喪服は買うのとレンタルのどっちがいいか。結局のところ「何回着るか」と「そのとき体型が同じか」の二つで決まります。今後5年で着る回数が男性なら4回以上、女性なら3回以上あり、体型が安定しているなら購入。そうでなければレンタルです。これが購入価格とレンタル料金を公式サイトの実額で並べて計算した結果で、男女で1回ぶん違うのは喪服本体と小物の値段の差から出てきます。感覚の話ではないので、数字のほうから追っていきます。
実額で並べた比較
| 項目 | 購入 | レンタル |
|---|---|---|
| 喪服本体(税込) | 男性19,701円〜/女性15,323円〜 コナカのWEB価格・最安 |
男性6,340円/女性8,980円〜 1回あたり・小物込み |
| 小物 | 別途2,960円〜(レディース小物) | セットに含む社が多い |
| 使える期間 | 買い替えるまで | 3泊4日〜6泊7日(社による) |
| 着用後の手入れ | 自分でクリーニング | 不要(各社共通) |
| 保管 | クローゼットを常時占有 | 不要 |
| サイズが変わったとき | 直しか買い替え | そのとき合うものを選べる |
出典:コナカ・フタタ公式オンラインショップ/RENCA/Cariru BLACK FORMAL(2026年8月時点)。コナカは定価とWEB価格の2段表示で、税込表記が付くのはWEB価格の側です。
購入価格の実際
まず買う側の数字を確定させます。ここで注意したいのは、コナカ・フタタ公式オンラインショップが定価とWEB価格を2段で表示していることです。税込と書かれているのは下段のWEB価格のほうで、実際に払うのはこちらになります。メンズのフォーマルスーツはWEB価格19,701円から61,523円(税込)で41点、レディースは15,323円から53,823円(税込)で27点でした。さらにレディースのフォーマル小物が2,960円から11,781円(税込)ですから、バッグやアクセサリーを揃えるとここに乗ってきます。上段の定価だけを見て計算すると、購入側を実際より不利に見積もることになります。
加えて、メンズのフォーマルスーツは商品名に「※裾上げ必要」と付いているものが少なくありません。買ってすぐ着られるとは限らず、裾上げの時間も見込んでおく必要があります。急な訃報で今日中に必要という状況では、ここが効いてきます。
レンタル1回あたりの実額
レンタル側は、小物込みで考えると1回あたり6,340円から9,980円でした。RENCAの男性は礼服のレンタル料4,800円(税込)にフルセットオプション1,540円を足して6,340円。期間は3泊4日ですが、これは利用日の2日前に届く場合の最長で、前日着なら2泊3日になります。喪服レスキューのフルセットプランは9,980円(税込)で6泊7日。Cariru BLACK FORMALのレディース8点セットは8,980円(税込)からで4日間です。同じ「1回」でも借りていられる日数が倍近く違いますので、通夜と告別式が続くときや遠方まで往復するときは、金額だけで選ばないほうが安全です。
返却時のクリーニングは各社とも不要です。礼服レンタルのやましたは「クリーニングは不要です。汚してしまった場合でもそのままご返却ください。」、Cariru BLACK FORMALも「不要です。当店にてクリーニング手配をいたしますので、ご着用後そのままの状態でご返却ください。」としています。購入した場合は着るたびにクリーニング代がかかりますので、この差も回数分だけ積み上がっていきます。
損益分岐点はどこか
男女で条件が違うので、分けて計算します。
男性は、購入がコナカのWEB価格最安19,701円、レンタルがRENCAのフルセット6,340円。3回借りても19,020円で、購入19,701円をまだ下回ります。4回目に25,360円となって購入を上回りますので、分かれ目は4回目です。購入側は着るたびにクリーニング代がかかりますから、1回2,000円として足すと、4回時点では購入27,701円に対しレンタル25,360円でまだレンタルが安く、5回目に購入29,701円・レンタル31,700円で逆転します。
レンタルのセットには、社によってバッグ・数珠・袱紗・パールまで入ります。それらを持っていない場合、購入側にはあとから足りない分が乗ります。男性ならワイシャツ・ネクタイ・靴・ベルト(RENCAのフルセットには含まれます)、女性ならコナカの小物でそろえると、フォーマルバッグ8,811円・ネックレス&イヤリング11,781円・袱紗3,861円・念珠3,861円です。
手持ちがどれだけあるかで、分かれ目は前後します。クローゼットを開けてから読み進めてください。
女性は本体が安いぶん、分かれ目が早く来ます。購入はレディースのWEB価格最安15,323円に小物2,960円を足して18,283円。レンタルはCariruの8点セット8,980円です。2回借りると17,960円で購入をわずかに下回りますが、3回目に26,940円となって上回ります。分かれ目は3回目です。こちらはクリーニング代を足しても、3回時点で購入24,283円・レンタル26,940円と購入のほうが安いままで、回数は変わりません。
ただしこの18,283円の小物2,960円は、コナカの小物一覧で最も安いコサージュの値段です。バッグもパールも数珠も持っていないなら、同じ一覧でそろえるとスーツ15,323円+バッグ8,811円+ネックレス&イヤリング11,781円+袱紗3,861円+念珠3,861円で43,637円になります。この場合はレンタル4回で35,920円、5回で44,900円ですから、分かれ目は5回目まで後ろにずれます。手持ちのバッグと数珠があるかどうかで、2回ぶん変わる計算です。
・男性: 今後5年で4回以上着る見込みがあり、体型も安定 → 購入(毎回クリーニングに出すなら5回以上)
・女性: 同じく3回以上なら購入(クリーニングに出しても3回で変わりません)
・年に1回あるかどうか、または体型が変わりやすい時期 → レンタル
・今回が急ぎで、次にいつ着るか読めない → まずレンタルで乗り切る
金額以外で判断が割れるところ
喪服には、金額だけでは片づかない事情がいくつかあります。
ひとつは体型です。喪服を着る機会は数年おきなので、前回買ったものが入らないという状況が起きやすくなります。自分も社会人1年目に喪服を買って、いまも持っています。ただ32歳になって当時と体型は同じではなく、いざ袖を通したときに合うかどうかは正直わかりません。妊娠中や産後、あるいは体重が変わった時期なら、そのとき合うサイズを選べるレンタルのほうが確実です。
もうひとつは格式です。参列者としてなら、葬儀社の解説でも「現在では厳密な決まりはありませんが、三回忌までは略礼服が一般的です。」とされており、一着あれば足ります。ただし喪主や遺族として立つ場合は求められる装いが変わるため、そのつど合わせられるレンタルに利点が出てきます。
三つ目は保管です。1Kで暮らしていると、年に一度も着ない服にクローゼットの一列を割く判断はかなり重くなります。一人暮らしが長いぶん、使う頻度の低いものを買って置き場所に困った経験も何度かありました。金額に換算しにくい部分ですが、実際には無視できません。
よくある質問
喪服を買っておくと不幸を招くというのは本当ですか?
そうした言い伝えは地域や家によって語られますが、公的機関や業界団体の解説にそのような記述は見当たりませんでした。判断材料としては、着る回数と体型の見通しで考えるほうが実務的です。
レンタルを繰り返すと結局高くつきませんか?
男性は4回目、女性は3回目から購入のほうが安くなります。男性は3回借りてもレンタル19,020円で、購入19,701円をまだ下回ります。女性は本体が安いぶん分かれ目が早く、2回目まではレンタルが安く、3回目で購入が上回ります。ただし男性は購入側のクリーニング代を1回2,000円として入れると逆転が5回目にずれます(女性は3回目のまま変わりません)。保管の手間が続くことや、体型が変われば買い替えが必要になることも含めると、回数だけで単純には比べられません。
急ぎのときは買うのとレンタルどちらが早いですか?
状況によります。店舗が近く在庫があれば購入も早いのですが、メンズのフォーマルスーツは裾上げが必要な商品が多いです。一方で無人店舗型のレンタルなら、試着して当日持ち帰れます。今日中に必要なら、受け取り方法から逆算してみてください。
まとめ
喪服をレンタルにするか購入にするかは、男性なら4回、女性なら3回という回数がひとつの目安になります。男性が毎回クリーニングに出すなら5回です。ただし急ぎの場面では、金額よりも「いつ手に入るか」が先に来ます。今回だけ乗り切ってから改めて考える、という順番でも遅くはありません。











