり、においがしたり、乾燥時間が長くなる(乾きがわるい)、排水ができないなどのさまざまなトラブルが起きます」としている。
乾燥に時間がかかるようになったという症状の原因が、排水口にあることがあるということだ。洗濯機本体を疑う前に、確認する価値がある。
手入れの目安は「1ケ月に一回のお手入れをおすすめします」とされている。
手順は「外して洗って、水を戻す」
日立が示す流れは次のとおりだ。タテ型・ドラム式で共通している。
- 脱水して排水する——洗濯槽に水が残っていると作業中にあふれる
- 排水ホースを排水口から外す——「排水ホース内の残水が漏れ出ることがあるため、排水口の近くにバケツなどの容器を置くか、ぞうきんなどで残水を受けてください」
- 排水口のパーツを外す——格子状のふた、筒状のパイプなど
- パーツを洗う——「浴室用洗剤を溶かした水に漬け置きし、汚れを浮かせてからブラシやスポンジでこすり洗いします」
- ホース内と排水口を掃除する——残っている糸くずを取り除く
- パーツを戻し、水を注ぐ——「排水口からの悪臭が上がってこないよう、排水トラップ部分に水を注ぎ入れてください」
- ホースを差し込む——「水漏れの原因になるため、ホースの先端がしっかり差し込まれていることを確認してください」
6番の「水を注ぐ」を飛ばさないことが重要だ。排水トラップは水で下水の臭いを止めているので、空のままだと掃除した直後から臭う。
浸け置きに使うのが浴室用洗剤という指定も覚えておきたい。手元にあるもので済ませたくなるが、日立が挙げているのはこれである。
- 排水口が洗濯機の真下にある——日立は「排水口が洗濯機の真下にあり、ご自身で洗濯機を動かせない場合は、無理にお手入れしようとせず、清掃業者や住宅管理会社などにご相談ください」としている。メーカー自身が業者への相談を勧めている
- 排水ホースが外れない——「排水ホースが外れない、または取り外し方が分からない場合は、設置した業者へお問い合わせください。無理に外そうとすると水漏れを起こす可能性があります」
- パーツが手で外れない——「排水口のタイプによっては、外せないパーツがあります。工具などで無理に外そうとすると、パーツが破損する可能性がありますので、手で外せるパーツだけ外してください」
- ホースの取り付けを自分で調節する——同社は「排水口に取り付ける際は、かならず販売店や設置業者にご相談ください。正しく取り付けられていないと、水漏れによる住宅や家財への被害が出るおそれがあるため、お客様自身での調節はおやめください」としている
ホースを戻すときの4つのポイント
掃除より戻すほうが失敗しやすい。日立は取り付けの注意点を4つ挙げている。
- しっかり差し込む——「排水の力や振動などで、排水ホースの先端が抜けてしまうと水漏れの原因になります」
- 先端をふさがない——「排水口が浅く、先端がぶつかっていると水が流れにくくなります」
- 折り曲げない——「排水ホースが折れ曲がっていると、水が流れにくくなり、折れている箇所にゴミが詰まることがあります」
- 10cm以上持ち上げない——「排水ホースが途中で10cm以上高くなっていると、水が流れにくくなります」
10cmという数字は覚えておくと使える。掃除のあとホースを戻すとき、途中でたるんで持ち上がることがある。
同社は「排水ホースの先端に、ホースピースがしっかり固定されているかご確認ください」とし、「ホースピースを付けないと、排水が悪くなり、すすぎが不十分になったり、発泡して運転が止まることがあります」としている。小さな部品だが、外れていると症状が出る。
汚れを防ぐのは「糸くずフィルター」
排水口が汚れる原因は、多くが糸くずだ。日立は予防策として「糸くずフィルターのお手入れや槽洗浄で排水口の汚れを防ぐことができます」とし、「糸くずフィルターは洗濯後、毎回お手入れをしてください」としている。
タテ型については「糸くずフィルターが目詰まりすると、洗濯物への糸くず付着の原因になるので洗濯、洗濯~乾燥運転のあと、毎回お手入れをしてください」としている。毎回である。
ドラム式は仕組みが違い、「表示部に「フィルター確認」や「糸くずフィルター」などが表示されたらお手入れを行なってください」という運用になる。表示は「洗濯機を15回運転するたびに表示されます」とされている。
ドラム式で糸くずが溜まっていなくても異常ではない。同社は「ドラム式洗濯機では、糸くずフィルターが排水経路内にあるため、糸くずが詰まって排水ができなくならないように目が粗くなっています」とし、「細かな糸くずはフィルターにたまらず、排水と一緒に流れ出るようになっています」としている。つまり流れた糸くずは排水口に溜まる——だから排水口の掃除が要るという構造だ。
どうしても手が届かない設置なら、代替策もある。同社は「排水口に糸くずが詰まりやすい場合や、排水口が本体の真下にあり、お手入れができない場合は、別売りの糸くずボックスを量販店などでお買い求めいただき、設置することをおすすめします」としている。

その場合、無理に動かさないほうがいい。日立自身が「清掃業者や住宅管理会社などにご相談ください」としている。洗濯機は重く、排水ホースがつながったまま引き出すとホースが抜けて水漏れという事故が起きやすい。
現実的な選択肢は3つある。
1. 糸くずボックスを設置する——排水口の手前で糸くずを受ける。日立が挙げている方法で、根本解決ではないが詰まりを遅らせられる。
2. 業者に依頼する——洗濯機クリーニングのオプションとして洗濯パン清掃を用意している業者がある。おそうじ革命では2,750円(税込)だ。洗濯機の移動も含めて任せられる。
3. 賃貸なら管理会社に相談する——共用の排水管が原因のこともある。定期的な排水管清掃を実施している物件もあるので、確認する価値がある。
よくある質問
洗濯機の排水口はどのくらいの頻度で掃除しますか?
日立は「1ケ月に一回のお手入れをおすすめします」としています。放置すると「水の流れが悪くなり、においがしたり、乾燥時間が長くなる(乾きがわるい)、排水ができないなどのさまざまなトラブルが起きます」とされており、においだけでなく乾燥性能にも影響します。予防としては糸くずフィルターの手入れが有効で、タテ型は毎回、ドラム式は表示が出たら(15回運転ごと)が目安です。
排水口が洗濯機の真下にあって掃除できないときは?
無理に動かさないでください。日立は「排水口が洗濯機の真下にあり、ご自身で洗濯機を動かせない場合は、無理にお手入れしようとせず、清掃業者や住宅管理会社などにご相談ください」としています。代わりに同社は別売りの糸くずボックスの設置を勧めています。業者に頼む場合、洗濯機クリーニングのオプションで洗濯パン清掃を用意しているところがあります(おそうじ革命は2,750円)。
掃除のあとに排水口が臭うようになったのはなぜ?
排水トラップに水を戻し忘れていませんか。日立は手順のなかで「排水口からの悪臭が上がってこないよう、排水トラップ部分に水を注ぎ入れてください」としています。トラップは水で下水の臭いを止めているため、空のままだと直通になります。あわせて、外したパーツが正しく戻っているかも確認してください。
まとめ
- 手入れの目安は1か月に1回(日立)
- 放置するとにおい・乾燥時間の増加・排水不良につながる
- 手順は脱水 → ホースを外す → パーツを外して洗う → 戻す → トラップに水を注ぐ
- 「水を注ぐ」を飛ばすと掃除直後から臭う
- 洗濯機の真下で動かせないなら、無理をせず業者や管理会社に相談(日立が明記)
- ホースの取り付けは自分で調節しない。水漏れで家財に被害が出るおそれ
- 戻すときはしっかり差し込む・先端をふさがない・折らない・10cm以上持ち上げない
- 予防は糸くずフィルターの手入れ。タテ型は毎回、ドラム式は表示が出たら






