雛人形・五月人形の処分方法|時期・費用・供養の実際

雛人形・五月人形の処分方法|時期・費用・供養の実際

子どもが成人し、飾らなくなって10年。押し入れの一番奥にある七段飾りをどうするか、毎年考えては先送りしている——。まず押さえておくと、雛人形も五月人形も粗大ごみとして出せますし、処分時期に決まりもありません。ただし供養に出す場合はガラスケース・飾り台・屏風・道具類が受け付けてもらえないため、そこだけは自分で処分することになります。今回は協会や社寺の公表条件を確認して、費用と手順を整理しました。

方法費用ケース・台・道具
自治体のごみとして出す0円〜(粗大ごみなら手数料)まとめて出せる
郵送の供養代行(日本人形協会)一箱5,000円+ゆうパック料金受付不可
社寺の人形供養に持参1体2,000円〜、一箱5,000円など受付不可のところが多い
買取・譲渡値がつけば収入一式でないと値がつきにくい

表の出典:ningyo-kyokai.or.jptanashijinja.or.jpcgi.city.yokohama.lg.jp(2026年7月時点)

粗大ごみに出してはいけないという決まりはない

まず事実確認から。節句人形を家庭ごみとして出すことを禁じている法令やルールはありません。横浜市のごみ分別辞典では人形は燃やすごみで、ガラス製・陶器製は燃えないごみ、金属製は小さな金属類となっています。一番長い辺が50cm以上(金属製は30cm以上)なら粗大ごみです。人形ケースはプラスチック製なら燃やすごみに分類されています。

七段飾りの場合、問題になるのは人形そのものではなく段と屏風、ガラスケースです。木製の段は長さがあるので粗大ごみ、ガラスケースは割れないよう包んで燃えないごみ、という組み合わせになることが多いです。まとめて出せるのはこの方法だけ、という言い方もできます。

供養に出すなら費用は「一箱5,000円」か「1体2,000円〜」

気持ちの区切りをつけたい場合は、供養という選択肢があります。一般社団法人日本人形協会は日本郵政と提携した人形感謝(供養)代行サービスを通年で行っており、受付できるものとして節句人形(ひな人形、五月人形、鎧・兜、鯉のぼり、羽子板、破魔弓)を明記しています。料金は「料金:一箱 5,000円+ゆうパック料金(お客様負担)」で、1箱に収まらない場合は追加分1個につき2,000円が加算されます。箱の大きさは縦+横+高さの合計170cm以内、重量30kg以内が条件です。

持ち込みなら社寺の供養があります。東京都西東京市の田無神社は毎年8月第1日曜日にお人形感謝祭を行っており、預かれる人形の例としてひな人形・五月人形・こけし・羽子板・かぶと・よろい人形を挙げています。初穂料は「一箱(70cm×45cm×45cmの箱に収まる量)につき5,000円の初穂料をいただきます。」で、あふれる場合は追加3,000円。東京都江東区の富岡八幡宮は体数制で、30cm以下は1体2,000円より、31〜100cm以下は1体3,000円よりとしています。

ガラスケースと飾り台は供養に出せない

⚠️ 受け付けてもらえるのは「人形本体」だけ
日本人形協会は受付できないものとして「付属するガラスケース、収納箱、飾り台、台座、屏風、道具類など」を挙げています。富岡八幡宮も「ガラスケース等はお宅で処分してください。」としています。田無神社も、台座など取り外せるものはできるだけ外して人形のみを持参するよう求めています。
つまり供養に出しても、ケースと段と道具は手元に残ります。この分は自治体のルールで処分することになるので、先に粗大ごみの申し込みを済ませておくと二度手間になりません。

ケースのガラスは厚く重いです。割れないよう梱包し、品名を明示して出すのが基本になります。段飾りの緋毛氈や小物類も、素材ごとに分別が変わります。人形だけを供養に出す前提で、残りの処分計画を先に立てておきたいところです。

処分の時期に決まりはない

「成人式まで」「結婚したら」といった説を見かけますが、根拠は確認できませんでした。日本人形協会のよくある質問には「役目を終えたひな人形はどうすればいいの?」という項目がありますが、答えは「何かの事情で人形を保存できなくなった場合は、全国各地の社寺で行っている人形供養(人形感謝祭)に持参し、若干の供養料を添えて納めるのがよいでしょう。」で、時期には触れていません。五月人形についても同じ趣旨の回答になっています。

同協会が時期を明示しているのは飾る側だけで、ひな人形は立春頃から二月中旬、五月人形は春分の日過ぎから四月中旬までに飾るとしています。処分の期限は、どこにも書かれていません。

実際に動くタイミングを決めるなら、供養祭の日程から逆算するのが分かりやすいです。日本人形協会の代行サービスで集まった人形は毎年10月頃の東京大神宮の人形感謝(供養)祭で供養され、前月9月末日までに供養代金を振り込んだ人までがその年の対象になります。田無神社の感謝祭は8月第1日曜で、事前受付期間が設けられています。

中古で売れるかどうか

売却を考える人は多いですが、期待値は高くありません。背景には、節句人形が「一人にひとつ」という考え方で贈られてきた経緯があります。日本人形協会は「ひな人形はその子どもの成長と幸福を祈るものですから、基本的には一人一人の人形と考えられます。」と説明しており、次女・三女にもそれぞれ用意することを勧めています。中古で買い直す動機が生まれにくい商品だということです。

それでも作家名の入った人形や、木目込みの一級品には値がつくことがあります。出張買取を頼む場合は、節句人形が対応品目に含まれているかを申し込み前に確認したいところです。バイセルや買取王子、セカンドストリートといった大手の公表品目一覧を今回確認した範囲では、節句人形を名指しした記載は見当たりませんでした。人形専門の買取業者にあたるほうが早いかもしれません。

よくある質問

雛人形を粗大ごみで捨てても問題ありませんか?

ルール上の問題はありません。横浜市の分別辞典でも人形は素材とサイズで区分されているだけで、節句人形だけを別扱いにする規定はありません。気持ちの面で抵抗があるなら供養という選択肢がありますが、供養しなければならないという決まりはありません。

雛人形はいつ処分するのが正しいのですか?

正しい時期というものはありません。日本人形協会のQ&Aも「何かの事情で人形を保存できなくなった場合」という条件を示すだけで、期限には触れていません。動くタイミングを決めたいなら、供養祭の受付期間から逆算するのが現実的です。

ガラスケース入りの人形はそのまま供養に出せますか?

出せません。日本人形協会は付属するガラスケースや収納箱、飾り台、台座、屏風、道具類を受付できないものとしており、富岡八幡宮もガラスケース等は自宅で処分するよう求めています。人形本体を取り出し、ケースは自治体のルールに従って処分することになります。

節句人形は自分では持っていませんが、条件を読み比べて分かったのは「人形本体」と「それ以外」で処分ルートが完全に分かれるということでした。

まとめ

雛人形・五月人形は粗大ごみとして出せます。供養に出すなら、郵送代行が一箱5,000円+ゆうパック料金、社寺の持ち込みが1体2,000円からか一箱5,000円という水準でした。処分の時期に決まりはなく、協会のQ&Aも条件だけを示しています。

作業の順番としては、まず人形本体とケース・段・道具を分けること。供養に出せるのは本体だけで、残りは自治体のルールで処分します。この2ルートを同時に手配すれば、押し入れは一度で空きます。