レンタル品を壊したら|安心保証の対象外になる条件

レンタル品を壊したら|安心保証の対象外になる条件

レンタルで一番怖いのは、借りたものを壊して高額を請求されることだと思います。各社とも「安心保証」「無償保証」をうたっていますが、条文を読むと必ず対象外の条件があります。読み比べたところ、全社に共通するのは「故意・重過失は対象外」という一点だけでした。通常使用の破損すら無条件で無償とは限らず、紛失・盗難の扱いも社によって分かれます。品目が変われば補償のかけ方も変わります。それぞれの規定を並べて確認していきます。

各社の補償と対象外

サービス 通常使用 対象外になる条件
アールワイレンタル 無償(損害保険加入済み) 内部の汚れ、紛失・盗難、電子機器の過失損害
レンティオ 無償 過失は破損1件あたり2,000円上限、紛失は販売金額100%上限
ククレンタル 無償(保証金不要) 故意・重過失、通常利用目的の逸脱、紛失・盗難・詐欺・横領、差押、自然災害
エース直営レンタル 無償保証 故意・不適切な使用、証明書のない盗難
JALエービーシー
2025年9月から申込休止中
安心補償500円/個に加入時 盗難・紛失、自分で修理手配した場合

表の出典:アールワイレンタルレンティオククレンタル(レンタル約款 第7条)エース直営レンタルJAL ABC(2026年8月時点)

「通常使用なら無償」の社が多い

ククレンタルは「ククレンタルでは、レンタルスーツケースが破損・汚損・紛失した場合でも、お客様に過失がなければ、 修理代・弁償金はかかりません。」としていて、保証金も求めないとしています。アールワイレンタルも「弊社レンタルスーツケース・旅行用品は、全て損害保険加入済み商品となります。ご使用中の破損やキズ、汚れ等は、無償になっておりますので、 安心してご利用ください。」と案内しています。

レンティオは過失があっても上限を設けています。「スーツケースのレンタル期間中はお客様に過失のない故障には修理費など一切請求いたしません。過失により破損された場合も免責費は2,000円まで。それ以上のご負担はありません。」という条件です。ただしこのキャッチ文の下にある規定を読むと「落下など、お客様の過失による破損の場合は賠償費用として、都度2,000円を上限とした金額を申し受けます。」となっていて、契約全体ではなく破損1件あたりの上限です。2点借りて2点とも壊せば、それぞれにかかります。同じページの上と下で条件の粒度が違うので、キャッチ文だけで判断しないでください。

対象外になる条件を条文で見る

ククレンタルの約款は対象外を列挙しています。原則として通常の使用範囲での破損・汚損の責任は負わないとしたうえで、故意または重過失と認められる場合、通常利用目的の範囲を逸脱した場合、紛失・盗難・詐欺・横領にあった場合、公共機関による差押・没収・破棄の場合、自然災害・戦争・暴動の場合は、貸し出し時点の価値に相当する金額で弁償するとしています。

アールワイレンタルは品目ごとに線を引いています。「スーツケース内部の汚れに関しましては、損害補償対象外ですのでご注意下さい。」とし、さらに「カメラなどの電子機器については、お客様の過失による損害(落下や水没等の破損)は保証対象外となりますので、予めご了承ください。」としています。同じ会社でも、スーツケースと電子機器では扱いが違うわけです。

証明書があるかどうかで結果が変わる

盗難でも、証明書があれば救済される場合があります。エース直営レンタルは「盗難証明書、被災証明書をご用意いただければ、 お客様の責任を問いません。ご利用代金のみの請求となります。」としつつ、「証明できる書類の無い場合は、商品の修理費用または市場購入価格をご請求いたします。」としています。海外で盗難に遭ったら、まず現地の警察で書類を取る、という順番になります。

航空会社に預けて壊れた場合も同じ構造です。レンティオは「航空会社・空港側起因の破損については、空港からの破損証明書をご提示いただければ、賠償費用(2,000円)は請求いたしません。」としています。一方、ククレンタルは「当店では、お客様の利便性を考慮して、 破損証明書(Damage Report)の提出も不要 とさせていただいております。」としており、社によって手間がまったく違います。

任意加入型は未加入時の負担が大きい

補償をオプションにしている社もあります。JALエービーシーは「レンタル期間中の破損等に対応した安心補償サービスが、1個につき500円でお申し込みいただけます。」とし、加入すれば負担はないとしています。ただし「盗難・紛失については補償対象外となります。」とあり、未加入の場合は「角のへこみ、陥没、亀裂等は、安心補償にご加入でない場合、修理代金はお客様負担の有料となります。」とされています。さらに「破損等の際は必ず当社にご連絡のうえ、ご返送願います。ご自身で修理手配をされた場合は対象外となります。」という条件もあります。自分で直そうとすると補償が消えてしまうわけです。なお同社のスーツケースレンタルは、在庫入れ替えのため2025年9月26日から申し込みを一時休止しています。任意加入型の例として読んでください。

品目が違うと補償の型も変わる

ここまではスーツケースの例ですが、レンタルは品目によって補償のかけ方が違います。同じ「安心」という名前でも中身が別物なので、借りるものが変わったら読み直す必要があります。

負担の決まり方
無償型 ククレンタル・アールワイレンタル(スーツケース) 通常使用なら追加負担なし。加入手続きも不要
免責定額型 レンティオ(スーツケース) 過失があっても破損1件あたり2,000円まで
任意加入・定額型 JALエービーシー(スーツケース) 1個500円を払えば負担なし。未加入だとへこみ等が有料
任意加入・定率型 Cariru BLACK FORMAL(喪服) レンタル料金の10%。借りる額に比例する
任意加入・段階型 ベビレンタ(ベビー用品) 980ポイントで5,000円まで補償。2,980ポイントの上位プランもあり

表の出典:レンティオJALエービーシーCariru BLACK FORMALベビレンタ(2026年8月時点)

喪服のCariru BLACK FORMALは「レンタル料金の10%をお支払いいただくことにより」修理費の負担が免除される定率型です。高い品を借りるほど保険料も上がる代わりに、安いものなら数百円で済みます。同社の最安クラス(4日間4,980円)なら、あんしんプランは498円という計算です。ただし対象は修理できる範囲までで、同社は「修理を試みても復旧不可能な破損・汚損の場合は、あんしんプランは適用されません」とし、盗難・紛失にも適用されないとしています。

ベビー用品のベビレンタは、980ポイントのオプションで5,000円までの損害を対象とし、さらに2,980ポイントの上位プランも用意しています。子どもが使うものは汚損の頻度が読みにくいため、補償の上限を金額で選べる形になっています。

型が違っても共通しているのは、任意加入のプランは盗難・紛失をカバーしないという点です。CariruもJALエービーシーもベビレンタも、加入していれば破損の負担は消えますが、失くしたときは別勘定になります。ただし無償型の社では扱いが分かれていて、ククレンタルは過失がなければ紛失でも弁償金はかからないとし、エース直営レンタルは証明書があれば責任を問わないとしています。「盗難・紛失=必ず全額負担」ではないので、自分が借りる社の条文を確かめてください。

壊したときにまずやること

手順は3つです。ひとつ目は自分で修理しないこと。ふたつ目は借りた会社にすぐ連絡すること。三つ目は、第三者が原因なら証明書を取ることです。ククレンタルは、破損証明書は税関を通る前の手荷物サービスカウンターで発行してもらえるとし、税関を通ると発行はほぼ不可能になると説明しています。

よくある質問

安心保証に入っていれば何をしても無料ですか?

そうではありません。故意や重過失はどの社も対象外です。紛失・盗難も多くの社で別枠ですが、ここは扱いが分かれていて、ククレンタルは過失がなければ紛失でも弁償金はかからないとし、エース直営レンタルは盗難証明書があれば責任を問わないとしています。またJALエービーシーは、加入していても自分で修理手配をした場合は対象外としています。

全損した場合も無料ですか?

通常使用の範囲であれば無償修理の対象とする社が多いですが、過失があると実額の請求になります。ククレンタルは「当社は、スーツケース1台1台を管理しており、貸出回数により減価償却されますので、全損になった場合の弁償費用は、商品1台1台により異なります。3千円くらいから、最大でも当社販売価格(1万円〜3万8千円)となります。」としています。新品価格ではなく、貸出回数で下がった価格が上限になる建て方です。

部分的な破損なら、もっと小さい額で収まります。同社は鍵をこじ開けて開錠した場合の例として、「鍵交換だけの場合、1,600円(消費税別)」を挙げています。なお同社の約款は、通常の損耗以上に損傷した場合や重度の汚損があった場合、回収日前日までに届け出るよう定めています。

海外旅行保険やクレジットカードの付帯保険で賄えますか?

紛失・盗難については賄えることがあります。レンティオは「海外旅行中の盗難・紛失の場合は、クレジットカードの付帯保険をはじめとした海外旅行傷害保険でその負担金の大部分を清算可能ですのでご安心ください。保険金申請に必要な書面の用意もします」としていて、書面の用意まで引き受けています。JALエービーシーも、加入している旅行損害保険での精算を対応のひとつに挙げています。一方でククレンタルは「当社では修理費用無料(お客様事由を除く)となっておりますので、お客様側での物品破損保険等の加入は不要です。」という立場で、社によって考え方が違います。

まとめ

レンタル品の補償で全社に共通しているのは、故意・重過失が対象外という一点です。通常使用の破損を無償にする社が多い一方で、JALエービーシーのように加入しないと有料になる社もあり、喪服やベビー用品では定率型・段階型といった別の型も使われています。契約前に、自分が借りる品目の補償がどの型かと、盗難時にいくら請求されるかだけ確認しておけば、想定外の請求は避けられます。

安心保証という言葉より、その下に並ぶ除外条件のほうが実際の負担を決めていました