スーツケースは買うかレンタルか?回数で決まる分岐点

スーツケースは買うかレンタルか?回数で決まる分岐点

年に一度あるかどうかの旅行のために、大きなスーツケースを買うべきか借りるべきか。計算してみると、同じサイズを5回以上使う見込みがあるなら購入、4回までならレンタルが合理的でした。この5回という数字は感覚ではなく、同じ会社が同じ商品に付けているレンタル料金と販売価格から出せます。

購入とレンタルの早見表

項目 購入 レンタル
初期費用 2万5千円〜7万円台(税込) 1回5千〜7千円前後(税込)
保管 使わない間もずっと占有する 不要
サイズ変更 買い足すしかない 旅行ごとに選び直せる
壊れたとき 自費で修理か買い替え 過失がなければ無償の社が多い
向いている人 年2回以上、同じサイズで出かける 年1回以下、行き先も日数もばらつく

分岐点を実額で計算する

レンティオは、レンタル中の商品をそのまま買い取れる仕組みを持っています。同じ商品にレンタル料金と販売価格の両方が出ているので、比較の土台として使いやすいです。

3〜5泊向けのレジェンドウォーカー5208マリブ(48L)は、ワンタイムプランが3泊4日で5,500円(税込)、そのまま購入する場合の当社規定価格が25,300円となっていました。これに「全国一律480円の配送手数料でお届け、返却時の送料は無料です。」という配送手数料が乗るので、1回あたりの実質負担は5,980円。25,300円 ÷ 5,980円 ≒ 4.2回で並ぶ計算です。4回なら23,920円でまだレンタルが安く、購入が安くなるのは5回目(29,900円)からになります。

もう少し上のクラスを買うなら、分岐点は後ろにずれます。日本製のエースラゲージ公式オンラインストアの3〜5泊サイズは63,360〜77,000円(税込)です。同じ1回5,980円で割ると63,360円で10.6回、77,000円で12.9回ですから、この価格帯なら11回から13回使ってようやく並ぶ計算になります。

ただし、この計算には現れない支出がふたつあります。ひとつは購入側の修理代です。キャスターやハンドルは消耗部品なので、長く持てば必ず交換の場面が来ます。もうひとつは処分費で、大型のスーツケースは自治体によって粗大ごみ扱いになります。買う側の総額を出すときは、この二つを最後に足しておいてください。

逆に、レンタル側にも見落としやすい費目があります。配送手数料と、返却が1日ずれたときの延滞料金です。アールワイレンタルは自宅集荷の時間帯について「集荷時間によって発送が翌日付となりますと、延滞料金が発生しますのでご注意ください。」と案内しています。1回あたりの単価が小さいぶん、こうした上乗せの影響は相対的に大きくなります。

回数だけで決めると外すところ
5回使う予定でも、その5回の行き先と日数がばらばらなら購入は不利になります。2泊の国内出張と10日間の海外旅行では必要な容量が倍以上違い、1本では両方に対応できないからです。

置き場所というもうひとつのコスト

一人暮らしを14年、引っ越しを4回してきた立場から言うと、Lサイズのスーツケースはワンルームで最も扱いに困る持ち物のひとつでした。押し入れの一段を丸ごと使い、しかも年に一度しか開けません。エース直営レンタルのFAQも購入かレンタルかの相談に対して「ご旅行の頻度や住宅事情をご考慮の上ご検討くださいませ。」と答えていて、住宅事情を頻度と同列に置いています。

私自身は買った側で、使うのは年に1〜2回。この記事の計算式に自分を当てはめると、明らかにレンタル側でした。買う前に調べる癖はついたつもりだったのですが、スーツケースは調べきれなかったほうに入ります。

加えて、使わずに置いておくだけでも劣化は進みます。JALエービーシーも「スーツケースは大きいサイズの物になると、保管場所に困ることがあります。また、年に数回しか使わなくても経年劣化を起こします。」と説明しています。買った直後は問題なくても、5年後に取り出したらキャスターが割れていた、ということは起こりえます。

買う前に借りて試すという順番

どうしても買いたいが失敗したくない、という場合は、先に同じモデルを借りるという手があります。アールワイレンタルには試して購入という仕組みがあり、レンタルで使い勝手を確かめてから新品を注文できます。「レンタル商品が届いてから、レンタル期間が終了するまでご購入のお申し込みが可能です。」とされています。容量やキャスターの音は、荷物を詰めて実際に歩いてみないと分かりません。

よくある質問

スーツケースは何年くらい使えますか?

使用頻度と保管環境によるため、公式に何年と示している会社は見当たりませんでした。ただしJALエービーシーは、年に数回しか使わなくても経年劣化は起こると説明しています。長期保管したものは、旅行の直前ではなく数日前に出してキャスターとハンドルを確かめておきましょう。

レンタルは中古品ですよね、汚くないですか?

返却のたびに清掃されています。エース直営レンタルは、貸出しの度に汚れ落としと消臭作業を行うとしています。一方で新品指定はできないと明記している社もあるので、傷や小さな凹みはあるものと考えておくほうがいいでしょう。

結局どちらが安いですか?

使う回数次第です。2万5千円台の商品なら5回目から、6万円台なら11回から13回目で購入が有利になります。1回あたりのレンタル負担を5,980円(レンタル料5,500円+配送手数料480円)として割った結果です。ここに保管スペースと処分の手間を加えると、年1回以下の人はレンタルのほうが総額で軽くなります。

まとめ

スーツケースを買うかレンタルにするかは、5回という回数がひとつの目安になります。ただし行き先と日数がばらつく人は、回数が増えても1本では足りません。自分の旅の型が固まっているかどうかで判断してみてください。

引っ越しのたびに運んだ大きなスーツケースは、結局のところ中身より場所を食っていました