「警察署でチャイルドシートを貸してくれる」と聞いたことがある人は多い。結論から書くと、貸し出しているのは警察署そのものではなく交通安全協会で、会員限定の場合が多い。自治体はあっせん(割引)という形を取ることもある。実際の制度を確認していく。
無料・割引で借りられる仕組みの整理
| 実施主体 | 内容 | 条件 |
|---|---|---|
| 都道府県・地区の交通安全協会 | 無料貸出 | 会員限定の場合が多い |
| 自治体(区市町村) | レンタルのあっせん・割引 | 在住者向け |
| 警察署 | 貸出の窓口は協会側 | 協会事務所が署内にある例が多い |
警察が案内しているのは交通安全協会
福岡県警察は、チャイルドシートの貸出について「かけがえのないお子様の命を守るため、福岡県交通安全協会においてチャイルドシートの無料貸し出しを行っています。」と回答している。警察署が直接貸すのではなく、交通安全協会の事業として行われているという整理だ。
混同されやすいのは、地区の交通安全協会の事務所が警察署内に置かれていることが多いためだ。東京都交通安全協会の一覧を見ると、麹町交通安全協会や神田交通安全協会などが「◯◯警察署内」という所在地で並んでいる。窓口が署内にあるので、警察署が貸しているように見える。
会員限定という条件がある
茨城県交通安全協会は「茨城県交通安全協会では、会員様限定でチャイルドシートの貸し出しを行っております。」としている。貸出対象は乳児・幼児兼用タイプ(0〜4歳用)で、期間は1日から上限6ヶ月以内。返却時には「クリーニング代の支払いを頂くか、又は自らクリーニングに出して返却して頂きます。」という条件が付く。
福島県交通安全協会も「交通安全協会会員の方を対象にチャイルドシート・ベビーシートの無料貸し出しを行っております。」としており、あらかじめ各地区の協会に連絡するよう案内している。
・事前に電話で在庫の有無を確認して予約する
・持参するもの:会員証・運転免許証・印鑑・装着する車両の車検証
・受渡・返却は平日17時頃まで
・返却時はクリーニング代を負担するか、自分でクリーニングに出す
自治体はあっせんという形もある
江東区はチャイルドシートレンタルのあっせん事業を行っており、「通常料金の12~20%引きでレンタルを受けることができます。」と案内している。単なる割引ではなく、「株式会社愛育ベビーの担当者が、ご自宅までお伺いし、取り付け、使用方法の説明をいたします。」という取り付けサービスが付く点が特徴だ。
取り付けの正しさは実際に効く。警察庁とJAFの2025年の全国調査では、「取り付けられたチャイルドシートのうち、適切な取付けができていた割合は74.8%、チャイルドシートを使用していた幼児のうち、幼児を適切に着座させることができていた割合は55.6%でした。」という結果が出ている。専門業者が取り付けてくれる制度には、割引以上の価値がある。
制度の有無は地域で違う
ここまで見たとおり、実施主体も条件も地域によってばらつきがある。会員限定の無料貸出をしている協会もあれば、自治体があっせんという形を取っている場合もある。まずは住んでいる地域の交通安全協会と、区市町村の交通安全担当課の両方を確認するのが早い。
制度が見つからない場合は、民間のレンタルを使うことになる。ダスキンかしてネッとはチャイルドシートが1ヵ月3,520円からで、店頭で受け取れば商品受取り料金はかからない。
あっせん事業は民間業者と組んでいる
自治体のあっせんは、区が直接貸すのではなく民間のレンタル業者と提携する形が多い。江東区の事業では株式会社愛育ベビーが窓口になっており、申し込みは業者へ直接電話する流れだ。同社はチャイルドシートについて「お届け時に、車への取付け方をご案内しています。」としており、あっせんの取り付けサービスはこの延長線上にある。
同社の通常のレンタル料金はコンビ グッドキャリーが6ヵ月8,400円、アップリカ フラディア グロウ ISOFIX セーフティープラスが6ヵ月19,800円という水準で、ここから江東区のあっせん価格が引かれることになる。自治体の制度を使うと、民間の相場より1〜2割安くなる計算だ。
取り付けの説明が付く価値
あっせん制度の本体は割引よりも取り付けにある。愛育ベビーは「付けにくい車で一番多いのは、 後部座席の奥行が浅い場合です。概ね40cm未満の場合は、取付けが不安定になります。」とし、座席の凸凹やベルトバックルの位置も要因に挙げている。車と機種の相性は、実際に付けてみないと分からない部分が大きい。
警察庁とJAFの調査で適切な着座の割合が55.6%にとどまっていることを考えると、専門業者が最初に取り付けてくれる制度の価値は小さくない。
1. 住んでいる市区町村の交通安全担当課(あっせん・助成の有無)
2. 都道府県の交通安全協会(会員向け無料貸出の有無)
3. 最寄りの地区交通安全協会(多くは警察署内)
4. 該当しなければ民間のレンタルで比較
よくある質問
警察署でチャイルドシートを借りられますか?
貸出を行っているのは交通安全協会だ。福岡県警察は「かけがえのないお子様の命を守るため、福岡県交通安全協会においてチャイルドシートの無料貸し出しを行っています。」と案内している。地区の協会事務所が警察署内にあることが多いため、混同されやすい。
交通安全協会の貸出は誰でも使えますか?
会員限定としている協会が多い。茨城県交通安全協会は「茨城県交通安全協会では、会員様限定でチャイルドシートの貸し出しを行っております。」としており、福島県交通安全協会も会員を対象としている。
自治体の制度にはどんなものがありますか?
あっせんという形がある。江東区は「通常料金の12~20%引きでレンタルを受けることができます。」とし、取り付けと使用方法の説明が付く事業を案内している。制度の有無と内容は自治体ごとに違う。
まとめ
チャイルドシートの無料貸出は交通安全協会の事業で、会員限定という条件が付くことが多い。自治体はあっせんという形で割引と取り付けを提供している例がある。まずは地域の交通安全協会と区市町村の窓口を確認し、該当しなければ民間のレンタルに切り替えたい。











