レンタルで一番怖いのは、借りたものを壊して高額を請求されることだ。各社とも「安心保証」「無償保証」をうたっているが、条文を読むと必ず対象外の条件がある。結論から書くと、通常使用の破損は無償、故意・重過失・紛失・盗難は対象外というのが共通の線引きだった。5社の規定を並べて確認する。
各社の補償と対象外
| サービス | 通常使用 | 対象外になる条件 |
|---|---|---|
| アールワイレンタル | 無償(損害保険加入済み) | 内部の汚れ、紛失・盗難、電子機器の過失損害 |
| レンティオ | 無償 | 過失は2,000円上限、紛失は販売金額100%上限 |
| ククレンタル | 無償(保証金不要) | 故意・重過失、通常利用目的の逸脱、紛失・盗難・詐欺・横領、差押、自然災害 |
| エース直営レンタル | 無償保証 | 故意・不適切な使用、証明書のない盗難 |
| JALエービーシー | 安心補償500円/個に加入時 | 盗難・紛失、自分で修理手配した場合 |
「通常使用なら無償」は共通する
ククレンタルは「ククレンタルでは、レンタルスーツケースが破損・汚損・紛失した場合でも、お客様に過失がなければ、 修理代・弁償金はかかりません。」とし、保証金も求めないとしている。アールワイレンタルも「弊社レンタルスーツケース・旅行用品は、全て損害保険加入済み商品となります。ご使用中の破損やキズ、汚れ等は、無償になっておりますので、 安心してご利用ください。」としている。
レンティオは過失があっても上限を設けている。「スーツケースのレンタル期間中はお客様に過失のない故障には修理費など一切請求いたしません。過失により破損された場合も免責費は2,000円まで。それ以上のご負担はありません。」という条件だ。
対象外になる条件を条文で見る
ククレンタルの約款は対象外を列挙している。原則として通常の使用範囲での破損・汚損の責任は負わないとしたうえで、故意または重過失と認められる場合、通常利用目的の範囲を逸脱した場合、紛失・盗難・詐欺・横領にあった場合、公共機関による差押・没収・破棄の場合、自然災害・戦争・暴動の場合は、貸し出し時点の価値に相当する金額で弁償するとしている。
アールワイレンタルは品目ごとに線を引いている。「スーツケース内部の汚れに関しましては、損害補償対象外ですのでご注意下さい。」とし、さらに「カメラなどの電子機器については、お客様の過失による損害(落下や水没等の破損)は保証対象外となりますので、予めご了承ください。」としている。同じ会社でも、スーツケースと電子機器で扱いが違う。
アールワイレンタルは「スーツケースを紛失・盗難などでご返却頂けない場合、商品代金をご請求させていただきますので、予めご了承ください。」、レンティオは「紛失・ロストバゲージに遭ってしまった場合、レンタル料金とは別に、製品の販売金額の100%を上限とする支払いが必要になります。」としている。ここが最も金額の大きい項目になる。
証明書があるかどうかで結果が変わる
盗難でも、証明書があれば救済される場合がある。エース直営レンタルは「盗難証明書、被災証明書をご用意いただければ、 お客様の責任を問いません。ご利用代金のみの請求となります。」としつつ、「証明できる書類の無い場合は、商品の修理費用または市場購入価格をご請求いたします。」としている。海外で盗難に遭ったら、まず現地警察で書類を取ることになる。
航空会社に預けて壊れた場合も同じ構造だ。レンティオは「航空会社・空港側起因の破損については、空港からの破損証明書をご提示いただければ、賠償費用(2,000円)は請求いたしません。」としている。一方、ククレンタルは「当店では、お客様の利便性を考慮して、 破損証明書(Damage Report)の提出も不要 とさせていただいております。」としており、社によって手間がまったく違う。
任意加入型は未加入時の負担が大きい
補償をオプションにしている社もある。JALエービーシーは「レンタル期間中の破損等に対応した安心補償サービスが、1個につき500円でお申し込みいただけます。」とし、加入すれば負担はないとしている。ただし「盗難・紛失については補償対象外となります。」とあり、未加入の場合は「角のへこみ、陥没、亀裂等は、安心補償にご加入でない場合、修理代金はお客様負担の有料となります。」とされている。さらに「破損等の際は必ず当社にご連絡のうえ、ご返送願います。ご自身で修理手配をされた場合は対象外となります。」という条件もある。自分で直そうとすると補償が消える。
壊したときにまずやること
手順は3つだ。ひとつ目は自分で修理しないこと。ふたつ目は借りた会社にすぐ連絡すること。三つ目は、第三者が原因なら証明書を取ることだ。ククレンタルは、破損証明書は税関を通る前の手荷物サービスカウンターで発行してもらえるとし、税関を通ると発行はほぼ不可能になると説明している。
よくある質問
安心保証に入っていれば何をしても無料ですか?
そうではない。故意や重過失は各社とも対象外で、紛失・盗難も別枠になる。JALエービーシーは自分で修理手配をした場合も対象外としている。
全損した場合も無料ですか?
通常使用の範囲であれば無償修理の対象とする社が多いが、紛失して返却できない場合は商品代金の請求になる。ククレンタルの約款は、通常の損耗以上に損傷した場合や重度の汚損があった場合、回収日前日までに届け出るよう定めている。
海外旅行保険やクレジットカードの付帯保険で賄えますか?
契約内容による。ククレンタルは、航空会社に補償対象外と言われた場合でも契約した海外旅行保険に損害を請求できることがあるとし、事前に保証内容を確認するよう案内している。加入している保険の約款を先に読んでほしい。
まとめ
レンタル品の補償は、通常使用なら無償という点で各社共通している。分かれるのは、破損証明書が要るか、紛失・盗難でいくら請求されるか、補償が任意加入かの3点。契約前にこの3行だけ読んでおけば、想定外の請求は避けられる。











